過去、OurAgeでは「飛蚊症(ひぶんしょう)」「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」「眼瞼下 垂(がんけんかすい)」など、さまざまな目の不調を取り上げてきました。そしてそのたびに反響の大きさに驚かされました。
今と将来に備えてしっかりチェック!
40代、50代が知っておくべき
「目の病気」
OurAge世代になると特に、目の疲れ、見えにくさ、乾燥など、さまざまな不調が気になってきます。もちろん加齢による変化もありますが、気になる症状のすべてを年齢のせいにするのは危険です。
気になる症状からどんな「目の病気」の可能性があるか、そして、その症状への対処の仕方などをご紹介していきます。
今回は、【ドライアイ】についてです。
大鹿 哲郎さん Tetsuro Oshika
【ドライアイ】 目が乾く、ゴロゴロする、涙の量が減る
目の表面に傷がついてしまうドライアイ。
スマホやパソコン、コンタクトレンズ、エアコンの使用など、その原因はさまざまです。
ドライアイは、
目の表面に傷がつく病気
「目の乾燥」というイメージが強いドライアイですが、実はそれ以外にも、目が疲れやすくなる、ものがかすんで見える、目がゴロゴロするなど、さまざまな症状があります。
「ドライアイは、涙の量が不足したり、涙の質のバランスがくずれたりすることで、涙が均等に行き渡らなくなり、目の表面に傷ができる病気です。エアコンの使用、パソコンやスマホの使用、コンタクトレンズの装用者の増加に伴って、患者の数も増えています」と大鹿先生。
他の原因として、脂不足、ムチン不足も挙げられます。
「まぶたの縁には、涙の蒸発を防ぐ脂を分泌するマイボーム腺があります。この脂が不足すると涙が蒸発し、ドライアイになってしまうのです。また、涙にはムチンというぬめりを作る成分が含まれています。ムチンがあることで目の表面と水分が馴染み、目の表面に涙をとどめることができるのです」
ドライアイには点眼薬での治療が有効ですが、涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をする治療や、保湿用メガネの着用なども効果があります。部屋を加湿したり、目を休める習慣をつけるのもいいでしょう。
■目に必要なもの
次ページは、治療法についてご紹介します。
■治療法→目薬が有効です
●効果的な目薬のさし方●
点眼薬は、正しく使わないと効果が得られません。回数を多めに使えば早く治るというものではないので、医師の指示に従って、「目を守るための習慣」として使い続けることが大切です。
STEP-1
手を握ってげんこつにした片手で下まぶたを引き、その手の上に容器を持った手を置いて、目頭の上に1滴垂らす。目の中に確実に入るように
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STEP-2
目からあふれた分は、ティッシュペーパーなどで拭き取って
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STEP-3
そのまま1~2分、目を閉じたままでキープ。まばたきすると、薬剤が目頭に集まり、涙と一緒に流れてしまいます。点眼後のまばたきは避けて
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STEP-4
2種類以上さす場合は、5分ほど間隔を空けてからさしましょう
次回は、[加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)]について詳しくご紹介します。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/上田恵子
取材協力・資料提供&監修/大鹿哲郎