夏に楽しみな野菜の1つに茄子があります。和食、イタリアン、中華、タイ、インドなど、幅広い料理に使えるのが嬉しいですね!茄子の皮の紫色は、抗酸化物質のアントシアニン系ポリフェノールが含まれていることを示しています。ですので、私は茄子はなるべく皮ごと食べるようにしています。茄子はまた、体内の余分なナトリウムを排出して高血圧を防ぐ手助けをしてくれるカリウムも含んでいます。
ファーマーズマーケットでは、日本の茄子に近い細長い茄子が見かけられます。実際これらは、「Japanese eggplant」の名前で売られていることが多いです。ファーマーズマーケットでは、白ナスや小ナス、丸い形をしたオレンジのナスなど、珍しい茄子も出てきます。
丸くないものが「ジャパニーズ」なのか、ふつうの茄子と、日本でいうと「長ナス」くらいの細長いものが交じっています
スーパーマーケットでは、「Italian eggplant」の名前で売られているこちらの茄子が重宝しています。日本の茄子より太く短いのですが、日本の茄子の代用になりやすい茄子です。
こちらはイタリアン。確かにイタリア料理でも茄子は人気食材。オリーブオイルによく合います
スーパーマーケットで最も一般的に手に入るのは、一番大きい米ナス。最初に見た日本人は、その巨大さに驚き、「いったいどうやって食べるの?」と思う方が少なくないのではないでしょうか。
日本で見る米ナスより、さらに大きくこんもりとした丸さ。日本の茄子の3本分~はありそうなボリューム感です
茄子は揚げたり焼いたり炒めたり、調理方法もいろいろ考えられますね。でもずっと火に向かっていることは、夏の間はなるべく避けたいもの。そんな時、私が重宝しているのがローストです。ローストなら、オーブンやオーブントースターに放り込んでおけば、ずっと火に向かっている必要がないので楽ですし、ローストしている間に他のことができます。そこで今回は、私が茄子をローストしてどのように活用しているか、特に簡単に活用できる方法をご紹介します。名付けて、「茄子のロースト、3段活用」! 3品のうち、チーズを使ったもの以外はビーガンです!
パープルとグリーンでまとめたら、茄子がこんなに大人っぽくシックに
まずは、大きな米ナスを使った、米ナスとアボカドのミルフィーユ仕立て。 茄子とアボカド、どちらもまったりとしたとろみが持ち味ですが、茄子はローストして外側がカリっと香ばしく内側がとろり、アボカドはクリーミー、というそれぞれ別のとろみの組み合わせが絶妙です。
濃いパープルとグリーンだけでまとめたシックなアペタイザーです。米ナスが手に入らなかったら、普通の茄子を斜めにスライスして重ねてみてもいいと思います。その場合は、茄子の表面積が小さくなる分、ローストする時間を20分くらいで
米ナスは1センチくらいの厚さにスライスし、両面に塩を軽くふって10分くらい置いてあく抜きをします。茄子が汗をかいたように表面に水分が出てきたら、ペーパータオルで軽く押さえながら水気をとります。その後、再度塩胡椒を軽くふり、オリーブオイルをまんべんなくまぶします。パーチメントペーパーかノンスティックのアルミフォイル、あるいはアルミフォイルをくしゃくしゃにして広げて凹凸をつけたものをトレイにしき、茄子を並べて摂氏200度のオーブンで30分ローストします。
ローストしている間にアボカドの中身をくり抜いて、つぶします。レモン汁、みじん切りにした玉ねぎとシシトウ、塩胡椒を少しずつ混ぜました。レモン汁と玉ねぎは、アボカドの色の変色を遅らせてくれます。シシトウのピリッとした辛みは、味に程よいパンチをきかせてくれました。お皿にローストした茄子のスライスを1枚置き、アボカドミックスをのせて、その上に茄子、そして残りのアボカドミックスをのせます。写真の一人分でアボカド1個分です。上にミントの葉っぱと黒オリーブを飾りました。
茄子はオーブンで焼くだけ。トッピングでさわやかに、華やかに
