素敵女医の８割以上が実践しているほど関心が高かった糖質制限。
糖尿病、がん治療の専門家であり、アンチエイジングドクターとしても名高い青木晃先生と、
糖質制限実践中の素敵女医・杉野宏子先生、飛嶋佐斗子先生という
糖質制限をよく知る３人に、効果、方法、注意すべきことについて忌憚なく語っていただきました。
［写真右より］
杉野宏子さん Hiroko Sugino
58歳・形成外科・美容外科・美容皮膚科
青山エルクリニック院長・日本アンチエイジングフード協会理事
青木 晃さん Akira Aoki
53歳・日本抗加齢医学会専門医
横浜クリニック院長
飛嶋佐斗子さん Satoko Tobishima
47歳・美容外科・美容皮膚科
ロココ美容外科院長
アンチエイジングは本来、健康な人のためのもの
杉野 厳密に糖質制限食を実践している人は皆さん、
医師の指導を受けて行っていますね。
青木 そうです。もともとは２型糖尿病の治療食ですが、
もちろん患者さんには担当ドクターが指導をしていますし、
ケトジェニックダイエットも、白澤卓二先生のようにきちんとノウハウを教え、
かつ教える側の人間も養成するというスタンスで実践されています。
ただ、そうではない人たちまでもがセンセーショナルなタイトルで書籍化するなど、
ブームの中で温度差が出ているのも事実です。
どんな健康法、美容法もそうですが、うのみにするのは危険。
読者には、「本当に自分の体質に合うのだろうか？」と
疑ってみる知性が求められると思います。
飛嶋 「アンチエイジングは本来、健康な人のためのもの」
ということも忘れてはいけませんね。
青木 健康な人がより健康になって長寿をまっとうする、
健康な人がより若々しくなる。
どんな美容医療にもリスクはありますし、
やる・やらないを決める際には個人の生き方や人生観がかかわってきます。
正しい情報を得て自身で取捨選択し、
自己責任のもとで体質や体調に合ったものをやることが重要です。
ちなみに、健康な日本人が長期にわたって糖質制限を続けた場合どうなるかについては、
まだエビデンス（医学的な根拠）が出ていません。
杉野 病気の治療が目的ではない場合、
あまり極端な方向に走りすぎないことも大切。
「○○しか食べない」ではなく、いろいろなものを適量でというのがいいと思います。
ランチにラーメン＆チャーハンを食べて、
朝も夜もご飯やパン、合間にお菓子までつまんでいたのでは明らかに炭水化物のとりすぎ。
低糖質、糖質オフは、そのような食生活を変えるいいきっかけになると思います。
青木 杉野先生は、普段どのような食事をとっていますか？
杉野 朝はスムージーを作って飲み、あとはハムエッグ程度ですね。
卵２個を食べます。
お昼はご飯抜きでお肉と野菜の定食を食べたり、
近くにあるナチュラルハウスで、好きなお惣菜を選んでテイクアウトしたり。
夜は自宅で、タンパク質と野菜メインの食事ですね。
夫と娘はご飯も食べますが。
青木 中等度炭水化物食、いわゆる〝ゆるローカーボ〞ですね。
ご飯も軽く１膳なら３食食べられます。
あとはケチャップやソース、揚げ物の衣などにも気をつける。
それで十分だと思います。
飛嶋先生が始めたきっかけは？
飛嶋 ２年前に始めた当時、子宮の病気でピルを飲んでいたのですが、
副作用で体重が４㎏増え、むくみも出ていたんですね。
それでゆるい糖質制限を始めたところ、ほぼむくみは出なくなりました。
現在の課題は運動です。
杉野先生はなぜ糖質制限を？
杉野 喘息の悪化と潰瘍性大腸炎を患ったことで、
体の中の炎症を抑えるため、２年半前に始めたんです。
以前は昼食に麺類を食べたあと、よく反応性低血糖になっていました。
だるくて力が入らなくなり、午後の診察ができないんです。
夕方に甘いものを食べないと、夜までもたなかったり。
でも今はそんなこともなくなりました。
後編では、杉野先生、飛嶋先生が実践している糖質制限について
さらに詳しいお話が！
撮影／森山竜男
取材・原文／上田恵子
