美味しさと滋養強壮+免疫強化の相乗効果!ファーマーズマーケットには初夏の旬を迎える笑顔がいっぱい
ニューヨークのファーマーズマーケットでは、毎年初夏になると「今年もこの季節がきたね!」とニューヨーカーたちが笑顔になる人気の野菜があります。それは行者ニンニク! 英語ではrampといいます。行者ニンニクを求めてお客さんたちがつくる行列は、この時期のファーマーズマーケットならではの光景。ファーマーズマーケットでは、らっきょうのような形をした鱗茎(りんけい)つきで売られていることが一般的です。郊外で自生している行者ニンニクを食べている友人は、新たに成長するように鱗茎の上からカットしてくるそうです。
行者ニンニクは、疲労回復や滋養強壮、強力な抗菌・殺菌効果のあるアリシンを、ニンニク以上に含んでいます。山にこもる修行者たちが食べて滋養をつけたことから「行者ニンニク」と呼ばれるようになったそうですから、なるほどと頷けますね。抗酸化作用があって免疫力を高めるベータカロテン、骨にカルシウムが沈着することを助けるビタミンKも多く含んでいます。味も美味しいので、旬のうちにいろいろ試してみましょう。
白、紫、緑のコンビネーションが目を引くお洒落な行者ニンニク。1束5~7ドルが一般的です
フライパンで焼くだけ。究極のシンプル・ディッシュが美味!
行者ニンニクが手に入ったら、まず試してみたいのは、シンプルなグリルです。アリシンは、油で調理すると成分そのものが壊れにくくなるとか!嬉しいですね!グリルパンに薄くオリーブオイルをしき、葉っぱの部分が焼けすぎないようにときどきひっくり返しながら、鱗茎が薄く色づく程度に焼きます。鱗茎が大きい場合は、切り込みを入れて火が通りやすくするといいでしょう。鱗茎がなければ、葉っぱがくたっとしてきた段階で早めに火を止めてくださいね。お皿にとって、塩胡椒とレモン汁だけをかけるのがスタンダードのようですが、ここでは粒マスタードを少し混ぜたレモン汁をかけてみました。シンプルですが、一度は試してみたい食べ方と思います。
滋味深い行者ニンニクのヴィーガン・スープ。白みそとポテトだけでシンプルに!
行者ニンニクのきれいなグリーンを生かしたスープも捨てがたいですね! こちらは、行者ニンニクの味をなるべくそのまま味わえるようにと思い、使った食材はポテトと白みそだけなんです。
ポテトは皮をむいて適当な大きさに切り分け、ひたひたより少し多めのお湯で柔らかくゆでます。行者ニンニクは15茎くらい使います。鱗茎部分がついていたら、そこだけカットして、それもポテトと一緒に茹でます。ポテトが柔らかくなったら、行者ニンニクの葉と茎を加え、しんなりしたら火を止めて、白味噌大さじ1を加えます。熱いうちにブレンダーでどろどろにしますが、量が多いと吹きこぼれますのでご注意ください!ブレンダーの4分の1か5分の1くらいの量に留めて、必要であれば何回かに分けてブレンダーにかけてくださいね。
鍋に戻して温め直し、その間にトッピング用の行者ニンニクをさっとオリーブオイルかココナッツオイルでソテーします。お皿にスープを注いで、ソテーした行者ニンニクをのせたら出来上がり。新緑の季節にふさわしい、美しいグリーンのスープができました。ちなみに、アリシンは細胞を壊すことによって発生するため、刻んだり潰したりすることでさらに効果的にアリシンを得られるそうです。従って、ブレンダーやフードプロセッサーを使うことは理にかなっていると言えます。
残ったスープを冷蔵庫に入れて、翌日冷製スープとしていただきましたが、それも美味しかったです
松の実と一緒にペストにすれば、パスタに、和え物に、大活躍!
行者ニンニクのペストもよくみられます。その場合、パスタにあえることが多いのですが、炭水化物を控えめにしたい今日この頃、パスタの代わりに、そうめん状に千切りにしたイカをあわせてみました。
イカは15センチくらいの長さの胴体を2はい、エンペラをはずして細く切ります。それを沸騰した湯に入れて数秒でざるにあげ、白ワイン、レモン汁、塩を混ぜたものに漬けておきます。このやり方は、最近行ったキューバ料理のレストランで教えていただきました。そのレストランでいただいたセビーチェのイカがとっても柔らかかったので、どうしているのか聞いたら、前述の説明をしてくれたのです。私は、白ワインとレモン汁大さじ2杯ずつに塩を少し加えました。よろしかったらお試しくださいね。
ペストの方は、行者ニンニク5茎くらい、細かく切ってから湯通し程度に塩ゆでし、水気を切ります。それにオリーブオイルとレモン汁各大さじ1、塩胡椒、松の実大さじ1を加えてフードプロセッサーで混ぜます。汁気を切ったイカにこれを和えて、出来上がり。レモン味が効いた、さっぱりして美味しいアペタイザーができました。これ、お勧めです!