前回は、8つの項目で睡眠状態を確認しました。
つづいて、睡眠時無呼吸症候群についてさらに詳しくご紹介します。
お話は梶本修身先生に聞きました!
梶本修身さん
Osami Kajimoto
1962年生まれ。医学博士。大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。
東京・新橋にある「東京疲労・睡眠クリニック」院長。
『すべての疲労は脳が原因』は9万部に。2016年12月『すべての疲労は脳が原因2〈超実践編〉』刊行。(ともに集英社新書)
間違った知識が発見を遅らせます!
睡眠時無呼吸症候群を「メタボな中年以上のおじさんの病気」
と思っている人が多いようです。
でも、それ以外の人も数多くかかっています。
まずは、誤解を解いて正しい知識を身につけましょう。
1 肥満の人しかならない
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痩せていてもかかる人はいます!
「睡眠時無呼吸症候群の人のイメージは、肥満です。確かに太ると、喉の内側に脂肪がつき、気道が狭くなります。睡眠時の寝方でより気道が狭くなるので、無呼吸のリスクは跳ね上がります。ですが、痩せていても、あごが小さい人や引っ込んでいる人、二重あごの人、鼻呼吸がスムーズにできない人、舌が大きめだったり寝るときに喉側に落ちてしまう人なども、発症リスクがあります」(梶本先生)
2 男性、しかもおじさんしかならない
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女性でもかかります。40代後半から増加します!
「実は女性の患者さんも思っている以上に多い疾患です。特に40代後半から増加します。女性ホルモンの低下で、喉頭部の筋肉が弛緩しやすくなり、気道が狭まり、いびきをかきやすくなるといわれています。ですが、疲れる、眠れないなどは更年期の症状と似ているために、見逃してしまう人が多い。いつまでも症状が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群も疑ってみることが大事です」(梶本先生)
3 いびきをかかなければ大丈夫
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いびきだけを判断材料にしないで!
「睡眠時無呼吸症候群といびきは密接な関係があります。気道が狭くなると呼吸をするたびに、いびきが出やすくなります。また、無呼吸状態が続いた後、呼吸が再開されるときにもいびきが出ます。ですが、女性の場合、いびきが出にくい場合もあります。また、夫や家族などから指摘されないと気づかない場合も。いびきだけでなく眠気や疲れも判断基準にするのがいいでしょう」(梶本先生)
4 不眠の人しかかからない
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不眠の実感がない人も多いのが特徴です!
「睡眠時無呼吸症候群というと、眠れない病気と思っている人が多いようです。不眠症のように寝つきが悪い、眠れないという症状を感じる人は少ないようです。症状が自分で実感できるのは夜よりも朝や日中です。睡眠時間を確保できているのに、朝起きてもつらい、日中眠い、疲れが取れてないかどうかを確認しましょう。特に、朝起きて4時間後(最も脳が働く時間帯)に眠気に襲われたら何かおかしいと疑ったほうがいいでしょう」(梶本先生)
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構成・原文/伊藤まなび