美腸ケア5
腸にいい習慣 ウソorホント
今までどこかで聞きかじった、腸に関する知識。 本当はどうなの?
ここでは、腸の専門家お二人に腸にまつわる話のウソorホントについて確認。Q&A方式でご紹介します。
腸の健康は生活習慣次第。本当に腸が喜ぶこととは?
今回は、早寝早起きは腸内環境にいい? 腹筋は便秘に効く? など、3つのウソorホントです。
藤田紘一郎さん Koichiro Fujita
東京医科歯科大学名誉教授、
人間総合科学大学教授
辨野義己さん Yoshimi Benno
理化学研究所イノベーション推進センター
辨野特別研究室特別招聘研究員
Q 早寝早起きは腸内環境にいい?
ホント
A 規則正しい生活は腸のリズムを整えます。
現代人はその時々の都合で、食事を抜いたり、時間をずらしたり、就寝や起床時間も不規則になりがちです。
もともと、私たちの体には体内時計が備わっており、昼に活動して、夜は休息するようにできています。それが乱れると、腸をはじめ体のさまざまな生体リズムが狂ってきます。これが便秘になる要因のひとつ。それを正すには、朝の光を浴び、一日三度の食事を決まった時間にとること。
特に大事なのは、朝の時間にゆとりを持ち、朝食をとってしっかりと腸の動きをスタートさせることです。(藤田先生)
Q ビフィズス菌や乳酸菌は毎日食べないとダメ?
ホント
A 摂取した菌は定着しないので、毎日食べることが大切。
私たちの腸は老化に伴い、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が減ってきます。これを補ってくれるのがヨーグルトや納豆などの発酵食品。食事から補充することで、もともと腸内にいる善玉菌が活性化します。
ただし、摂取した菌は腸に定着はしないので、毎日食べ続けることが必要。量の目安はヨーグルトなら一日200~300g。ヨーグルトを食べても便秘が改善しないという人は、食物繊維不足が考えられます。便のもとになる野菜と、さらに善玉菌のエサになるオリゴ糖を一緒にとるのがベストです。(辨野先生)
Q 腹筋を鍛えると便秘に効く?
ホント
A 腹筋の低下も便秘の原因なので、有効!
便を排泄するときには、腹筋や腸腰筋(腰椎と大腿骨を結ぶ深層筋)などを使ってふんばる必要があります。この力が弱まると、せっかく便意があっても、ふんばりきれずにあきらめてしまい、それが重なるとやがて便意そのものが起こらなくなることも。特に高齢者、なかには最近の若者にも、筋力の衰えによる便秘が少なくありません。
おすすめなのが腹筋運動やウォーキング。腹筋の強化になるだけでなく、リズミカルな運動刺激が腸のぜん動運動を高めます。適度な運動も腸活には必須です。(辨野先生)
次回は、肉食は腸に悪い? 笑うことも腸活に効くの? など、4つのウソ&ホントをご紹介します。
撮影/城 健太 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子