「眠る力」を取り戻す、伊藤若子先生のお話しの最終回です。
睡眠不足が心身に与える影響は深刻!
ですが、誰もが8時間程度の睡眠をとることが体に合っているとは限らないと
伊藤先生は言います。
自己判断で対処せずクリニックで受診を
よく、理想的な睡眠時間は8時間だと言われます。
けれども実際は、各自に適した睡眠時間には個人差があり、
年齢や性別、生活環境、季節などによっても変わるのだとか。
睡眠時間が短くても、元気に生活できているなら問題はありません。
「眠れないことを気にしすぎて、それ自体がストレスになってしまうと、
余計に眠れなくなります。
最近では、睡眠中に何度も呼吸が止まり、
眠りを浅くする『OSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)』にかかる女性も増えています。
眠れないことで日常生活に支障が出ている、
体がつらいと感じる場合は、
自己判断で市販の睡眠改善薬などを服用せず、
できるだけ早いうちに精神科や心療内科、睡眠外来などを
受診することをおすすめします」
OSASは女性にも増えている!
「OSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)」は、
睡眠中に何度も呼吸が止まることで、睡眠が浅くなる疾患です。
強い眠気、いびき、起きたときに口やのどが乾いている、
苦しくて目が覚めるなどの症状があり、
最近では女性の患者も増えてきています。
この疾患の怖いところは、高血圧、心筋梗塞、心不全、糖尿病など、
命にかかわる病気の発症に関係していること。
あなたは下のような症状はありませんか?
出典/井上雄一監修『睡眠障害で眠れない夜の不安をみるみる解消する200%の基本ワザ』
●OSASチェックシート
□ 毎晩大きないびきをかくと言われる
□ 肥満傾向がある
□ 高血圧がある(もしくは血圧の薬を飲んでいる)
□ 昼間、眠い
□ 寝つきは悪くないが、眠りが浅い
□ いくら寝ても、朝、疲れが取れない、すっきりしない
□ いびきといびきの間に呼吸が止まると言われている
□ 集中力がない
□ 朝、起きたときに口の乾きを感じる
●判定 あてはまった数はいくつ?
●3つ以下 可能性は低いですが、肥満傾向があったり、
いびきが増える等の変化が表れた場合は要注意です。
●4つ以上 何らかの睡眠障害がある可能性があります。
肥満傾向やいびきがある場合は、OSASの確率はかなり高いです。
撮影/板野賢治 取材・原文/上田恵子
撮影協力/プロップス ナウ UTUWAd