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40,50代が知っておくべき「目の病気」⑧【白内障】

過去、OurAgeでは「飛蚊症(ひぶんしょう)」「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」「眼瞼下 垂(がんけんかすい)」など、さまざまな目の不調を取り上げてきました。そしてそのたびに反響の大きさに驚かされました。

気になる「目」について、大特集でお届けしています!

 

 

今と将来に備えてしっかりチェック!

 

40代、50代が知っておくべき

「目の病気」

 

視覚を刺激する情報にあふれた現代の生活の中で、私たちは目を酷使しがち。OurAge世代になると特に、目の疲れ、見えにくさ、乾燥など、さまざまな不調が気になってきます。ここでは、気になる症状からどんな「目の病気」の可能性があるか、そして、その症状への対処の仕方などをご紹介していきます。

 

今回は、【白内障】についてです。

 

 

 

大鹿 哲郎さん Tetsuro Oshika

1960年生まれ。’85年、東京大学医学部卒業、同大学眼科学教室に入局。東京大学医学部助教授を経て、現在は筑波大学医学医療系眼科教授。医学博士。白内障、角膜疾患、網膜硝子体など、眼疾患全般の診療を行っている

1960年生まれ。’85年、東京大学医学部卒業、同大学眼科学教室に入局。東京大学医学部助教授を経て、現在は筑波大学医学医療系眼科教授。医学博士。白内障、角膜疾患、網膜硝子体など、眼疾患全般の診療を行っている

 

 

 

 

【白内障(はくないしょう)】 

目の水晶体が濁ってきて、見えづらくなる

 

白内障で濁った水晶体をクリアにして、視界のかすみを解消する唯一の手段は、

手術で新しいレンズに入れ替えること。日帰り手術を行う施設も増えています。

 

 

かすみ、まぶしさ、見えにくさ。
白内障の原因の9割は加齢性

 

白内障は、レンズの役割を果たしている水晶体が、加齢とともに濁っていく病気です。年齢を重ねるに従って、水晶体に含まれるタンパク質が変性するために起こります。代表的な症状は、ものがかすんで見える、まぶしさを感じる、暗い場所だとものが見えにくいといったもので、原因の9割は加齢です。

 

「治療法として一般的なのは手術です。急を要するものではないので、不便さを強く感じるようになったら手術を検討しましょう。見えづらさを我慢していると活動の幅が狭まり、うつ状態になりやすくなるほか、認知機能にも影響します。成人の場合、糖尿病やアトピー性皮膚炎などの病気や、長期服用中の薬、目のケガなどが発症の要因になることもあります」(大鹿先生)

 

白内障の手術は、濁った水晶体を取り除き、視界をクリアにする新たな眼内レンズを入れるというもの。眼内レンズの種類によって見え方が変わるので、ライフスタイルに合わせて慎重に選ぶ必要があります。手術自体は10〜20分ほどで終了し、日帰りも可能。手術後は、見たいものとの距離に合わせて、メガネでピント調整を図るのが一般的です。

 

 

 

■治療法→水晶体を新しいレンズに入れ替える

 

[主流は水晶体を砕いて吸引する方法]

 

MyAge_012_075-白内障イラスト1

 

(上から)

局所麻酔をした後、角膜の端を2㎜ほど切開して手術器具を挿入。水晶体を包んでいる膜の上側を切除します

 

水晶体の中に水を流し入れながら、超音波で核を砕き、砕いた核と皮質を吸引。まわりの膜を残します

 

眼内レンズを折りたたみ、膜の間に入れます。レンズについている支柱が広がって固定されます。角膜の傷は自然に塞がるので縫合はしません

 

 

[レンズには単焦点と多焦点が]

眼内レンズの直径は6㎜ほど。単焦点レンズと多焦点レンズのほかに、乱視を矯正するレンズなどがあります。基本的にこの先一生使い続けるので、どのレンズを選べば快適に過ごせるか、毎日の生活に照らし合わせて決めましょう

眼内レンズの直径は6㎜ほど。単焦点レンズと多焦点レンズのほかに、乱視を矯正するレンズなどがあります。基本的にこの先一生使い続けるので、どのレンズを選べば快適に過ごせるか、毎日の生活に照らし合わせて決めましょう

 

 

 

MyAge_012_075-05_Web用

 

 

次ページへ続きます!→

 

 

■目の状態

 

濁りのない健康な目

水晶体がクリアで、濁りのない目の状態

水晶体がクリアで、濁りのない目の状態

 

白内障が起きている目

水晶体が白く濁った状態になり、外から見ても眼球が白く見えます

水晶体が白く濁った状態になり、外から見ても眼球が白く見えます

 

 

 

目の不調:Q&A

 

■40歳以上の人は、
目の検査を受けましょう

 

Q

不調がなくても、眼科検診を
受けたほうがいいですか?

 

A

40歳を過ぎたら、一度本格的な目の検査を受けましょう。すでに不快な症状を感じている人は、より細かい検査が受けられる「アイドック」もおすすめです。これといった問題がなければ、その後の検査は5年ごとでもかまいません。

 

 

Q

持病があるとなりやすい
目の病気はありますか?

 

A

例えば強度の近視は、緑内障の危険因子のひとつ。視力がよい人に比べて目への負担が大きいため、網膜の病気や黄斑変性などの発症要因にもなります。また糖尿病やアトピー性皮膚炎が、白内障の原因になることもあるので注意が必要です。

 

Q

糖尿病と診断されました。
眼科でも診察を受けるべきですか?

 

A

合併症として生じやすい目の病気に、糖尿病網膜症があります。10~20年かけて少しずつ症状が進み、突然失明にいたることも。症状は視野の欠け、視力低下、飛蚊症、視界の歪みなど。糖尿病と診断されたら、必ず眼科にもかかりましょう。

 

 

 

次回は、アイメイクやつけまつ毛などによる、目のトラブル・ビューティ編をご紹介します。

 

 

イラスト/内藤しなこ 取材・文/上田恵子 取材協力・資料提供&監修/大鹿哲郎

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