房総半島で楽しむ1日、午後は南房総の隠れ家カフェから。
房総半島の南端。何もない山の中をどんどん車で進んでいくと、ポツンと現れる不思議なおうち。
活発に過ごした日の午後、訪れたここは「grass-B」という、文字通りの隠れ家カフェです。
本当は、誰にも教えたくないカフェ。
ドアを開けた途端、深く息を吸いました。
なんというのでしょう、何にも似ていない斬新な空間なのに、同時にどこか懐かしいような。
尖った建築家がデザインしたような無機質なコンクリート建築と、温かみのある木材をふんだんに使ったしつらいのコントラストが、独特の世界観を作り出しています。
奥に進むと、また庭に出たような?
屋外を屋内に取り込んだかのような、内でもない外でもない、その境界が曖昧な不思議な空間です。
天井にはアイボリー色の帆布が弧を描くように張り巡らされ、雑音を吸い込んで柔らかな光を室内に行き渡らせています。
高低差のあるリズミカルな空間は本当に不思議で、どこに腰を下ろしても異なった風景が楽しめるような設計になっています。
真ん中の席に陣取り、私はキョロキョロと360度首を回して隅から隅までガン見状態。ハーブの薫る、温室のようなこの空間にすっかり魅了されたのでした。
四方が全く異なる表情を見せる店内にキョロキョロする私
どんな方がこんな趣味の良いお店をやっていらっしゃるのだろう。
と思っていたら、素敵ないでたちのグレイヘアの女性がいらしてメニューを下さった。
奥で作業をしている男性と二人で経営なさっているのだろう。哲学を持ってここを作られたのであろう素敵なお二人。
童話に出てきそうなパンプキンパイ、砕いたカルダモンに驚かされるババロア、メニューも個性的で楽しい
そしていちいちセンスが良い
このお店のファンの皆さんは、きっと誰もが「誰にも教えたくない」と思っていることでしょう。
わざわざこの店に訪れるためだけに一日を費やす。そんな価値のあるお店。
ぜひとも人の少なそうな日を選んで、静かで幸福な時間を愉しむために一人か二人で訪れることをお勧めします。
ゆっくりと流れる時間を過ごした後は、最後の目的地へ。
ドラマチックな秋の海辺で映画の主人公になる!
房総半島に来ておいて、まさか海を見ないでは帰れませんね。海辺にも実は、素敵なスポットがいっぱい。
この白亜の灯台は「洲崎灯台」。天気の良い日には三浦半島や富士山、はるか伊豆大島まで望むことができます。夕日の美しさは格別で、「恋人の聖地」にも認定されています。
そして午後のクライマックスはこちら!
なんとダイナミック、かつロマンティックなんでしょう!
東京から日帰り旅とは思えません。
ここは岡本桟橋、CMやロケの舞台にもなった知る人ぞ知るスポットです。
桟橋の上を歩くだけで映画の主人公になった気分に
私たちが到着したのはまだ夕方には早い時間だったので、夕焼けは拝めなかったのですが、いやいやどうして、この逆光の感じがなんともノスタルジックで心を打つものがありました。
いつまで眺めていても飽きない広大な海の景色。
空気が澄んだ日には美しい富士山を眺めることができるそうです。
秋から冬にかけてのこれからの季節は人も少なくなり、いっそうロマンチックな場所となりそうで超おすすめです。
文庫本を一冊持参して、流木に腰掛けて読書もよし、暖かいストールにくるまって砂浜に寝転がるもよし、ただぼうっと海を眺めるも良し。
こんな時間こそが人生の小さな贅沢だと実感するひとときです。
心にいつも潤いを。
それではまた!