いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
腎臓の専門医でもある根来教授による「腎臓よろず相談室」ですよ。
今回は新潟県糸魚川(いといがわ)市のHさんより、「夜中にトイレに行くようになったのは腎機能の低下ですか?」というご質問です。
根来 こんにちは。根来秀行です。今回のご質問は、アワエイジ世代には思い当たる人も多いのではないでしょうか。
いし ですねえ。よく聞きますよ。若い頃はなかった現象ですね。
根来 年を重ねると、夜中に何回もトイレに起きる人が増えてきます。腎臓が悪いのかと心配する人も多いのですが、そうではありません。
これは加齢による抗利尿ホルモンの分泌の低下が原因です。
いし 抗利尿ホルモン?
根来 はい。就寝時には、脳の下垂体から抗利尿ホルモンが分泌されます。抗利尿ホルモンには、尿細管に作用して水分の再吸収を促す働きがあり、尿量が抑えられるのです。
いし なるほど。
根来 抗利尿ホルモンが不足すると薄い尿がどんどん作られて、夜中でもトイレに行きたくなります。
いし やはり、老化現象ってことですか。
根来 まあ、アワエイジ世代なら自然な生理現象なので心配ありません。
いし ほっとするけど、ちょっとせつないなあ。
根来 規則正しい生活を心掛けて一日の リズムを体の中でつくってあげると、腎臓の働きもよくなって、抗利尿ホルモンが夜中に出やすくなってきますよ。
いし へぇ〜、そうなんですね。
根来 あと、注意して欲しいのは、夜中にトイレに行くときです。煌煌(こうこう)と明かりをつけてしまうと、睡眠を深くするために必要なホルモンのメラトニンが抑制されてしまうので要注意です。
フットライトなど薄明かりにするよう工夫してください。
いし 夜中は薄暗がりでトイレに行くようにします!
つまずかないように、まずは部屋を片付けとかないとね。
根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男