MyAge 本誌にて好評連載中の「S-Joy~素敵女医~」シリーズ。
こちらに第一回からご協力いただいている「青山エルクリニック」杉野宏子院長にお話をうかがうこの企画。
今回は「コンドロイチン硫酸」の働きについて解説していただきます。
こんにちは、杉野宏子です。
今回は「コンドロイチン硫酸」についてお話したいと思います。
コンドロイチン硫酸は、もともと人の体に存在している成分です。軟骨、骨、皮膚、血管、粘膜、靭帯といった各部位で、水分の保持のほか、消化・吸収・代謝を促す働きをしています。
中でも重要なのは関節部分。骨と骨のつなぎ目である関節部分には軟骨があり、クッションのような役割をしています。しかし、加齢などでコンドロイチン硫酸の量が減少するのに伴い、衝撃をやわらげ、関節をなめらかにする働きが衰退。そうなると軟骨は徐々にすり減りってしまい、骨同士が直接ぶつかるようになり、その結果として痛みを感じる人が出てくるのです。
高い保水力を持つコンドロイチン硫酸は、肌の潤いや髪や爪のつやには欠かせない成分です。肌だけでなく眼の中の角膜にもふくまれているため、不足すると目が乾いたりすることも。ほかに、体内のイオンバランスを保つ働きもあります。
また、骨の成長を助ける作用もあり、骨密度が減少する骨粗しょう症の予防や改善にも効果があると言われています。
コンドロイチン硫酸は医薬品として使われ、主に注射することで、腰痛症、関節痛、五十肩などの症状を改善します。保険治療でも認められていますが、飲み薬はありません。ほかにドライアイ対策の点眼薬として使用することもあります。
残念ながら現段階では、人が口から大量に摂取することで症状が改善されたという研究データはないのですが、関節を作る成分ではあるので、栄養不足の方は積極的に摂った方がいいと思います。
コンドロイチン硫酸は動物性と植物性両方の食品に含まれ、中でもネバネバしたものに含まれていることが多いです。
多く含まれる食品には次のようなものがあります。
ふかひれ、うなぎ、あわび、ひらめ、なまこ、カレイ、はも、スッポン等ゼラチン質のもの。鶏(特に皮、骨、軟骨、手羽)、牛や豚の軟骨、牛すね肉、豚足、鮫の軟骨など
オクラ、なめこ、山芋、里芋、モロヘイヤ、根コンブ、納豆などのネバネバ系
軟骨や腱などに広く存在しているグルコサミンも、コンドロイチン硫酸と同じく軟骨の働きに不可欠な成分です。細胞や組織を結合するほか、軟骨を再生する働きを持つといわれています。
グルコサミンについては、次回詳しくお伝えしますね。
杉野先生のアンチエイジングジュースのレシピは、次ページに!
◆杉野先生おすすめのアンチエイジングジュース
<かぼちゃとパプリカのスープ>
かぼちゃ 1/8個(種ごと電子レンジで柔らかくする)
赤パプリカ 1個
ニンニク 1片
生姜 1片
固形スープ 1個
お湯 250ml
温かい牛乳 50ml
野菜はざく切りにし、材料をすべてミキサーに入れ、数分回す。
<スウィーティーとセロリのジュース>
スウィーティー 半個
セロリ 1本
ニンジン 半本
EVオリーブオイル 大さじ1
いりごま 大さじ1
チアシード 大さじ1
ターメリック、シナモン、クローブ 各少々
水 200ml
野菜はざく切りにし、材料をすべてミキサーに入れ、数分回す。
ジュース写真/杉野宏子 取材・文/上田恵子