HAPPY PLUS
https://ourage.jp/food/forties-recipes/362638/

小林まさみ・まさるさんの食卓。食物繊維豊富、血糖値を上げにくい『鶏ときのこのハンバーグ』

料理研究家・小林まさみさんのアシスタントを務める義父(夫の父)、小林まさるさん。91歳という年齢を感じさせない元気な仕事ぶりで注目されるまさるさんですが、実は血糖値が高く「糖尿病予備軍」と診断されているとのこと。今回は、そんな義父の健康を気にかけるまさみさんの、日々の食事作りの工夫についてお伺いしました。

 

【右】小林まさみさん
料理研究家。会社勤務を経験後、調理師学校に通い料理の道へ。テレビのフードコーディネーターや料理愛好家・平野レミさんなどの助手を経て独立。実用的でわかりやすいレシピと何度でも食べたくなる家庭的な味に定評があり、テレビや雑誌、料理教室などで活躍中。『血糖値を下げる1か月献立』(Gakken)、『毎日何を作るか、悩む人へ。まさみ式考えない晩ごはん』(オレンジページ)など、著書多数。
■インスタグラム/https://www.instagram.com/kobayashimasami.masaru/

 

【左】小林まさるさん
1933年生まれ。終戦後15歳で樺太から北海道に引き揚げる。炭鉱の機械エンジニアになり、27歳からは3年間ドイツに赴任した経験を持つ。定年後は息子夫婦と同居。70歳より、義娘(息子の妻)まさみさんの調理アシスタントに。現在は自身もシニア料理研究家としても単独でテレビ、雑誌、書籍などで活躍中。著書に『人生は、棚からぼたもち!』(東洋経済新報社)など。YouTubeの動画配信「小林まさる88チャンネル」では、持ち前の明るいキャラクターが話題を呼んでいる。

■YouTube/https://www.youtube.com/@user-tk9ur8bu8s

 

ラーメン、白米、甘いもの好きで糖尿病予備軍に

現在91歳のまさるさんは、義娘まさみさんのアシスタントとしてだけでなく、自身もシニア料理研究家として、テレビや雑誌の取材や書籍、YouTubeの動画配信で忙しい日々を送っています。そんな、みんなが羨むような健康体のまさるさんですが、8年前から血糖値が高く、「糖尿病予備軍」と診断されるようになりました。

 

「自分でもね、その頃からなんだか体が重く感じるようになってね。それまですいすい軽く動けていたのに、なんだか疲れやすくて、だるいなと感じることが多くなっていたよ」(まさるさん)

 

もともと、ラーメンなどの糖質や塩分の多い食べ物が大好きなまさるさん。さらに70代のとき、狭心症で倒れたのをきっかけに煙草をやめたところ、その反動で今度は飴などの甘いものに走るようになったとか。

 

「ラーメンなんてさ、スーパーでよく売っている1袋に3食入っているのを買ってきたら、一人で一度に全部食べてしまうくらい好きだったね。今でも食べ出したら止まらないと思うけど、抑えているよ」(まさるさん)

 

ラーメンは糖質、脂質、塩分すべて過剰摂取になるメニュー。まずはそれを控えることからスタート。

 

「ラーメンも、野菜をたっぷり入れるとかすれば少しはいいんですけどね。お義父さんが好きなのは野菜なしのラーメン。それから、白米も好きですね。もし、一人で自由に好きなごはんを食べる、となったら『白いご飯にすじことか塩辛があれば、もうそれで十分』という感じなんです」(まさみさん)

 

息子夫婦と一緒に住んでおらず、一人で好き勝手に食事をしていたら、予備軍ではなく、もうとっくに糖尿病になっていたのではないでしょうか。

 

「まぁ、『うるさいのが見張っている』と、ラーメンも飴も食べられないからね」(まさるさん)

 

「ちょくちょく、目を盗んで食べていたみたいだけど…」(まさみさん)

適度に糖質をとりながら、食物繊維で血糖値上昇を抑制

 

「糖尿病予備軍」のまさるさんを心配したまさみさんが、毎日の食事で意識したのは、食物繊維を豊富に含む食材をたくさん取り入れること。食物繊維は、血糖値の上昇を抑える働きを持っています。

 

「例えば、主食は白米オンリーにするのではなく、食物繊維が豊富なもち麦を加えて炊いています。夕飯は1人分120g。お茶碗に軽く盛り付けたくらいの量をお義父さんに出しています」(まさみさん)

 

 

「また、主菜や副菜、汁物には野菜をたっぷり入れるほか、きのこや海藻を多く使うようにしています」(まさみさん)

 

