親や義理の親との同居の難しさは今も変わらず。義理の親への義理はどこまで果たすべきか。「大切にしなければ」という思いがあるからこその悩みから解放されるヒントがここに。
Q 義理の両親との同居がつらい
義理の両親と同居して10年ですが、子どもを叱っていると口を出してきたり、自分たちが習わせたいものを子どもに勝手に押しつけてきます。初めは我慢して受け入れていたのですが、最近は話すのも嫌になってしまい…。
つねに話を聞かれている気がして、自分たちの部屋の扉を閉めたときだけ安らげます。この先も気が重いです。(39歳・専業主婦)
お悩みに答えてくれる人生賢者は
水島広子さん
Hiroko Mizushima
精神科医。対人関係療法専門クリニック院長。元衆議院議員。日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに、その普及啓発に努めている。『女子の人間関係』など著書多数
A 義理の親との関係は夫に任せ、結論は夫から伝えてもらって
大丈夫。人間関係は作っていくものなので、変えられます。まずは「穏やかな主張」から。ドアはいつも閉めて、できれば鍵をかけましょう。「かまわないで」という意思表示になります。子育ての常識は時代で変わるので、義理の親の意見に従う必要はありません。
ただ、断絶しないためにも、口出しされたら「子どもを気にかけてくださってありがとうございます」と感謝の言葉を忘れずに。そして、義理の親との関係は夫に任せるようにしてください。
何か言われたら「わかりました。○○さん(夫)と相談して決めますね」と返し、あとで夫婦の結論として「うちはあんまり習い事をさせたくないんだよね」などと夫から言ってもらう。これがベストです。
嫁が言ったら生意気でも、息子からなら「あの子もいい父親になって」と感動するのが親というものですから(笑)。
Q わがままな義母に振り回される
人の言うことを聞かず好き勝手をする義母。高い所は危険だと注意しても聞かず、骨折。そのたびに私が病院へ連れていくのですが、謝りもしません。
先日もお風呂から義母が上がったあと「水を止めたかな」と見たら、シャワーがジャージャー出しっぱなしで、滝修行をしている気持ちに。ムンクの叫びが自分とダブる今日この頃です。(61歳・パート)
お悩みに答えてくれる人生賢者は
地曳いく子さん
Ikuko Jibiki
スタイリスト。30年以上にわたり数々のファッション誌やタレントの衣装などを担当。『50歳、おしゃれ元年。』など著書多数。近著に「若見えの呪い」(集英社文庫)、「日々是混乱 これが私のニューノーマル」(ホーム社)など。OurAgeの連載『地曳いく子のババア上等! 悩み相談』も切れ味のよさで大人気
A ちょっとくらい悪い嫁でもいい。わがままな義母は放っておこう
滝修行ですか…だいぶキテますね(笑)。でも、お義母さんもご高齢で、今さら性格は直らないはず。だから向こうが好き勝手やるなら、こっちも放っておけばいいんです。
シャワーも出しっぱなしにして。で、旦那が「なんで流しっぱなしなんだよ!?」って言ってきたら、「そういえばさっきお義母さんが入ってたけど」と言って、旦那からお母さんにキレさせる。それでいいです。私が許可します(笑)。
私は以前、旦那の実家の片づけをして、切れなくなったハサミとか色の変わったバスタオルとかをバンバン捨てたら、お義母さんに「まだ使うのに」って泣かれたんですね。それで「どうもすみません」って、ハサミ10丁、タオル30枚、ホチキス5個、ネットで買って送りつけたんですよ。最悪な嫁ですよね(笑)。
でも、すっきりしたし、お義母さんとは今でも仲良し。ちょっとくらい悪い嫁になってもいいと思いますよ。
イラスト/坂本奈緒 取材・原文/佐藤裕美、本誌編集部