『身体のプチ不調をアーユルヴェーダで治す旅』
東京—コロンボ 4289マイル
数年前から、まわりの友人たちが次々とスリランカのアーユルヴェーダリゾートに行くようになりました。中には一年に3回も通う友人もいます。毎朝ヨガをして、一日二回のマッサージを受けて、有機野菜中心の料理料理を食べ、お酒は禁止と聞いたときは、ストイックな感じがして、あまり関心をもてませんでした。
それでも、とうとう「行こう!行かなくちゃ!」と思い立ったのは、身体のプチ不調をそのままにしておくことに嫌気がさしたから。
病院で検査しても悪いところは見つからない。けれど数年感続いている不眠傾向、胃腸のそこはかとない不快感、朝起きたときにすでに感じる疲労感はなくならない。仕事が忙しいのに加え、食べ過ぎ飲み過ぎによる不摂生が長年溜まっていたのだと思います。
いっそ東京を離れて、きれいさっぱり悪習慣を断ち、完全デトックスして、プチ不調を改善したい!
年中ダイエットをしているもののイマイチ成功しきれない大学生の娘も「私も行くー!」と言うので、「そうだ!デトックス&美人になる旅に行こう!」と多いに盛り上がり、ふたりで張り切って出発しました。
目的地は、スリランカにあるアーユルベーダリゾート’AYU PIYASA(アーユピヤサ)’。インド洋に浮かぶ真珠と呼ばれる島、スリランカのちょうど真ん中あたり、夏のペラヘラ祭りで有名な古都キャンディの近くにあるマータレーという場所にあります。
スリランカの玄関口、コロンボ空港から車で約4時間。アーユピヤサに依頼したタクシーで向かいます。
(片道:12000円 往復:20000円:2014年12月現在。日本事務所があり、日本円の料金設定があります。)
東京ドームよりも広い14エーカー(東京ドームは約11.5エーカー)という広大な敷地のほとんどがオーガニックファーム。その中にぽつん、ぽつんと8棟のコテージ、レストラン棟、それにアーユルヴェーダ施設があるだけの贅沢なお宿。
タクシーで敷地内に入ってすぐ「あ、空気が変わった」という気がしました。娘に「なんか空気が変わったね」と言うと、「ほんと、なんだかまったりしてるよね」と不思議そうにしています。湿った、ちょっと重くて眠たげな空気。うっそうとした緑に囲まれているせいでしょうか。
緑の中を吹き抜ける風は涼しく、暑かったコロンボ市内とは大違いです。
<ウエルカムおやつ>
お茶と敷地で取れたという甘くみずみずしい果物をたくさんいただいたあとは、さっそく常勤のアーユルヴェーダ医師との面談へ。
まずは、ドーシャ診断のため、長い長い問診票に回答していきます。
ドーシャというのは、体質のこと。アーユルヴェーダでは、体質を、風のエネルギー「ヴァータ」、火のエネルギー「ピッタ」水のエネルギー「カファ」に分類し、 これらのドーシャがバランスがとれている状態を健康とみなすそうです。
私は、ピッタ・ヴァータの要素が強く、水の性質「カファ」少なめ。
「好奇心旺盛で、行動力がありますが、多くのことをやろうとし過ぎて、常に不眠や疲労感に苛まれることが多いですね。カフェインと揚げ物を控えてください。呼吸が浅いので、毎朝必ずヨガを受けてください」
とドクターが言うのを聞いて・・・・まさにその通りです!!ははぁ〜と頭を下げる私。
とくに悩みのタネであった不眠を直すための治療をお願いしたところ、「シロダーラ」という頭にたらたらとオイルを垂らすトリートメントが、ほかの人より多く処方されました。
AyuPiyasaの一日の流れはこんな感じです。
6時起床
レストランでハーブ粥と糖蜜、白湯をいただいあとヨガ道場へ。
<ハーブ粥> お粥が緑色なのは大量のゴトコラの葉(記憶力を良くする働きがあるそう)が入っているから。上に添えてあるのは糖蜜。ゴトコラのほかにも、ランペやカレーリーフというハーブが入り、炊いてはミキサーにかけるのを繰り返して作るとても手のかかったお粥です。
森の小道を抜けてヨガ道場へ。
<森の小道>この道を抜けてヨガ道場へ。鳥たちが囀り、朝の白い日射しがまだらに陰を作る小道をゆきます。気持ちいー!
6時30分〜7時30分
物静かなヨガマスターの指導のもと30分間のヨガ。1ポーズ30秒ほどのゆった
りとしたヨガですが、3ポーズめあたりで汗が噴き出します。
ヨガマスターについてヨガをする娘。
<ヨガ 1日目>ムリのない姿勢ですが、30秒キープしているうちに汗がじわっと出てきます。
<ヨガ 3日目>だんだん難易度が高くなります。
<ヨガ 7日目>ヨガ最終日 7日目 もはや不可能に・・・。
7時30分 朝食
<朝食> 朝ご飯もカレー。スリランカのカレーは本当はとっても辛いのですが、AyuPiyasaのカレーはマイルドでまったく辛くありません。
午前中トリートメント:しっかりめのマッサージ
12時 昼食
<昼食>昼食ももちろんカレー。ご飯は、赤米と白米が毎食出ます。スリランカのお米は200種類以上あったそうですが、現在流通しているのは60種類とのこと。それでもすごい数の種類です!
