脚が曲がってきた⁉
大人のO脚には要注意
45歳を過ぎたあたりから、O脚がひどくなった、膝に違和感を覚えることが増えた…という人はいませんか?
そんな大人のO脚を放っておくのは禁物です!
O脚を放っておくと、やがて膝痛を発症するかも。
変形性膝関節症とは?
では、O脚やX脚が膝に与える影響とは? 膝痛や、将来なる可能性が高い、変形性膝関節症について考えてみましょう。そして、ご紹介する治療法についてぜひ参考にしてください。
■膝痛が起こるメカニズム■
これは前から見た右膝関節の断面図です。クッション役を果たす関節軟骨がすり減ると、だんだん大腿骨と脛骨の間が狭くなり、やがて硬い骨同士がぶつかり合うように。炎症を起こして、膝が痛むようになります。
関節軟骨がすり減った膝(左)
硬い骨同士が直接ぶつかり、骨棘と呼ばれる骨の突起ができたり、関節軟骨のかけらが滑膜を刺激するなどして、痛みが出ます。
関節軟骨が健康な膝(右)
健康な膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨の接触面が関節軟骨で覆われ、硬い骨同士が直接触れないようになっています。
■膝に水がたまるメカニズム■
膝関節をスムーズに動かすために、健康な膝では適度な関節液が分泌されます。しかし、滑膜に炎症があると過剰に分泌されることがあり、吸収が追いつかず、関節内に水(関節液)がたまり、膝が腫れてきます。
水がたまった膝(左)
滑膜に炎症が起こると、関節液が過剰に分泌。吸収が追いつかなくなり、関節内に関節液がたまって腫れ、痛みが増す場合も。
関節液が適度な健康な膝(右)
膝の動きを滑らかにするために、通常は滑膜から適量の関節液が分泌されます。分泌と吸収のバランスがとれています。
■O脚とX脚がなりやすい膝の変形■
O脚とX脚では軟骨の磨耗する部位が違います。O脚では荷重線が膝の内側を通過するので、膝の内側に負担が。X脚は外側に負担がかかり、膝の変形が起こります。これ以外に膝蓋骨の内側がすり減るタイプもあります。
O脚の人は内側が磨耗(左)
膝への負担が内側に集中するため、膝の内側の関節軟骨が磨耗しやすくなります。これを内側型変形性膝関節症と呼びます。
X脚の人は外側が磨耗(右)
X脚の人は外側に負担がかかるため、膝の外側の関節軟骨が磨耗しやすくなります。これを外側型変形性膝関節症と呼びます。
症状が軽い場合には保存療法がとられます。運動療法など自分で行うものと、薬物療法など医療機関で行うものがあります。症状がひどくなると手術療法がとられます。
次回は、膝を守るために自分で簡単にできるストレッチをご紹介します。
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/山村浩子