タンパク質を取り入れることで、筋肉増強の効果がより実感できます。筋力トレーニング、タンパク質の摂取、休養のポイントを覚えて、美と健康をキープして!
今回の話を伺った先生
上西一弘さん
Kazuhiro Uenishi
女子栄養大学栄養学部教授。大学のゼミでは選手のパフォーマンスが上がり、勝てる体をつくるためのスポーツ栄養学を研究し、指導にあたる。著書に『新しいタンパク質の教科書 健康な心と体をつくる栄養の基本』(池田書店)など
筋肉増強に!
筋トレ、タンパク質摂取、休養を繰り返すことがポイント
筋肉をつけたい場合は、タンパク質の摂取と筋トレとの組み合わせが必須。
「筋肉は、つねに合成と分解が同時に起き、少しずつ入れ替わっています。筋トレをすると合成と分解の両方の速度が高まり、その後に十分な栄養補給と休養をすることで分解が遅くなり、合成が優位になって筋肉は肥大します。
ですから、①筋トレで筋繊維にダメージを与える、②タンパク質を十分にとる、③休養して筋肉が大きくなるよう修復するという3つを繰り返すことが必要です。
そして、効率よく筋肥大させるには、筋肉の合成速度を上げることが重要。そのためには、タンパク質をとる量、タイミング、質、タイプという4つのポイントがあります。
下で紹介する4つのポイントに従って、タンパク質を取り入れましょう」
POINT 1
体重×2gを、1回に20〜30gずつ補う
筋肉増強を目指すなら、摂取するタンパク質の量は自分の体重(㎏)×2gは補いましょう。
また、1回の食事で効率よく吸収できるのは20〜30gとされるので、食事や間食も含めて数回に分けてとって。
POINT 2
筋トレ後、48時間しっかり摂取すべし
筋肉の合成速度は筋トレ後1〜2時間がピーク。このときにタンパク質不足にならないよう補充することが大事。
また、筋トレ後48時間程度は合成速度が高い状態が続くので、こまめに摂取を。
POINT 3
BCAAをとって効率よく筋合成を促す
筋肉増強にはロイシン、イソロイシン、バリンの3つのアミノ酸「BCAA」の補給を。
ロイシンは筋合成を促し、イソロイシンとバリンは筋肉の分解を減らす効果が。魚や肉からのほか市販品の利用も手。
BCAA、アルギニン、クエン酸などを配合。inゼリー エネルギーストロング 180g¥250/森永製菓
POINT 4
消化のいいタンパク質で利用効率アップ
摂取したタンパク質はすべてが筋合成に使われるわけではありません。
効率よく利用するには胃にある時間を短くし、素早く吸収させるのがカギ。
そのためには塊肉よりミンチ状、固体より液体がよく、かつ低脂質のものだと早く吸収されます。
BCAA、アルギニン、ホエイタンパク、植物由来乳酸菌B240を配合。ボディメンテ ゼリー 100g ¥300/大塚製薬
イラスト/二階堂ちはる 取材・原文/和田美穂