茄子の皮の美しい色をより見せるなら、こちらの1品はいかがでしょう。焼き茄子は和食にもありますが、トマトとバルサミコを使ったイタリアン風ローストも、味わい深くて見た目も華やかです。
カラフルな色のコントラストがとてもきれい! なるべくシェーブルチーズを使うことをお勧めしますが、手に入らなかったら、カマンベールチーズかブリーチーズを冷蔵庫で冷やした状態で小さめに切って代用してもいいかと思います
茄子はヘタを取り、太さによって4等分、または8等分に縦に切ります。塩をふってあく抜きをしてオーブンでローストするまでは1品目と同じですが、この場合は皮面を下にしてローストします。焼いている間にトマト2分の1個を角切りにします。茶こしかザルなどに入れて軽く水気を切ったら、小さな器に入れてバルサミコビネガーをかけてしばらく漬けておきます。茄子のローストが終わったら皿に盛り、トマトをのせます。その上に細かく砕いたシェーブルチーズ(ゴートチーズ)をかけ、最後に刻んだパセリをトッピング。パセリの代わりにバジルもあいます。シェーブルチーズが、味のバランスにとてもいい仕事をしてくれます。
ところで、茄子のキャビアという料理をご存知でしょうか。フランスでは「貧乏人のキャビア」というちょっと不名誉な言われ方をされているようですが、上手につくればなかなか後をひく味に仕上がります。何故「茄子のキャビア」と言われるようになったのか、名前の由来ははっきりしないのですが、もしかしたら茄子の種のぷちぷち感をキャビアのようだと思った人がいたのかもしれません。果肉のとろっとした食感も味わいがあり、スプレッドやディップとしてさまざまに使えます。
果肉だけなので見た目は地味ですが、味わいは深くまろやか。 ラタトゥイユのように前菜にしたり、白身魚に添えても
これはどんな種類の茄子でもできます。皮は使わず、身だけを使います。塩をふってあくを抜くところからオーブンでローストするまでは前出の2品と同じですが、前出の2品より柔らかくなるまで火を通したいので、必要に応じて時間を10分ほど延長したり、1品目のようにスライスした場合は途中でひっくり返して両面を焼くようにしてください。
焼けたら皮から中身だけをスプーンやナイフでこそげ出します。小鍋に入れ、そこに、大きめの茄子1本に対し、みじん切りにしたニンニク1かけ、粗みじんに切ったトマト2分の1個、黒オリーブ5個を加え、弱火と中火の間くらいの火で炒めます。木べらがあれば、それでつぶしながら塩胡椒も加え、茄子の塊がつぶれて水気がなくなるまで炒めて火を止めます。粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やします。
これをスライスしたバゲットにのせてオープンサンドにすると、なかなか美味しいです。炭水化物控えめにされている方は、2~3センチ幅に切ったパプリカの上にのせるのも一案。みじん切りのバジルを最後に散らすと、見た目きれいな朝ごはんまたはブランチを引き立たせてくれる1品が出来上がります。
☆オンラインクッキングクラスのお知らせ
コロナが広がって自宅待機が始まってから、オンラインでクッキングクラスをするようになっております。次回(日本時間で7月25日午前8時半~9時半)は、また別の茄子料理、「揚げない茄子のカポナータ」を紹介します。カポナータで使う茄子は通常揚げますが、オイリーなことが気になり、揚げないでつくる独自に考えたレシピです。今まで何度もつくってきていますが、つくりたても室温でも冷やしても美味しく、いつも大好評です。その日は他に、「自家製オイルサーディン」「カレー風味のサバの揚げ焼き」「セビーチェ」をします。参加ご希望の方は、私のブログ「YOSHIKOlicious beauty」内にあるメールアドレスより、詳細お問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。