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【50歳からの断捨離®道 】片づかない家によくあるモノ。それは「カフェカーテン、大量の保冷剤、食パンを買うともらえる白いお皿」です

断捨離®とは「断つ」「捨てる」「離れる」。ヨガの「断行」「捨行」「離行」の3つの頭文字を合わせたもの。単にモノを整理する、捨てるということではなく、モノとの付き合い方を通し自分を見つめるというメソッド。50代の断捨離トレーナー佐藤ひとみさんに、その超すっきりなご自宅を実例に断捨離の心地よさを教えていただきます!

はじめまして、佐藤ひとみです。

今日から数回にわたり、断捨離トレーナーである私が日々実践していることを自宅の写真とともにご紹介していきたいと思います。

 

まず手始めに我が家のキッチンの変遷をお見せしましょう。

 

よくみなさんから「断捨離トレーナーになるくらいなんだから、もともと片づけるのは得意だったんでしょ?」と言われるのですが……

それが違うんです(笑)。

 

 

100均グッズを駆使し、ぎっちり収納して満足してた日々

 

下の写真は娘が1歳になるかならない頃の我が家です。

確かに家事は好きだったし、この写真を撮った頃も、毎日せっせと片づけをしているつもりでした。

 

 

↓たとえば写真奥にあるキッチンの壁をみるとわかるのですが、100均ショップのワイヤーラックを駆使し、隙間なく収納。

当時はこれをみて、自分では「私って収納上手!」と思っていました。

 

↓それでいてベビーサークルが倒れないよう支えとして置いていたのは、防災リュック。

それでもこの家で子育てと家事に励み、何の疑問も感じず暮らしていたのですが……なぜか、あるときからやたらイライラするようになったのです。

 

 

募るイライラと自己嫌悪。そんなとき母が勧めたのは……

 

子育てが思うようにいかなかったことも一因だったと思います。

 

私には45歳で授かった娘がひとりいます。

かけがえがない存在であるのはもちろんです。

 

なのに……鬱屈は溜まるばかり。

 

すると今度はそんな自分が嫌で、さらにイライラが募ってしまうという悪循環でした。

 

そんな中ある日、母が「一部屋多い所に引っ越してみたら?」と勧めてくれたのです。

 

当時の家はもともと私が一人暮らしをしていた部屋で、結婚後、そこで新婚生活をスタート。

その後娘が誕生して、そのまま3人で暮らしていたのですが、母は「物理的に家が狭すぎるのでは」と察していたようです。

 

そこで2トントラック2台分の荷物とともに引っ越しを決行。

転居先は、築10年ちょっとの公営住宅でした。

 

引っ越したことで出会った運命の言葉、『断捨離』

 

そしてその頃、私は気になる言葉に出会っていました。

 

『断捨離』です。

 

引っ越しをして、それまでより少し広い空間、きれいな空間に身を置いたせいか、心にちょっと余裕が出来たのでしょう、「どんな家具を置こうかな」とネット検索を始めたとき、目にするようになったのが断捨離のネット広告だったのです。

 

中を覗いてみたら「モノが少なければ、頑張って片付けなくても片付いていく」というようなことが書かれてあり、「言われなければ気付かなかったけれど、これって本当にそうだな」と衝撃を受けたのです。

 

それから一気にのめり込みました。

49歳でした。

 

 

断捨離について勉強しはじめると、家の中は変わっていきました。

そして気づけば、私自身にも変化が。

 

なんと「断捨離トレーナーになりたい」と思うようになったのです。

 

それは私と娘の関係によい効果をもたらしました。

 

トレーナーになるための勉強時間を確保したくて時間をうまく使うようになると、心理的にも物理的にもいい意味で娘と距離を測れるようになったのです。

 

同時に自分の子育てを客観的な視点からも見ることができるようになり、イライラすることは減っていきました。

 

 

↓下の写真は断捨離を勉強してから2年目、晴れて断捨離トレーナーに合格したときのキッチンです。

[棚に置かれた鍋は18歳のときから、なんと30年以上使っているもの。ぴかぴかに磨きあげ、わざと少し間隔を空けて置くことで、鍋やボウルなどの生活用品もオブジェのように。ムダなものは一切ないが、かといって殺風景ではないキッチン]

 

このキッチンのポイントは壁にかけてある時計です。

 

 

断捨離の考えは「単にモノを処分すればいい、モノがなければいい」ということではありません。

 

たとえば殺風景という言葉がありますが、〝殺風景〟って、風景を殺すと書きますよね。

人は風景を殺している場所に居て、寛げるでしょうか?

 

そして「モノが少なくて、すっきりしている」と「モノがなくて殺風景」は違うのです。

 

 

元気を回復させてくれる家=パワースポットです

 

本来、家とは疲れて帰ってきた自分を癒し、もてなし、元気を回復させてくれる場所です。

そしてそんな家は、それ自体がいわゆるパワースポットに等しくなります。

 

パワースポットで毎日暮らしている……!!

 

そんな人はもう最強だと思いませんか。

だってわざわざ遠くのパワースポットまで行かずとも、家に帰るだけでパワーがチャージされるのですから。

 

毎日目にする場所にお気に入りのモノを、そのモノが引き立つように飾れば、気分よく過ごせます。

そしてそれは、自分自身をもてなすことにつながるのです。

 

それが私の場合、キッチンだったらこのピンクの時計。

だから好きな色、好きな雰囲気のものを探して探して探しました。

 

 

断捨離でお金との向き合い方にも変化が

 

また断捨離で家が整いだすと、お金の使い方も変わっていきました。

 

以前の私は「とにかく節約第一」。

使わないことを美徳ととらえ、どれだけ節約できたか=賢い妻・できる主婦と考えていました。

 

けれど断捨離と出会い、モノと向きあうことでお金との向き合い方も変わったのです。

もちろん無駄遣いが増えたというわけではありません。

 

 

人を車に例えるなら、お金はガソリンにあたります。

人生というロードを元気に走るためには、ガソリンをけちってはいけません。

そしてできることなら高品質なガソリン(つまりハイオクです)を車に入れたい、と思うようになりました。

 

断捨離の考えのひとつとして「モノをまず出す。出せば必要なモノが入ってくる」があります。

お金も同じだと思うようになったのです。

 

通貨は通過するもの。

通り過ぎていくもの、回るもの、循環するもの。

 

その思いは家を買う、という選択にもつながりました。

 

公営住宅で暮らして4年経ったとき、家を買うことにしたのです。

[現在の住まい。築30年のセミリフォーム済のマンション。冷蔵庫やオーブンといった家電や壁際に並べた棚、カウンターは以前の家で使っていたもの]

 

断捨離の楽しさ、心地よさをひとりでも多くの方に届けたい

 

きっと断捨離と出会っていなかったら、家を購入しようとはしなかったかもしれません。

(ちなみに一番最初にお見せした100均のワイヤーラックを駆使した家に住んでいたとき、公営住宅に住んでいたとき、そして現在の家に住んでいる今も世帯年収は同じです。これを言うと皆さん、意外そうなお顔をなさるんですが)

 

以上、キッチンの変遷を例に断捨離によって起きた我が家の変化を実例としてご紹介しましたが、いかがでしたか?

 

断捨離に興味を持っていただけたでしょうか。

 

現在、私は断捨離トレーナーとしていろいろなお宅に伺っています。

トレーニングを重ねるうちにご相談者に変化が起こると(たとえば表情が生き生きとしてきた、家族仲がよくなってきたなど)、本当にうれしくてやりがいを感じます。

 

ですから今回の連載でも、断捨離がもたらす楽しさや心地よさを知っていただくことで、読んでくださった方に素敵な変化が起きればうれしいです。

 

 

そういえばこの連載を始めるにあたり、編集部から真っ先に尋ねられたのが「片づかない家でよく見かけるモノは何ですか?」でした。

 

 

答えは

●カフェカーテン

●大量の保冷剤

●食パンを買うともらえる白いお皿(それも何十枚も)

です。

 

 

ドキッとした方はいらっしゃるでしょうか。

 

次回からは私のキッチンをじっくり(それこそすべての引き出しの中、冷蔵庫の中まで)お見せしながら、断捨離の実践例や断捨離の考え方をご紹介しますので、引き続きよろしくお願いいたします!

 

・佐藤ひとみ
・佐藤ひとみさん
断捨離トレーナー
公式サイトを見る

愛知県豊田市に生まれる。愛知県立女子短期大学卒業後、名古屋テレビ放送株式会社(現在の通称メーテレ)に入社。その後テレビ局を退職し、上京。俳優・船越英一郎率いる劇団ドラマティック・ミュージカル・シアター・マガジンに入団。13年間の東京生活を経て地元に戻る。42歳で結婚、45歳のとき娘を出産。思うようにいかない子育てなどに悩んでいるとき、ネットで断捨離を知る。実践してみたところ、暮らしだけではなく自身も大きく変化。「愛知豊田断捨離会」代表。52歳。

 

 

※断捨離はやましたひでこさんの登録商標です

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