気さくで元気で明るくて。俳優デビュー30周年の今も、変わらないイメージの内田有紀さん。それでいて、40代ならではの穏やかな大人の女性の魅力にも、満ちあふれている。いったいどんな暮らしが、今の彼女をつくっているの? その健康的な美しさの秘密とは?
歩きながら座りながらいつも秘かに筋トレを
カメラの前でポーズをとるときも、インタビューのために向かい合ったときも、キビキビと流れるような動きで、表情はいつもにこやか。気持ちも体も、内田有紀さんは、つねに100%フル充電。どうやらその秘密は、筋肉にあるらしい。
「3歳からバレエ、それから器械体操、さらに芸能界に入る直前までフェンシング。かなり熱心にやっていたので、筋肉がついたんだと思います。特にフェンシングは競技中ずっとスクワットのような姿勢なので、太ももとお尻が鍛えられました。ここが人間の元気の素をつくる場所だったのかな、だから私は今も元気でいられるのかなって思っています(笑)」
とはいえ、今年で芸歴30年。筋肉ってそんなに長もちしますか?
「いえいえ、筋肉はすぐに落ちます(笑)。芸能界に入って運動をしなくなったら、体が緩んできた実感があったんです。なんかイヤだなと思って、腕とか脚とか腹筋とか、筋肉を保つために日常でできることを自分なりに考えました。それからネットでズボラダイエットという動画を見たりして、ズボラに鍛えています(笑)。でも頑張れば元の筋肉が復活するのか、わりと早く引き締まってきてくれる。そういう体質なのかもしれないのですが、筋肉って、いくつになっても育つものだと思います」
例えば、と教えてくれたのが、二の腕を鍛えるバッグの持ち方。重めのバッグを手に持ったら、そのまま手首をひねり、手のひらを外に向ける。それだけで二の腕の筋肉がビシッと締まる。
「普通に持つだけだと、上腕の筋肉を使わないから、二の腕はゆるゆるなんです。でも、くるっと回転させるだけで、締まります! これだけでもいいけど、そのままバッグを上げたり下ろしたりすれば、筋トレと同じ。かなり効きます」
外を歩くときも、時々大股で。
「太ももを上げて、普段の2倍くらいの歩幅で歩くんです。下半身全体の筋肉を使うのでこれも効果的。あと、待ち時間に椅子に座っているときも、腹筋を意識しながら脚を浮かせて、自転車こぎみたいなことをしてみたり。撮影現場の空き時間にもやっています。木村拓哉さんと共演したときに教えてもらったんですけど、普段の筋トレは、自分の体重を負荷にしてやるだけで十分なんですって。これはいいよって、ロケの合間にバックランジのやり方を教えてくれました」
日常生活の合間に、思いついたら即、筋トレ。ちょっとの積み重ねが、きれいな体をつくってくれる。…って、わかっていても、なかなかできることじゃない。
「私もそんなに熱心にやりたいわけじゃないんです。本当は寝ていたい(笑)。でもやらないと体はたるんでくる。重力のある世界で、もう何十年も生きているわけですから。仕事で体の線が出る衣装を着るとわかっているときは、3日前に突然始めたり、でも忘れちゃったり。無理矢理やっても続かないから、気がついたときにやっているだけです」
だから歩いている途中で突然思いついて、急に大股で歩き出すことも。
「知らない人が見たら、単純に変な人でしょうね(笑)。でもずーっとやっているわけでもないし。見て見ぬふりをしてくれますよ(笑)」
「君の花になる」
元高校教師の仲町あす花(本田翼)は7人組ボーイズグループ・8LOOM(ブルーム)が共同生活する寮の寮母になり、ともにトップアーティストになる夢を目指す。敏腕マネージャーの香坂すみれ(内田有紀)も彼らの売り出しに興味を覚えるが…。火曜22時TBS系列でオンエア中
内田有紀さん
Yuki Uchida
1975年11月16日、東京都生まれ。中学2年からモデルとして活動し、’92年にドラマ「その時、ハートは盗まれた」で俳優デビュー。’94年、歌手デビューも果たし、アイドル・俳優として絶大な人気を誇る。おもな出演作に「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズや連続テレビ小説「まんぷく」、「連続ドラマW 華麗なる一族」、主演映画『クワイエットルームにようこそ』など
撮影/土山大輔(TRON) ヘア&メイク/板倉タクマ(nude.) スタイリスト/宮澤敬子(WHITNEY) 取材・原文/岡本麻佑