季節の野菜で、栄養とアクセントを暮らしにプラス
引き続き新型コロナウィルス対応で、ロックダウン中の毎日です。
ニューヨーク州は、感染者の少ない北部は自宅待機命令が解除される地域が出てきていますが、マンハッタンはまだまだのようです。6月初めにはもうちょっと出かけられるようになりたいですが、どうなることやら。ですので、今も歩いて行けるスーパーマーケットで買い物するか、宅配を頼むかのいずれかです。
そんな中で小さなことですが、季節の野菜を取り入れることは、日々の暮らしのアクセントとして大切なことだと感じています。スーパーマーケットで手に入りやすい季節の野菜の1つに、パクチーがあります。アメリカではパクチーとは言いません。シラントロ、またはコリアンダーと呼ばれています。
日本ではアジア料理での利用が多く、タイ語由来の「パクチー」という呼び名に馴染みが深いようですが、中国語では香菜(シャンツァイ、シャンサイ)、英語のコリアンダー、スペイン語のシラントロなど各地の呼び名があり、各地の料理で使われています。馴染みの薄かった日本でも今や欠かせない食材ですね
パクチーは、肌と粘膜を健康に保つビタミンAを特に多く含んでいます。ビタミンAが不足すると免疫機能が低下し、粘膜上皮の乾燥などから感染症にかかりやすくなるとか! 特に今の時期は、努めてとるべき栄養素ですね!
パクチーは血液凝固を手助けするビタミンKも豊富ですし、ビタミンCと鉄も比較的多く含んでいます。ビタミンCと鉄はタンパク質と共に、コラーゲンを形成する上で不可欠な栄養素ですので、私は常日頃から意識してとるようにしています。
パクチーの爽やかさを引き立てるのは、レモンやライム。今回ご紹介するレシピでも、いずれかを使うご提案をしています。ライムは日本では手に入りにくいこともあるので、ない場合はレモンを使ってくださいね。
生パクチーのドレッシングやソースで、普段のメニューが様変わり
私の好きなパクチーの食べ方の1つは、細かく刻んでサラダのドレッシングに混ぜることです。こちらはトマト、紫玉ねぎ、セロリ、コーンを合わせた、彩りのきれいなサラダです。ドレッシングはオリーブオイル、アップルサイダービネガー(りんご酢)、塩胡椒を混ぜ、そこに刻んだパクチーを混ぜてサラダの具に合わせましたが、オイルもビネガーもお好みのものを使うことで大丈夫です。ビネガーの代わりに、レモン汁やライム汁もあいますよ。サラダの具は赤ピーマンやキュウリ、ひよこ豆などを混ぜても美味しく出来上がります。
トマトの赤、コーンの黄色、セロリの淡い緑に、ドレッシングに混ぜたコリアンダーの濃い緑とで、品よくカラフルに。レモンやライムをドレッシングに使い、白身魚のお刺身と一緒にマリネすると、南米由来の人気メニュー「セビッチェ」風に!
パクチーをたっぷり使ったソースは、知っておくと便利なお勧めソースです。パクチーは茎も入れて刻んで水気をとった状態で1カップより少し多いくらいの分量をフードプロセッサーに入れます。オリーブオイル1/3カップ、ライム汁(大きめのライムの場合で)1個分、にんにく1かけ、塩小さじ3/4を加えてどろどろにします。これを焼いた鶏肉、豚肉、ビーフステーキ、海老、イカなどにかけると美味しいんです!ライムが効いた爽やかな味がたまりません!たっぷりかけて召し上がってくださいね。
目にも鮮やかなグリーンが嬉しい。食卓がとてもおしゃれになります。アクセントに使ったパクチーが余ったときなどにも、大量消費できて便利!
人気のファラフェルを、パクチーで斬新に。ノンフライでさらにヘルシーに
ニューヨークでは、ファラフェルと呼ばれるひよこ豆ベースの小さな丸いコロッケのような食べ物をよく見かけます。ピタパンに野菜と一緒に挟んで食べたり、何かソースをつけて食べたりすることが多い中東の食べ物です。私が時々つくるのは、パクチーをたっぷり入れたファラフェル風お焼き。ニューヨークでよく見かけるファラフェルは揚げてあるのですが、ノンフライでよりヘルシーに仕上げています。
小麦粉のおやきとは違う、サクッとした歯ごたえと香ばしさが魅力。スパイスの複雑な香りもまた良し。スパイスや具を変えてアレンジしても楽しい
水煮したひよこ豆3/4カップをフードプロセッサーで細かくします。そこにみじんぎりにした玉ねぎ小1/4個、茎も入れて刻んで水気をとった状態のパクチーひとつかみくらい、アボカド1/2個、カレー粉大さじ1/2、クミン少々、ターメリック大さじ1、卵1個、ヨーグルトまたはサワークリーム1/5カップ、粗く砕いたナッツ(ここではピーナッツですが、アーモンドや胡桃でも)大さじ3、塩、胡椒を加えて混ぜました。お好みで他のスパイスを加えていただいてもいいと思います。
食べやすい大きさにまとめて、ココナッツオイル(なければオリーブオイルやベジタブルオイルでも)をしいたフライパンで両面焼き色をつけ、中まで火が通ればできあがり。この量で12個くらいできます。
ひよこ豆は水煮のものを購入してもいいですが、私は乾燥豆を水に一晩つけておいて、それを圧力鍋で水煮します。ひたひたよりやや多い水を入れて、蒸しもの用の網をかぶせ、最初は強火。シュウシュウいってきたら弱火にして3分、火を止めたら10分蒸らし、蒸気を抜いてできあがりです。乾燥豆1カップが水煮すると2カップ+3/4カップに増えますので、乾燥豆から用意される場合は、そのことを覚えていらしてください。
食べる時、ニューヨークのレストランですと何かソースが添えられてくることが多いのですが、家ではライム汁またはレモン汁をかけるだけで、より手軽にヘルシーにいただいています。前のレシピで紹介したソースをつけても美味しいです。よろしければお試しくださいね。