グルテンフリーで疲れ知らず&美肌麺に!
「グルテンとは小麦などに含まれる2種類のタンパク質が、水を加えてこねることで絡み合ってできる成分です。グルテン自体がすべて悪いわけではなりませんが、最近ではとりすぎなどにより腸内環境を悪化させ、アレルギー症状や肌あれの原因になるともいわれています。
そこで、そのグルテンをできるだけ減らそうという、グルテンフリーの健康法が注目されています」(沼津りえさん)
グルテンフリーの麺には「米が原料のもの」と「豆が原料のもの」があります。(※詳しくは第1回参照)
今回は国産の米麺を使った、鶏肉のフォーをご紹介します。
「鶏の胸肉にはイミダゾールペプチドという栄養が含まれています。この成分があるからこそ、渡り鳥が数千㎞という距離を飛び続けられるのだといわれています。こうした鶏肉が持つ、体を酸化させ疲れさせる活性酸素を除去する効果が注目されています。
イミダゾールペプチド以外にも、鶏肉には抗酸化作用のあるビタミンAやEが豊富で、疲労回復の効果に優れており、抗ストレス作用のあるパントテン酸も含まれます。
まさにストレスフルな現代の社会に必要な栄養を備えています。さらに、皮膚や粘膜を丈夫に保つナイアシンも含まれているので、美肌効果も期待できます」
究極シンプルなスープが心身に優しい
「このメニューの大きなポイントは、具にもなる鶏の胸肉に塩麹をまぶし、それをゆでた汁をスープのベースにすることです。これにナンプラー(ベトナムではヌクマムを使いますが、手に入りやすいナンプラーでOK)と塩・こしょう各少々だけの究極にシンプルな味つけに。
ついチキンスープの素などを使ってしまいがちですが、塩麴やナンプラーに発酵の深い味わいがあるので、十分に複雑で上品なスープになりますよ。調味料やスープ、だしにも、極力人工的なものを使わず、食材の味を引き出して作ることを提案していきたいと思います。〇〇の素というものには塩分が含まれていることも多いので、減塩にもなります」
【使用した麺】
う米めん(白米麺)
原材料は米粉(福島県産)とデンプン(国産)のみ。増粘剤も不使用で、小麦アレルギーの人でも安心。平麺でツルンともちもちとした食感なので、うどん系はもちろん、パスタなどさまざまな麺料理に。小麦麺に比べて、低カロリー、低脂質、低タンパク質で、食塩不使用というのが特徴。玄米麺もあります。1箱(120g×3袋)¥777/アルファ電子
【発酵食ポイント】
塩麹/塩と水、米麴を発酵してつくられ、含まれる菌は代謝の過程でビタミン類を生成します。特にビタミンB1、2、6が豊富で、皮膚や粘膜の健康を守り、脂質代謝にもかかわり、腸内環境を整えます。まさに美容に欠かせない要素がいっぱい。
ナンプラー/生魚を塩漬けにして発酵させた調味料。アミノ酸やビタミン、ミネラルなど健康と美容に欠かせない栄養の宝庫。そのエキゾチックな風味は少し入れるだけで、とたんにアジアンな味わいに!
う米めん「チキンフォー」レシピ
【材料(2人分)】
う米めん米麺:240g(2束)
鶏胸肉:100g
塩麹:大さじ1
こしょう:少々
ナンプラー(あればヌクマム):大さじ1
塩:少々
水:500ml
香菜・ライム:各適量
【作り方】
1 鶏肉と塩麹、こしょうを合わせ20分以上おく。麺を表示通りにゆでる。
2 鍋に水、1の鶏肉を入れて火にかけ、沸騰したらアクを取って弱火で7~8分加熱。そのまま冷ます。
3 鶏肉を取り出し、ゆでた麺を入れて温め、ナンプラーと塩で味を調える。
4 器に盛り、3の鶏肉を薄切りにしてのせ、香菜、くし切りにしたライムを添える。
【料理ポイント】
塩麹で下味をつけた鶏肉をゆでた汁をスープにする。塩麹効果で旨味もアップ!
【教えていただいた方】
管理栄養士・調理師・料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーに就職後、管理栄養士として妊産婦指導を行う。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『米粉があれば! パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)、『母から娘に伝える はじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)など多数。
撮影/沼津そうる 取材・文/山村浩子