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疲れたときのとっておき「超簡単 参鶏湯(サムゲタン)」/おうちでできる薬膳レシピ

薬膳と聞くと特別な食材を使う、少し難しいイメージがあります。でも、身近な食材だけでも十分に作ることができるそう。私たちが日常的に食べている食材を、季節や体調を考慮して組み合わせるだけでOK。そんな、毎日続けられる簡単薬膳レシピを、薬膳料理研究家の谷口ももよさんに伺いました。

【教えていただいた方】

谷口ももよ
谷口ももよさん
薬膳料理研究家
公式サイトを見る
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国際中医師、国際薬膳調理師、一般社団法人「東洋美食薬膳協会」代表理事、「世界中医薬学会連合会」理事、一般社団法人「日本豆腐マイスター協会」理事。 「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材で簡単でおいしい薬膳レシピを提案。ヘルシーな豆腐や野菜を中心にしたベジ料理にも精通している。料理本のアカデミー賞といわれるグルマン世界料理本大賞にて、2015年『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』と2017年『べジ薬膳』で健康料理部門グランプリを受賞。日本における薬膳料理研究家の第一人者として、TVや女性誌などのメディアでも幅広く活動中。6冊目の新著『女性の100の不調を整える薬膳と漢方』(エクスナレッジ)が10月15日発売。 谷口ももよ先生 新刊書影    

 

毎日の食事で不調は改善する!

「私が薬膳を始めたのは、自分が体調をくずしたことからでした。もともと不整脈があり心臓にも不安を持っていましたが、当時ちょうど、二人目の子どもを出産したあとで、めまいが続き、治療法も見いだせないでいました。そんなときに出合ったのが薬膳でした。

 

もともと、料理は好きだったので、毎日食べている身近な食材で体調が整えられると知り、これなら実践できると思ったのです」(谷口ももよさん)

 

薬膳とは中国伝統の医学である「中医学」の理論に基づいた食養生です。薬膳と聞くと、普段使わない特別な食材を使うイメージで、少しハードルが高いと思われがちですが、家庭でできる薬膳は思いやりの料理。その日の体調や気候を考慮して、身近な食材をいかに組み合わせるかを考えて作るものです。

 

「東洋医学の考え方では、陰陽のバランスのよいことが体調のよさを示し、体調が悪いのは体を巡る『気・血・水』の3つのバランスがくずれることが原因と考えます。なんとなく気が重いのは気の巡りが滞っている状態=『気滞(きたい)』、貧血ぎみなら血の不足=『血虚(けっきょ)』、むくみやすい場合は水の代謝不調=『水滞(すいたい)』といった具合です。

 

すべての食材には、体を温めたり冷やす効果があり、こうした『気・血・水』を整える働きがあります。その食材の特徴を知っておくと、季節による体調不良や、自分や家族のプチ不調を考慮した食事を作ることができます」(谷口ももよさん)

 

疲れたときの滋養強壮に「超簡単 参鶏湯」

薬膳レシピ 1回 参鶏湯 

「参鶏湯は韓国の伝統的な家庭料理。風邪をひいたり、疲れや冷えを感じたとき、夏の暑さや冬の寒さをしのぐために一年中食べられています。本場では丸ごとの鶏肉に高麗人参やなつめ、香味野菜、もち米などを入れて煮込みます。

 

丸ごとの鶏肉や高麗人参となると、食材を調達するのが難しくなりますが、今回紹介する「超簡単 参鶏湯」は鶏の手羽元と干ししいたけ、なつめを一緒に煮込むだけ! たったこれだけで、食材から出るだしの旨味と少量の塩味で、十分に滋味深いおいしい料理になります。

 

鶏肉や干ししいたけ、なつめは疲労回復効果が高く、冷房と夏の熱気の温度差などで生じた寒暖差疲労にもよく、体の中からじんわりと整えてくれます」

 

 

【薬膳ポイント】

薬膳レシピ 1回 なつめ

なつめ 

ビタミンやミネラルが豊富で、体を温め、胃腸の調子を整えます。血と気を補う効能があり、夏の疲れをはじめ、貧血や精神的な不調、更年期など女性特有の症状にも効果が期待できます。1日3個食べると医者いらずといわれています。。ドライフルーツのようにそのままでも食べられますが、皮が硬いものもあるので、鶏肉と煮込んだり、お茶とともに煮だして食べるのがおすすめです。

 

 

【材料/2人分】

骨付き鶏手羽元:4本

なつめ:2個

干ししいたけ:2個

水:500ml

塩:少々

 

【作り方】

① 干ししいたけは水でもどし、軸を取る。

② 鍋に鶏手羽元、①とそのもどし汁、なつめを入れて30分以上弱火で煮込み、鶏肉が柔らかくなったら、塩で味を調える。

 

「胃腸にもよいので一年中おすすめのスープです。なつめはとても栄養価が高い食材なので、この機会にお試しください。もしなつめがない場合は、疲れによい山いもを入れるのもおすすめです。夏はオクラを入れてもよいですよ」

 

 

撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子

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