まさるさんも、いわゆる「ベジファースト」を実践。食物繊維が豊富な野菜やきのこ、海藻を使った副菜や汁物を最初にとり、続いて主菜、そして最後に主食という順番で食べるようにしています。糖質をとる前に摂取した食物繊維が、糖の吸収を抑えてくれます。早食いはしないようにして、しっかりよく嚙んで食べるようにするのもポイントです。

 

「以前、糖質を抜くダイエットが流行ったことがありましたよね。確かに糖質を抜くと血糖値は比較的簡単に下がるそうですが、高齢者が急に糖質を抜くのは危険だと医師に言われました。ですから、糖質も適度にとりながら、食物繊維を多く組み合わせることで血糖値を急上昇させない、そんなメニューを心がけています」(まさみさん)

 

そのほか、「夕飯はできるだけ7時台にすませ、就寝する3~4時間前には何も食べない」「甘いものはできるだけ控える。もし、とるなら食後に少し」といったことにも、気をつけているそうです。

 

今回のレシピ担当はまさみさん。低脂肪高タンパク質の鶏ひき肉を使用し、食物繊維の豊富なえのきだけをたっぷり加えたハンバーグを紹介してくれました。


↑えのきがたっぷり入ることでボリュームもアップ

 

「糖質や脂質を抑えようとすると、どうしてもこぢんまりした、ちょっと寂しい料理になってしまいがちです。そこで、きのこを加えることでかさ増し。食べ応えが出て、満足度が高くなります」(まさみさん)

 

 

低脂肪の鶏肉×食物繊維豊富なきのこ。調味料も低糖質に

 

鶏肉とえのきだけは相性抜群! 大根おろしとポン酢でさっぱりと。暑くてちょっと食欲がないという日も食が進み、鶏肉でしっかり良質なタンパク質を摂取できます。また、しょうゆや砂糖を使った照り焼きよりも糖質カット&減塩になります。

 

鶏ときのこのハンバーグ

【材料(2人分)】

鶏ひき肉:150g
えのきだけ(石づきを取り、長さ1cmに切る):1袋(200g)

 

A
溶き卵:1/2個分
パン粉:1/4カップ
水:大さじ1
塩:小さじ1/4
こしょう:少々

 

サラダ油:大さじ1/2

大根おろし(軽く水気を絞る):正味200g分
かいわれ大根(根を切り、長さ半分に切る):1/2パック
ポン酢しょうゆ:大さじ1

 

 

【作り方】

①ボウルに鶏ひき肉、えのきだけ、Aを加え、粘りが出るまで練る。2等分して空気を抜き、小判形に整える。

 

②フライパンにサラダ油をひき、強めの中火で熱する。①を並べ、両面を計2〜3分こんがり焼く。水(大さじ3・分量外)を加え、ふたをしてごく弱火で8分ほど蒸し焼きにする。

 

③皿に盛り、大根おろし、かいわれ大根をのせ、ポン酢しょうゆをかける。

 

 

 

撮影/砂原 文 取材・文/瀬戸由美子

 

MyAge

大人のからだバイブル vol.1 「更年期と閉経、私の場合。」

OurAgeの人気記事が1テーマムックに!
何度も読み返せる保存版OurAgeです。

MyAge
試し読み Amazon Kobo 7net

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消

今すぐチェック!

暑い夏の洗濯が「ラク」ってどういうこと? 絡まりからもシワからも解放される画期的な新提案

暑い夏の洗濯が「ラク」ってどういうこと? 絡まりからもシワからも解放される画期的な新提案

supported by 花王
<前の記事

<前の記事
第1回/91歳の料理家、小林まさるさん「料理は最高の“頭の体操”だよ!」冷蔵庫の食材で一…

次の記事>

次の記事>
第3回/料理家・小林まさるさん、91歳。認知症予防のカギは「歩く」「ながら脳トレ」そして…

この連載の最新記事

みんなの笑顔の中心にはいつも「おいしい料理」。家族や親しい仲間が集まる日に作りたい、簡単で豪華見えする『手巻きピビンパ風』レシピ

第6回/みんなの笑顔の中心にはいつも「おいしい料理」。家族や親しい仲間が集まる日に作りたい、簡単で豪華見えする『手巻きピビンパ風』レシピ

91歳の料理研究家・小林まさるさんのモットーは「年だから…なんて思わずどんどんチャレンジ!」疲れた時につくるのが『豚バラ肉の黒こしょう焼き』

第5回/91歳の料理研究家・小林まさるさんのモットーは「年だから…なんて思わずどんどんチャレンジ!」疲れた時につくるのが『豚バラ肉の黒こしょう焼き』

料理研究家・小林まさみさんは食べて更年期不調を撃退。サバ缶を使った『タイ風サバカレー』のレシピも紹介

第4回/料理研究家・小林まさみさんは食べて更年期不調を撃退。サバ缶を使った『タイ風サバカレー』のレシピも紹介

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル