MyAge 本誌にて好評連載中の「S-Joy~素敵女医~」シリーズ。
こちらに第一回からご協力いただいている「青山エルクリニック」杉野宏子院長にお話をうかがうこの企画。
今回は「グルコサミン」の働きについて解説していただきます。
こんにちは、杉野宏子です。
今回は「グルコサミン」についてお話したいと思います。
前回ご紹介した「コンドロイチン硫酸」と同じく、グルコサミンも人間の体内に存在するアミノ酸の一種です。
関節軟骨、爪や腱、皮膚には「グリコサミノグリカン」というムコ多糖類の物質が分布しており、組織を柔軟にして水分を保つクッションの働きをしています。グルコサミンは、このグリコサミノグリカンの成分です。
グルコサミンは年齢とともに減少する傾向にあります。また、変形性関節症では関節内のプロテオグリカンが減った結果、軟骨細胞が減少してしまう状態に。関節や皮膚を若々しく保つためには、この減少をなるべく防ぐ必要があるのです。
残念ながらグルコサミンを口から多く摂取したからといって、グルコサミンそのものが人間の関節や皮膚に直接取り入れられるわけではありません。
ただし、グルコサミンのサプリメントを飲んでも全く効果がないのかというと、そうでもないのです。変形性膝関節症の患者さんにグルコサミンを内服していただくと、疼痛スコアが改善され、関節と関節の間が狭くなるのを抑えられる、という報告があります。
では、口から摂取したグルコサミンが直接自分のグルコサミンにならないのに、どうして痛みを減らす効果があるのでしょうか?
現在、細胞レベルの実験研究では、グルコサミンが関節でのグリコサミノグリカン合成を高めるほか、関節の炎症を抑え、コラーゲン合成を促進することがわかっています。人間レベルではまだその効果が証明されていませんが、グルコサミンの軟骨保護作用を期待できる実験結果です。
グルコサミンが多く含まれる食品として挙げられるのは、前回のコンドロイチン硫酸でもご紹介したネバネバ食品ですね。
オクラや山芋、根昆布などがそうです。
あとはエビやカニなどの甲殻類のほか、うなぎ、フカヒレ、牛や豚、鶏などの軟骨、干しエビなどにも含まれています。
さまざまな食品からグルコサミンやコンドロイチン硫酸を摂取して、お肌と関節の健康増進を目指しましょう。
参考文献: 長岡功. グルコサミンと変形性膝関節症. 順天堂醫事雑誌. 2013.59. 152-162
杉野先生のアンチエイジングジュースのレシピは、次ページに!
◆杉野先生おすすめのアンチエイジングジュース
<かき菜とセロリのスープ>
スープ2人前
かき菜 4~5本
セロリ 1株
カイワレ大根 半パック
生姜 1かけ
バター 20g
エゴマ油 大さじ1
スープの素 1個
かき菜、セロリ、カイワレ大根はざく切りにして、バター、エゴマ油と一緒にミキサーに入れる。
お湯250mlにスープの素、生姜を入れて数分煮た後、ミキサーに注ぎいれる。
材料が細かくなるまで30秒ほどミキサーを回し、スープをカップに注ぐ。
セロリの香りには、精神を安定させる作用があると言われています。
ホッと一息つきながら味わいましょう。
<ピンクグレープフルーツとニンジン、パプリカのジュース>
ピンクグレープフルーツ 半個
ニンジン 半個
赤パプリカ 半個
大根 100g
シナモン、ターメリック、クローブ 少々
水 250ml
グレープフルーツは皮を剥き、その他の材料は皮付のままざく切りにして、ミキサーに入れる。
その他の材料を入れ、約30秒ミキサーを回す。
グレープフルーツには、タンパク質合成に欠かせないビタミンCがたっぷりと含まれています。
大根に含まれるイソチオシアネートは免疫力を高める他、ガン予防の効果も期待できます。
ジュース写真/杉野宏子 取材・文/上田恵子