【ベーシックケア】
まずは筋膜をほぐす準備運動
ウォーミングアップで筋膜を緩めながら、滞っている余分な老廃物を流し、ほぐすことから始めましょう。
「耳の後ろから鎖骨につながる胸鎖乳突筋がこのように浮き上がるのが理想です。触れると硬かったり埋もれたりしていたら、老廃物が滞っている証拠。筋膜リフト美顔を続けていると、だんだん浮き上がってきますよ!」(佐藤由美子さん)
ほぐしスタート!
【胸鎖乳突筋】
●毎日【1〜2分】、2〜3日に1回【5〜6分】行いましょう!
●ここにアプローチ!
スマホなどの使いすぎで縮こまりがち。ここが硬くなると老廃物が流れにくくなり、全体のむくみにつながります。まずはここをほぐすことが筋膜美顔の要です。
左右の胸鎖乳突筋の起始部と停止部に着目
停止部を親指と人差し指でつまみ、イタ気持ちいい程度に、10回ほぐします。次に、起始部に右手の人差し指を当て、ほかの3本指は鎖骨の下に並べるように当て、左手を重ねて、すくい上げるように10回円を描きます
【デコルテ】
●毎日【1〜2分】、2〜3日に1回【5〜6分】行いましょう!
●ここにアプローチ!
鎖骨下から脇にかけてのデコルテもほぐしの要所。握りこぶしの第一関節と第二関節の間、母指球(ぼしきゅう)(親指の付け根のふくらんだ部分)、手根(しゅこん)(手のひらの付け根のふくらんだ部分)を肌に当て、圧をかけます。
握りこぶしなら程よくほぐせる
まず胸の中心に近い場所で、握りこぶしを作って肌にぴったり当て、その場で小さく円を10回描きます。次に脇に近いほうに移動させ、同じように小さく円を10回描きましょう。反対側も同じように行います
この先は2〜3日に1回行って!
【上顎骨(じょうがくこつ)〜頰骨のきわ】
●2〜3日に1回【5〜6分】行いましょう!
●ここにアプローチ!
小鼻の脇あたりから耳に向かうゾーンにある上顎骨〜頰骨。押すとこりを感じやすい場所です。そこを指でほぐすことで、顔のこわばりが解消されます。
あごの動かし方や表情のこわばりが、こりの原因
左右の人差し指の側面を上顎骨〜頰骨のきわにぴったり当て、肌の内側に向けて、左右に小さくずり圧をかける動きをしながら5回押します。次に頰骨のカーブに沿って、人差し指を耳側に移動させ、同様の動きで5回押します
【頰全体】
●2〜3日に1回【5〜6分】行いましょう!
●ここにアプローチ!
次は頰全体を広範囲にほぐします。肩をリラックスさせて両脇を締め、握りこぶしの第一関節と第二関節の間の平らな部分を、上顎骨〜頰骨の下に当てます。
両手のこぶしで頰全体のこりをほぐして
上顎骨〜頰骨の下に当てた握りこぶしに、頭の重みを少し預けるように頭を傾けます。こぶしで押しながら左右に小さく動かし、ずり圧をかける動きを5回行いましょう。次にこぶしを耳側に移動させ、同様の動きを5回行います
【フェイスライン】
●2〜3日に1回【5〜6分】行いましょう!
●ここにアプローチ!
両手の親指と人差し指で、骨をつかむようにするのがコツ。フェイスラインに沿って、5つのポイントをほぐしましょう。引き締まるのを実感できます。
骨をしっかりとつかむように
あごの中央の骨をつかんだら、頭を前に傾けるようにして、圧を3回かけます。続いてエラの中央、エラの終わり付近でも、それぞれ骨をつかみ、同様に頭を前に傾けて、圧を3回ずつかけます
【額】
●2〜3日に1回【5〜6分】行いましょう!
●ここにアプローチ!
デコルテなどと同様に、握りこぶしの第一関節と第二関節の間の平らな部分を使用。額にぴたっと当てて動かします。ほぐし終わるといつもより目が開く感覚に
額を数カ所、こぶしを使ってほぐしていく
親指以外の4指の第二関節を額の真ん中に左右対称に置いたら、小さなのの字を5回描くようにぐりぐり。次に額の外側に向かって少しずらし、同様に小さなのの字を5回描くようにぐりぐり。眉山の上のあたりまで数カ所行いましょう
ほぐし終了!!
【顔全体】
●2〜3日に1回【5〜6分】行いましょう!
●ここにアプローチ!
フェイスラインから耳の後ろ、胸鎖乳突筋の上を通って鎖骨まで、老廃物を流します。片方の手の親指と、それ以外の4本の指をL字状にし、親指をあごの下に。
動きやすくなった老廃物を、鎖骨のリンパ節まで流す
L字状にした手の親指をあごに引っかけ、口の横に添えたら、フェイスラインに沿って耳上まで引き上げます。手全体で耳の周囲をぐるりと1周し、胸鎖乳突筋の上を通って鎖骨まで流します。3回行ったら、反対側も同様に流して終了です
お約束
皮膚をこすらないこと!
「筋膜リフト美顔」は皮膚表面をこすりません。指は皮膚の上で動かさず、指で圧をかけながら、皮膚の奥の筋膜を動かすようにします。これを「ずり圧」といいます。この動きにより失われていた水分が戻り、筋膜がほぐれます
〈顔まわりの重要な筋肉〉
これらを覆う筋膜が顔たるみの原因になります。覚えておきましょう。
顔筋膜リフト・セルフケアトレーナー。1969年生まれ。著書『一生、進化する筋膜リフト美顔 自分の手で、すぐに10歳若返る』(主婦の友社)が好評
撮影/玉置順子(t.cube) ヘア&メイク/鈴木京子 監修・モデル/佐藤由美子 取材・原文/伊熊奈美