午後のトリートメント:軽めのトリートメント
おやつ
<おやつ>果物とジンジャークッキー。ジンジャークッキーは、一口かじると「辛っ」と思うくらい「ショウガそのものの味」。食べていると身体がぽかぽかあったまります。
19時 夕食
<夕食> 夕食もカレー。一番軽めのメニューです。
21時 就寝
オイルトリートメントで一番驚いたのは、シロダーラでした。
マッサージ好きですので、頭にオイルをたらたら垂らすだけのトリートメントなんてつまらないなあ、と思っていたのですが、びっくり驚きの心地よさ。
人肌よりもちょっと熱めのオイルがタラタラタラタラと果てしなく額に落ち始めると、頭全体がふわっとあったかくなります。時間がゆったりと重く流れ始めるような感じがし始め、3分もすると、すーっと眠りにおちていきます。
3回受けましたが、毎回同じ。「終わりましたよ。起きてください」と優しく揺すられるまで目が覚めません。そして目が覚めたときの「深いところから癒された感」は、たとえようもなく、この設備が自宅にあって、毎晩眠るときに受けられたら最高なのに・・・と思ったほど。
滞在中、「風邪気味」とか「便秘になった」「下痢になった」などの症状をドクターに伝えると、お薬も出してくださいます。
どろどろに煎じた見た目が恐ろしい薬が多いのですが、煎じ薬好きの私は喜んでいただきました。
<薬>
この薬は、「お腹が張る」症状のときにいただいたものです。
効きました!
セラピストは、スリランカ人の若い女の子たち。スリランカ人は、勤勉で穏やかでよく働く人が多いなあと思いました。お隣のインドと、顔は似ているのに、国民性はちょっと違うようです。
<ドクターとセラピストたち>
Ayu Piyasaは「健康で長生きできるシンプル場」という意味のスリランカ語だそうです。
リゾート内は、テレビもインターネットもありません。
退屈するかなあと思って、大量に本を持ち込んだのですが、退屈するどころか、あっという間に一日が過ぎていきます。
なぜなら、このリゾート内にいると、やたらと眠いのです。
午前中のマッサージが終わると、だるくなってひと眠り。午後のトリートメントが終わるとやはりだるくなってひと眠り。夕食を食べて、しばらくすると、また眠気に襲われ、10時前には眠ってしまいます。こんなに眠り続けたことはないほど眠りっぱなし。娘も私も、トリートメントを受けて、オーガニックな野菜料理を食べて、ただ眠り続けるという日々を一週間送りました。
胃腸の調子もすっかり良くなり、目覚めも爽快。体調全快です。
料金は、一泊 ひとり23600円(毎朝のカウンセリングとトリートメント二回、3食付き)
東京で同じトリートメントを一回受けるのと大体同じくらいの料金です。
今回は一週間という長めの旅だったので、仕事をもっていかざるを得なかったのですが、途中でコンピュータが動かなくなるというアクシデントがありました。少々パニックに陥りましたが、故障したなら仕方ないと断念。ところが、コロンボに戻った途端に、再び使えるようになったではありませんか!
「あのリゾートにいる間は休め。働いてはならぬ」
と神様が言っている、と確信しました。
と、同時に再び不眠傾向も戻って来てしまったのですが・・・。この後、ある出来事によって不眠もすっかり治るのですが、その理由はまた別の機会にお話します。
一方、娘のダイエットは失敗。食事が美味しくて、目新しいものが多くて、ついつい食べ過ぎてしまいました。野菜と果物美味し過ぎです!
ストレスフルな日常を離れ、たっぷり休んでデトックスする旅、OurAge世代のみなさまにおすすめですよ!
<娘とふたりで> 最後の夜、ふたりですっぴんでスリランカカレーを満喫したときの写真。お肌つるつるピカピかでしょ!
次回は、AyuPiyasaのシェフに習った美しくなるスリランカ料理をいくつかご紹介します!
*AYU PIYASA 旅のメモ
持って行った方がいいもの。
・ ビーチサンダル オイルトリートメントを受けるので、一日ビーチサンダルを履きます。お宿にもありますが、もっていくのがおすすめ。
・ 上着 朝晩、冷えます。夏でも上着は必需品。オイルがつくので、洗えるものを。
・ 小タオル
・ 靴下 冷えるので履いていた方がいい
・ ヨガウエア 余分に
・ 着替えを入れて歩くトートバック
・ ビニール袋(オイルのついた洋服を入れる)
・ あたたかなパジャマ 夜、結構冷えるのであったかいパジャマを
・ ヨガマット これはオプションで。My ヨガマットを使いたい人だけ。
AyuPiyasa
http://www.ayupiyasa.com/
井原美紀ブログ 旅の記録 Let’s GO TO SEE THE WORLD!
http://ameblo.jp/surpriseenterprise/entry-11950491290.html