行くだけではあるんだけど
まるで通勤するかのごとく、平日の毎日、定時に病院に通い、術着に着替えて約10分の放射線治療を受ける。
言葉にすると簡単そうに聞こえますが、これがわりと大変でした。
特に私の場合、前回書いたように念のために長めの30回で設定されていたので、かかる期間も一ヵ月を越えます。
開始後、少し経ってからは週に数回出勤もしていたので、ちょっと打ち合わせやミーティングが長引くとぎりぎりになってしまい、地下鉄の中でうっかり走りそうになったりと、常に気ぜわしさがあったように思います。
また、胸につけてある印が消えないようにするのは、前回お伝えしたように地味に大変でしたね。
汗だけでもにじんでくるので、消えてしまわないかとシャワーなどの時にはいつもはらはらしていました。
とはいえ、私は病院が自宅から近かったので、まだ負担は小さかったと思います。これが毎日、何度も電車を乗り継ぐような距離があったらもっと大変だと思います。
どこの病院にかかるかは、まずは主治医との相性や信頼が大事ですが、こと放射線治療のような毎日のことを想定すると、距離や場所も考えるべきだなと思いました。
私はあまりなかったのですが、放射線治療の後は眠くなる人が多いそうで、車の運転などは控えるように言われました。そういうことも考慮に入れておいた方がよいと思います。
また、時間帯も午前中はほぼ予約で満杯で、中途半端な夕方に毎回設定していたのも大変だった理由のひとつかもしれません。
患者さんが多い病院だと午前中は予約で一杯、ということもあるようなので、距離だけでなく、時間帯の面でも負担なく通えるかを前もって確認し、必要なら仕事の調整などもしておいた方がいいかもしれません。
そして、放射線治療をすると、どうしても肺にも放射線が当たってしまうので、肺がんになりやすい危険もあるそうです。
半年後から一年くらいは気を付ける必要があるそうで、とくに喫煙者は気にした方がよいかもしれませんね。
心のためにお楽しみや達成感を作ろう
あとは細かいことですが、病院に通う楽しみを作っていた方がメンタル的にも負担が減るのでおすすめです。
私は、以前書いたように、可能な時はランニングできる格好で行き、その後病院の周りを走る、ということを実行していました。
走ってすっきりしたら、帰り道にあるお気に入りのパン屋を覗いて翌日の朝食のパンを買うのも密かな楽しみでした。
ほんの少しであっても、病気になる前と同じことが今日もできたという満足感と達成感(ランニング)、そしてご褒美(お気に入りのパン)。
日常を普通に過ごせるときには些細なことかもしれません。けれども、こんな時にはそんな些細な積み重ねが確実に自分のメンタルを救ってくれたと思います。
苦節一年、とうとう経過観察でOKに!
そんなあれこれを越えて、令和2年が始まってすぐに、30回、1ヵ月を超える放射線治療が無事に終わりました。
そこからまた約1ヵ月。やっと、今後は経過観察で大丈夫、ここで一旦終了です。という主治医の言葉を無事にもらうことができたのです。
2019年3月に胸の出血に気付き、4月に初受診、最初の手術が6月。二回目の手術が8月、三回目が10月で放射線治療が12月。
年が明けて、2020年1月初旬に放射線治療が終わって、この言葉を得たのが2月のこと。
実に一年近い期間を経て手に入れた、待ちに待った言葉でした。