同じ悩みを持つ人との交流もできるサポート機関を上手に活用し、更年期の症状やその正しい対処法などの知識を身につけましょう。
正しい知識と前向きな気持ちをサポート
女性ホルモン塾
「最初は雑誌編集者など、メディア関係の友人を招いて、女性ホルモンに関するセミナーを開いたのが始まりでした」と話すのは、産婦人科医でこの会を立ち上げた対馬ルリ子先生。
わかっているようで、実はよく理解できていない女性ホルモンの内容に、当時の参加者から「もっと一般の人たちにも正しい知識を広めましょう」という声が上がり、美容家の吉川千明さんとタッグを組んで、2002年に「女性ホルモン塾」を発足。定期的にセミナーを開催しています。
「女性は一生の中で、思春期、成熟期、更年期、老年期とホルモンがダイナミックに変化します。月経周期や妊娠・出産など、男性とは異なった心身の変化をしています」
現在では女性のライフスタイルも大きく変わり、子どもを産み育てる一生ではなく、多様化しています。
「そんな中で、男性と同じように働いていたら、女性の体は悲鳴を上げます。結果、うつや子宮内膜症、乳がんなどが増加しています。もともと男性とは体の作りが違う、女性ならではの体の仕組みを正しく知っておくことは、女性だけでなく、男性にも必要です」
日本の社会は男性の価値観がベースになっているので、仕事に加え、家事も子育ても介護も、すべて女性が負担するケースが多いのが現実。
「女性が輝く社会を…としきりに言われていますが、それを実現させるには、女性ホルモンのリズムに合った職場や生活環境が必要なのです」
女性ホルモン塾では女性の体の仕組みの基礎知識をはじめ、更年期の症状やその対処法などをわかりやすく解説。
「最初に参加者から、どんな目的で来たのか? などの簡単な自己紹介をしてもらいます。やはり圧倒的に多いのは、更年期の症状で悩んでいる方です。また、職場環境の改善のために、男性が参加されるケースもあります」
「女性ホルモン塾」は「NPO法人 女性医療ネットワーク」の活動の一環で、ほかに次世代の女性医療・健康・美容の指導者を育成する女性健康学校「ジョイ・ラボ」、乳房の健康を応援する「マンマチアー委員会」なども運営。
「人生 100 年時代。自分の体と向き合い、正しい知識と情報交換などをしながら、自分らしく人生設計を立てて、いつまでも生き生きと輝いてほしいと思っています」
セミナーの開催
「女性ホルモン塾」では女性の体の仕組みや更年期症状と解決策などを解説。年内は、保健同人社(千代田区一番町)にて、10/24(木)、12/17(火)の予定。2020年度も7回程度実施予定。詳細は「NPO法人 女性医療ネットワーク」へ。
ジョイ・ラボ
新しい女性医療とヘルスケアのあり方の知識と指導者を育てる、女性の健康学校「ジョイ・ラボ」は2012年に開設。開催される全31講座を受講すると、「女性の健康総合アドバイザー」資格とクリスタルの楯が授与されます。
マンマチアー委員会
女性の乳房の健康を応援する目的で発足。乳がんを経験した人だけでなく、経験していない女性にとっても興味深い情報を提供。本誌で連載コラムを持つ医療ジャーナリストの増田美加さんなどが運営しています。月1回、無料で開催。
対馬ルリ子さん(右)Ruriko Tsushima
産婦人科医師、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。
「NPO法人 女性医療ネットワーク」理事長。
著書に『女性ホルモンで世界一幸せになれる日本女性』(マガジンハウス)など
吉川千明さん(左) Chiaki Yoshikawa
美容家・オーガニックスペシャリスト。
「ビオ代官山」、働く女性の保健室「さくら治療院」代表。
対馬ルリ子女性ライフクリニック新宿院では「あれ肌外来」も担当している
NPO法人
女性医療ネットワーク
東京都文京区本郷4-1-5 石渡ビル5F アクセライト内
☎03-6801-6193
取材・原文/山村浩子