雨が降ると、頭が痛くなったり、気分が滅入る感じはしませんか? それは気圧の変化が招く〝天気痛”という症状です。天気痛になりやすいタイプや解決策を専門医が解説していく連載第4回は、改善策を伝授!
すぐ取り入れたい! 改善アイデア
痛み止めに頼らず生活改善を。耳マッサージも効果的
天気に左右されて突発的に起きる痛みや不調。では、どうすれば天気痛は改善できるのでしょうか?
「慢性的な痛みを抱えている人は、痛み止めがないと不安という人も多いのですが、鎮痛薬に頼る習慣を断ち切ることも大切。『薬物乱用頭痛』といって、頭痛薬を飲み続けていると効きにくくなり、服用回数が増えることで逆に頭痛が悪化する場合があるのです。そのため、私は実際の治療でもできるだけ鎮痛薬以外で痛みをコントロールし、症状の根本原因となっている病気があればその治療を並行して行います」
セルフマッサージをしたり、生活習慣に気をつけることも天気痛の予防や改善に効果的だといいます。
「天気痛は耳と自律神経がかかわっているので、普段から耳の血行をよくすることと、自律神経のバランスを整えることを意識してください。なかでもおすすめは私が考案した耳マッサージ。血流がよくなることで内耳のセンサーが整い、頭痛や不調の改善した方がたくさんいます」
【耳マッサージを取り入れる】
患者さんに試してもらったところ、予防・改善できたという声が多かった耳マッサージ。「実際にマッサージを行う前後で鼓膜の温度を調べると明らかに違いが。血行改善が期待できます」と佐藤先生。「朝昼晩に各1回ずつ、2週間~1カ月続けてみましょう」
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自律神経を整えるには、しっかり睡眠と栄養をとることも基本。次回で紹介するめまいのツボ押しや頭痛体操も簡単に取り入れられるので、ぜひ参考にしましょう。
「天気痛がやっかいなのは、痛みや不調がいつ起きるか確実な予測がつかないことですが、天気を意識する習慣をつけて、痛みを悪化させない予防策を取ることが大事です」
【耳を温めて血行をよくする】
ホットタオルで
タオルを2枚用意し、水で濡らして軽く絞ります。折りたたんで、密閉できる耐熱ビニール袋に入れたらレンジで1分ほど温めます。ビニール袋から取り出したタオルを両耳に当て、タオルが冷めるまでゆっくり温めましょう
ペットボトルで
ホット用のペットボトルに、2:1の割合でお湯と水を入れ、耳に直接当てて温めます。温かいペットボトル入りのお茶などでもOK。頭痛がするときは、完骨という耳の後ろにあるツボに当てながら温めるとより効果的です
イラスト/ヤマグチカヨ 図表作成/ビーワークス 構成・原文/矢沢美香(STRIPE)