真夏のUVケア、素敵女医のみなさんからのアドバイス、ぜひご参考に!
◆日焼けと皮膚がん◆
皮膚科外来で診察をしている際、初期の皮膚がんの患者さんが増えているのが気になります。特にメラニンが少ない色白の人が過去に多量の紫外線を浴びた場合、高齢になってから症状が現れるようです。皮膚がんの始まりは湿疹のようなピンク色で、表面はカサカサしており、かゆみや痛みなどの自覚症状はありません。薬をつけても治らない"赤いシミ"があったら、安易な自己診断は避け、皮膚科を受診してください。
赤須玲子さん 60歳
美容皮膚科 赤須医院
◆光老化って何?◆
「光老化」とは、紫外線を浴びることで皮膚に現れる悪影響のこと。シミやくすみ、弾力が失われてできる深いシワ、たるみなどの光の害を指します。肌老化の原因の7~8割は紫外線が占めているので、肌を若々しく保つには、しっかりと紫外線を防ぐことが大切です。そして残り2~3割への対策として、抗酸化物質を多く含む食品をバランスよくとって体内の酸化と糖化を抑える、質のよい睡眠や適度な運動でホルモンバランスを整える(女性ホルモンには抗酸化作用があるため)ことを心がけましょう。
飛田砂織さん 49歳
美容皮膚科・抗加齢医学 クリニックシュアー銀座
◆糖化とメラトニンの関係◆
日光の当たるとサーカディアンリズムが整い、体内で正常なメラトニン量が生成されることが知られています。加齢に伴いメラトニン生成量は低減していきますが、最近の知見では、メラトニンにメラニン抑制効果があるという報告も。メラトニンには強い抗酸化作用があるので、適度に日差しを浴びることは生活リズムを整え、肌によい影響を及ぼすとも考えられます。また、肌老化の7~8割は光老化が原因で起こりますが、一方で日光に当たる有用性も指摘されています。体内での糖化反応では肌の黄ばみや硬化が進む原因にもなるため、紫外線対策や糖化対策を考えながら、ベストな肌ケア方法を取り入れることが大切です。
住吉周子さん 54歳
美容皮膚科・漢方内科 Shuko Clinic
次回は、素敵女医流の顔と体の日焼け止めの選び方をご紹介します。
イラスト/ミック・イタヤ 取材・原文/上田恵子