しその爽やかな香りを利かせて食欲アップ!
猛暑でついつい冷たい飲み物やスイーツなどに走りがちですが、こんなときこそ、薬膳で体の中から体調を整えたいものです。
(薬膳については第1回参照)
「そんなときは、しその葉の清涼感のある香りと、キャベツのシャキシャキとした食感を利かせた水餃子がおすすめです。しそには体を温める効果があり、キャベツに含まれるキャベジンという成分は胃腸薬にもなっているほど、胃粘膜を修復する成分があります。
また、豚肉はタンパク質源であり、体液を補って、腎を健康に導きます。しょうがの辛味成分は体を温めて、新陳代謝を高め、胃腸の調子を整えてくれます。
たれに使った梅干しも、胃腸を温め、消化促進、食欲増進、疲労回復の効果が高く、夏場のお助け食材のひとつです」(谷口ももよさん)
しその葉としょうが、梅の風味がさっぱりとして食欲をそそり、水餃子にすることで、ツルツルの食感でいくつでも食べられます!
【薬膳ポイント】
しその葉
透き通るような香りが魅力の薬味野菜の代表株。薬膳的には体を温めながら、気の巡りをよくする効果があります。胃腸の不快感を取り、食欲アップにも! 最近は花粉症やアレルギー症状にもよいといわれています。刺身のつまにもよく使われるように、抗菌作用もあるので、夏場には多用したい食材のひとつ。
【材料 2人分】
豚ひき肉 100g
キャベツ 2、3枚
しょうゆ 小さじ2
しょうが(すりおろす) 少々
ごま油 小さじ2
塩 少々
こしょう 少々
しその葉 約10枚
餃子の皮 12枚
酢 適量
梅干し 適量
【作り方】
1 ボウルに豚肉を入れ、そこに塩、こしょう、しょうゆ、すりおろしたしょうが、ごま油を加えて混ぜ、しっかり練り上げる。
2 キャベツをみじん切りにし、塩少々(分量外)をふりかけて少しもみ、水気を絞る。
3 ①に②を入れて混ぜ合わせる。
4 餃子の皮に半分に切ったしその葉をのせ、③の餃子の種を入れて包む。
5 ④を 沸騰した湯でゆで、浮き上がってきたらザルにとって水気をきる。
6 ⑤を皿に盛り、残りのしその葉をせん切りにしてのせる。
7 たれはしょうゆ適量(分量外)と酢を1:1で合わせ、たたいた梅干しを加える。
「具のひとつとして、半分に切ったしその葉を使用しています。嚙むたびに爽やかな香りが口の中に広がります。梅だれのすっきり感とともに、夏場の疲れた胃腸に優しい一品です」
【教えていただいた方】
国際中医師、国際薬膳調理師、一般社団法人「東洋美食薬膳協会」代表理事、「世界中医薬学会連合会」理事、一般社団法人「日本豆腐マイスター協会」理事。 「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材で簡単でおいしい薬膳レシピを提案。ヘルシーな豆腐や野菜を中心にしたベジ料理にも精通している。料理本のアカデミー賞といわれるグルマン世界料理本大賞にて、2015年『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』と2017年『べジ薬膳』で健康料理部門グランプリを受賞。日本における薬膳料理研究家の第一人者として、TVや女性誌などのメディアでも幅広く活動中。6冊目の新著『女性の100の不調を整える薬膳と漢方』(エクスナレッジ)が10月15日発売。
撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子