美腸ケア12
発酵食と食物繊維で
my乳酸菌を育てよう!
腸内の乳酸菌を増やすには、もともと腸にすむ乳酸菌を増やすのが最も効果的。 日本の伝統的発酵食品「味噌」と食物繊維豊富な「野菜」がカギです!
ここでは2回に分けて、腸の健康に関する著書が話題の、東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎さんに、腸内の乳酸菌を効果的に増やし、腸内環境を整えるために必要なことについて教えていただきます。
今回は、味噌や漬物など、日本人が昔から食べていた“和食”こそ、腸内環境の整備に最適であるというお話です。
善玉菌のエサになる
食物繊維とオリゴ糖
そのほか、腸内の善玉菌のエサになって、その働きを活性化するものにオリゴ糖と食物繊維があります。
オリゴ糖は大豆、ごぼう、玉ねぎ、にんにくなどに含まれます。
食物繊維には水溶性と不溶性、2種類あり、海藻類や納豆、オクラなどに多く含まれる水溶性は便を軟らかくしてお通じをスムーズに。野菜に多い不溶性は腸壁を刺激し腸のぜん動運動を促進。不溶性2に対し水溶性1の割合でとるのが理想的です。
「一方、悪玉菌は動物性の脂肪やタンパク質が大好物。これらを食べて、腸の汚れの原因になる物質を分泌するのでとりすぎに注意。腸内の汚れを吸着して排出効果のある食物繊維も一緒にたっぷりとって」
味噌、漬け物、納豆など
和の発酵食が最強の味方!
発酵食というとヨーグルトを思い浮かべる人が多いですが、日本人にはヨーグルトに含まれるタンパク質の一種、カゼインが合わない人も多いとのこと。
「日本人が昔から食べ慣れてきた味噌や漬け物、納豆などをぜひ積極的にとりたいですね」と藤田先生。
こうした発酵食と野菜、豆、米を中心とした和食は、腸の負担になる脂質も控えめ、食物繊維やオリゴ糖が豊富。腸内環境の整備に最適です。
伝統的な製法できちんと
発酵させたものを選んで
腸内の乳酸菌を育てるには、発酵食に含まれる乳酸菌や酵母が発酵の過程で生み出した、整腸に有効な成分をたっぷりとるのが有効です。
ただし、通常、味噌やしょうゆの熟成には1年程度かかりますが、生産効率を上げるために、強制的に発酵・熟成を進める酵素を添加している製品も。
「見せかけだけの発酵食品」では発酵による健康効果は期待できません。きちんと発酵させたものを選びたいものです。
撮影/板野賢治 料理・スタイリング/是友麻希 構成・原文/瀬戸由美子