骨盤底筋が弱くなると「尿もれ」「肩こり」などの不調に。
その原因は、日常動作のクセと股関節の硬さにあり!
「尿もれ」「猫背」「反り腰」「肩こり」「冷え性」「生理不順」などなどの体のトラブルは、インナーマッスルである骨盤底筋が弱っているからだったりします。
「その最も多い原因は、股関節を動かしていないこと。股関節は、球関節といって本来は最もよく動いているべき関節です。その関節が日常の動作で動かされていないせいで、股関節が硬くなってしまっているんです。では、どんな動作に気をつければいいか、これからチェックしてみましょう」(田舎中真由美さん)
これやってない? 日常動作をcheck!
【座るとき】
ビキニラインである股関節を先にしっかり曲げずに、お尻からドスンと座っていませんか? 正しい座り方は写真の田舎中真由美さんの見本のように「まず股関節を曲げ、座面には太ももが先に、お尻は最後につきます」。背中は丸めないよう前傾姿勢で。
座ったとき猫背にならず、「尾骨は座面から離れている」こともポイント。
【立ち上がるとき】
立ち上がるとき、腰を丸めて立たないこと。背骨は真っすぐにしたまま、足の付け根(股関節)から体を前に起こします。頭もしっかり下げましょう。
「ソファなど深い椅子から立ち上がるときは、より骨盤底に負荷がかかるので、尿もれの人は特に、腟をキュッと締めてから上体を起こすようにしてください」
股関節を柔らかくするポイントは、もも裏伸ばし。
骨盤底がうまく機能するためには、骨盤の歪み取りを!
股関節を柔らかくするストレッチ
「骨盤底筋が弱い人は、骨盤底も、もも裏も硬くなっているのが特徴。まず、股関節を柔らかくするため、もも裏にテンションをかけるストレッチから始めましょう。次に、骨盤のねじれを取ると、骨盤の左右差や歪みが取れて、骨盤底筋を使いやすくなり、筋肉も柔らかくなっていきます」
【もも裏ストレッチ】
椅子に浅く座り、一方の足を前に出し、つま先を上に上げます。
股関節を手で押さえながら、上体を丸めないようにして、前に傾けます。
息を吐きながら曲げ、10秒キープ。
反対側の足も同様に行います。
【ハッピーベイビーストレッチ】
あお向けになり、両手を膝の内側から伸ばし、足の小指側からひっかけて持ちます。
膝を開いて、かかとを天井に向けます。
やりにくい人は、あお向けになって、最初に両膝を曲げて両手で膝を抱えてから、写真のポーズに移ってください。
ゆっくりと腹式呼吸を10回ほど繰り返します。
「骨盤底筋と股関節の動きがよくなってきたら、尿もれなどもだんだん改善がみられるはずです」
【教えていただいた方】
臨床経験20年以上、1万5000人以上を診てきた理学療法士。専門は腰や骨盤まわりの痛み、産後の骨盤まわりの緩みや痛み、尿もれの改善
田舎中さんが所属するフィジオセンターは、病気やケガによる不調、腰痛、膝痛といった日常生活の体の痛みなどに対応する、理学療法士によるリハビリ&コンディショニングスペース。
撮影/編集部 ヘア&メイク/田代ゆかり(HAPP’S) 取材・文/井尾淳子