郷ひろみの名曲『よろしく哀愁』では、会えない時間に愛が育つことになっていますが、実際は違うと思います。会わない間に記憶はどんどん美化され、美しい思い出にすり替わってしまうんですね。そして現実との違いにがっかりして、愛が育つどころか、愛が冷めてしまう……。
そのいい例が同窓会です。昔、憧れていた同級生のAくん。30年間、会わない間に、その妄想は膨れ上がり、めちゃくちゃカッコいいイメージに変換されているわけです。でも、実際会ったら、年をとって、お腹は出てるわ、髪は薄いわで、「アレ!? こんなだっけ??」って拍子抜け(笑)。妄想が大きくなっているぶん、その落差も大きいのよね。
遠距離恋愛でも同じことが言えると思います。「今度会ったら、こんなデートしよう」「久しぶりだから、彼もすごくうれしいはず!!」と勝手に盛り上がるものの、実際会ってみると、想像していたほどドラマチックには盛り上がらないし、彼は相変わらず気の利かない彼だし(笑)。
というわけで、久しぶりに恋人や憧れの人と会う場合は、期待しすぎないことですね。むしろ最悪の事態を想像して、ショックの緩和に備えましょう!!
「砂の城」りぼん1977年11月号付録 砂の城したじき
取材・文/佐藤裕美