「日差しに春を感じると、白が着たくなります」と黒田知永子さん。ダークカラーのコートから解放されるこの時季に実感する白の魅力は、着こなしを品よく洗練させ、気持ちまで明るく盛り上げてくれますね。大人をブラッシュアップしてくれる、白の実力をたっぷり提案します。
強い「白」
この春は、まろやかさを削ぎ落としたクールな白に注目が集まっています。甘さを抑えたアイテムを選んだら、背すじをしゃんと伸ばして颯爽と。
ハードとフェミニンが薫るシーズンレスジャケットに白という贅沢
まだ肌寒い早春や季節の変わり目に頼りになるライダースジャケット。見慣れた黒レザーと違って、ハリのある純白の布はくにハードなディテールと女性らしい細身シルエットが目に新しく、素肌に直接はおっても心地よい。白のイージーパンツでリラックスした着こなしを。
優しい「白」
柔らかなニットや早春の風を受けてふわっと揺れるスカート…五感に響いて優しく寄り添う白は春の気分にぴったり。素材感の違いが、おしゃれに見せるカギに。
マットと、光を透過する白。シンプルだから映える軽やかな組み合わせ
降り積もる雪から連想したというくすみのない白のコットンニットと、軽やかに揺れる白いプリーツスカート。親しみのあるアイテム同士も、素材の異なる白の組み合わせで特別感と今どき感が楽しめます。生地をたっぷり使ったアシメトリーなプリーツスカートも、気負いなく着てみたい。
元気な「白」
何色にも染まらないニュートラルカラーなのに、身につけると不思議と元気がチャージされて前向きになれるのも白の効力。今季は繊細な素材やディテールに注目して。
繊細な模様編みとコットンワンピースの簡単で新鮮なレイヤード
ハバナの街の建築ファサードを表現したというニットワンピースは、袖を通すだけで元気をもらえる存在感が魅力。異素材の白ワンピースを重ねてニュアンスをプラス。
気持ちいい「白」
大人にこそ必要な清潔感なら白におまかせ。洗いたてのTシャツやプレスの効いたパンツ、柔らかなカーディガンなど、カジュアルに着るほどリッチな余裕が漂います。
決め手はサイズ感とウエストマーク。無造作に着こなすほどカッコいい!
大人が似合うのは、洗いざらしより微光沢なTシャツ。サラッとはおったカーディガンはきちんと感のあるケーブル編みで、ヒップがしっかり隠れるロング丈。アクセサリー代わりになる複数のポーチがついたベルトでウエストマークすれば、多彩な白のレイヤードもすっきり決まります。
黒田知永子さん Chieko Kuroda
1961年生まれ。学生時代に「JJ」でモデルデビュー。「VERY」「STORY」「éclat」の表紙キャラクターを務め、女性誌などで活躍中。単行本『CHICO MY FAVORITES』VOL.1~3も好評。2020秋冬、親交の深いユニットブランドyunahica(ユナヒカ)とのコラボレーションで発売のデニムとニットジレが大ヒット。春には待望の新作が発売予定。2月5日より音声配信アプリstand.fmにて「黒田知永子のchiko plus チャンネル」もスタート
撮影/浅井佳代子 モデル/黒田知永子 ヘア&メイク/福沢京子 スタイリスト/小倉真希 取材・原文/向井真樹