睡眠の専門家・伊藤先生に聞く質のいい睡眠のための心がけ。
質のいい睡眠をとることは、体にどのような影響を与えるのでしょうか?
睡眠の質は美肌にも体型にも影響!?
眠れない状態が続くと、心と体には
さまざまな悪影響が出てきてしまいます。
まずは集中力、判断力、記憶力が低下し、ミスが増える。
気分がうつぎみになり、不安感が強くなる。
さらに免疫機能も下がるため、
ウイルスや細菌にも感染しやすくなります。
寝不足が続くと風邪をひきやすくなるのはそのためです。
それ以外にも、糖尿病や高血圧、心筋梗塞、脳梗塞など、
生活習慣病の発症リスクは2倍に。
脳内で食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減って食欲がわき、
太りやすくなるというデメリットもあります。
「なかには『睡眠時間は長いのに疲れが取れない』という人もいます。
睡眠は長さばかりではなく、質も大切。
特に睡眠前半の深い眠りの際に分泌される〝成長ホルモン〞は、
新陳代謝を促進する役割を持つ需要な物質。
幼児期から子ども時代にかけては身長や骨格を形成し、
大人になってからは疲労回復や老化防止、美肌作りなどに作用する、
健康と美容のために不可欠なホルモンです。
このホルモンを毎日しっかり分泌させるためにも、
熟睡できる環境を整えて、質のいい睡眠をとることが大切なのです」
睡眠も老いる!?
生後間もないときは、レム睡眠とノンレム睡眠の割合は同じくらいですが、
次第にレム睡眠が少なくなり、10歳頃までにはノンレム睡眠のほうが多くなります。
中高年になるにつれて徐々に眠りが浅くなり、中途覚醒が増加。
60代になると深い眠りは少なくなり、ますます中途覚醒が増えてきます。
出典/井上雄一監修『睡眠障害で眠れない夜の不安をみるみる解消する200%の基本ワザ』
撮影/板野賢治 取材・原文/上田恵子
撮影協力/プロップス ナウ UTUWA