ワンピースを着たいです。おばさん体型でも着られるものは？【40代読者のお悩み】

地曳いく子

non-no、MORE、Oggi、eclatなど雑誌を始めとし、タレントの衣装も担当。イタくない大人のスタイリングを得意とし、テレビ、トークショーなどで活躍、キャリア30年のスタイリスト。大人のおしゃれを考え直す「50歳、おしゃれ元年。」（集英社）をはじめ、「服を買うなら、捨てなさい」（宝島社）、「ババア上等！余計なルールの捨て方大人のおしゃれDo！＆Don’t 」（集英社）など著書多数

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今月も2本立て！　久しぶりに「おしゃれ」についてのお悩みにお答えします。

お悩み：その32

ワンピースを着たいです。出産と加齢でおばさん体型になり、おなかがぽっこり出ています。ウエストマークのシャツワンピは見苦しく、ゆったりしたワンピは妊婦のように見えます…。若作りではなく、大人女子が着てもOKなワンピースの選び方を教えてほしいです。（40歳・会社員・東京都）

イラスト／松元まり子

地曳さんのお答え

ワンピースって、一瞬で決まるからいいですよね。

着物を着ていた日本人にワンピースが似合わないはずがないので、ドンドン着ていってください。

ただ、選び方にはコツがあります。まず、「ワンピースが似合っていた昔の自分」基準を捨てること！ウエストマークのシャツワンピがキマるのは20代、30代までが限界です。歳を取るとくびれがなくなっちゃうから（笑）。もうこれは仕方ありません。

大人のワンピース選びの基準は、生地の質感とシルエットサイズ感です。ゆったり系ワンピでもエヴール（ebure）とか大人向けのブランドで、生地がちょうどいい具合にしっかりしていて身体の肉感を拾わないものを選べば妊婦のように見えません。うまく体型が隠せるんです。これは以前に骨格でお悩みの方にお答えしたのと同じですね。

若い人向けのブランドで買うのはおすすめしません。若い人向けの服は同じデザインでも、バストの切り替えの位置が違うんです。大人向けの服はバストの切り替えが1、2cm下に作られています。肉が下がってくるのを考慮して（笑）。生地がペラペラなものも多いですよね。これでは、ヤバい下腹部問題もさらされまくりです。

サイズ選びについては、これまでも何度も書いていますが、自分が普段はMサイズだったとしてもLサイズを着たり、逆にSサイズにしたり。同じデザインでもひとつ大きくして成功することもあれば、あえて小さくすることで成功することもあるので、必ず試着して確かめてくださいね。

ビッグシルエットの流行がまだ終わっていなくて本当に有難いですよね（笑）。タイトなシルエットが流行っていた頃の、リトルブラックドレスを今着たらもう地獄絵図ですよ（笑）。レッドカーペットでも歩かない限り、タイトなワンピースを着なくて済むこの時代に感謝です。

話は戻りますが、着物って帯とか襟でアレンジするでしょう。それと同じようにワンピースもスカーフを巻くとかネックレスをするとか、付属品をちょっとトッピングすると同じワンピースでも全然違って見えてきますよ。さらに痩せて見せたかったらロングカーディガンを重ね着しましょう。そうすると、縦線が強調されてスラっと見えます。

お悩み：その33

髪型がワンパターンで、いつも同じような雰囲気になってしまいます。ヘアアクセを使ったりして、TPOにあわせて簡単にアレンジできる方法を知りたいです。（47歳・専業主婦・埼玉県）

地曳さんのお答え

芸能人とかモデルさんは

ヘアメイクさんがついているから毎回変えてもらえるけど、普通は無理ですよね。

いろいろなアレンジにトライする前に、今の自分にピッタリなバランスのベースになるヘアカットを探しましょう。アレンジ云々はその後です。

今の髪型に不満なら、思い切って美容室を変えてみても。美容室が同じうちは髪型もワンパータンになりがちですから、一番手っ取り早いのは美容室を変えることです（編集注：美容室の選び方についてはお悩み第24回をお読みください）。

ヘアアクセは、シュシュとかバレッタとかいろいろありますけど、プラザとかZARA、H&Mに行けば安くて良いものが豊富に揃っているので、2、3000円持って「可愛い！」と思ったものを片っ端から買っていく！それを美容室に持って行って「これを使ってアレンジしてください」って言えば、あなたに合った使い方を教えてくれます。

私にはあなたの生活スタイルがわかりませんが、美容師さんはお客さんの生活スタイルや髪質を把握してるから、あなたにできる髪型とできない髪型を考えてくれます。TPOに合わせてアレンジしたいのだったら、きちんと自分のTPOを伝えるのも忘れずに！「女友達とお出かけする時」とか、お子さんがいらっしゃるなら「保護者会」「ママ友会」向けとか。

私の場合、毛量がすっごく多いのでバレッタはすぐ壊れるし、ゴムも大袈裟ではなくて三日で切れるので基本的にあまりヘアアクセは使えません。なので、2、3日で落ちるカラートリートメントで白髪部分を緑にしたり、先月久々に前髪を作ってビリー・アイリッシュ風にしてみたので、前髪を上げたり、分け目をつけて横に流したりと、かなりアレンジして遊んでいます。

これはひとつの考え方ですが、髪型がいつも同じなのは悪いことではないと思いますよ。人に覚えてもらいやすくなったり、相手に安心感を与えたり。
米国版「VOGUE」編集長のアナ・ウィンターも50年以上もボブヘアです。ただ、その中でもヘアカラーを変えたり、ハイライトを入れて微妙に変えている。同じようにあなたもすでに自分に馴染んだ髪型の中でアップデートしていくという手も考えてみてください。

同じ髪型で悩めるうちが華ですよ！ 50歳も過ぎれば、髪質は変わるし、量も減るし、白髪だって増える。同じ髪型にしようとしても出来なくなるんですよ（笑）。たまに、若い頃と同じような80年代風の髪型をしているおばさまを見かけますけど、あれは逆毛を立てたり、巻いたりしてすっごく時間をかけてますからね。