ボンジョルノ!こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
少しずつ日が長くなってきましたが、お変わりありませんか。
今日は、自宅のお風呂を効果的に使うアクアセラピーについて紹介していきます。
<ヨーロッパのアクアセラピー>
ヨーロッパのSPAと言うと、フランスやイタリアの豪華なホテルや施設を
連想する方が多いかも知れません。
ただ現在に続くアクアセラピーという点では、
ドイツのクナイプ療法の存在が大きいといえます。
実際、日本の温泉入浴の中で紹介されている“交互浴”という入浴法も、
クナイプの水治療法の考え方がベースになっています。
自らの体験の中から、より洗練され体系化された理論を確立していったクナイプは、
1821年ドイツに生まれた神父であり自然療法士です。
定期的な運動や健康的な食事、そして心のバランスに注目し、
今でこそ当たり前となりつつある、ホリスティック(全体論的)な考え方の先駆者でした。
クナイプ療法の中で行われるアクアセラピーの中には、
専門的な機械や設備がなくても実践できるものが幾つかあります。
今日は、私たちが自宅のお風呂でヨーロッパのSPAを再現・体験できる入浴法を
幾つか紹介していきますので、興味のある方は一度試してみて下さい。
<アクアセラピーの基本 -緩やかな温度刺激―>
クナイプのアクアセラピー効果は、温冷や強弱など様々な水の刺激によって
体の自然治癒力が強化されるという理念に基づいて構成されています。
水による刺激が血液循環を活発にし、それによって体の代謝が活発になり、
体の中が浄化されるという考え方です。
手軽に始めるなら休日の朝、自宅のシャワーを使って試してみましょう。
日本の場合、木造住宅からマンションまで住宅事情も様々ですし、
色々なタイプのお風呂があります。
特に今は冬場ですので、脱衣所やバスルームをしっかり温め、
温度差によるヒートショックには十分注意して下さいね。
自宅でのセルフトリートメントには側に付いていてくれるセラピストがいませんので、
上半身はセーターやカーディガンを羽織って、
ボトムスは短パンというスタイルで始められるのをおすすめします。
大切なことは自分の体のペースや体調に合わせて、無理をしないこと。
クナイプ療法のホテルでも実践されていますが、
朝食の前後に、水分をしっかり取ってから始めることがポイントです。
<朝のアクアセラピー -自分の体に聴きながら足先から―>
(ステップ1)
まず右足から、足首より下の足先に冷たいシャワーをかけます。
ゆっくり3秒ほど数えます。
次に、左の足先(足首より下)にも同じように冷たいシャワーをかけます。
こちらもゆっくり3秒ほど数えます。
続いて、シャワーを少し熱めのお湯に変えて、右の足先に3秒ほどシャワーをかけます。
その後、左の足先にも熱めのお湯を3秒ほどシャワーし、温めます。
(ステップ2)
次に右足の膝から下に、水のシャワーをかけます。
ゆっくり3秒ほど数えます。
続いて左足の膝から下にも水のシャワーをかけます。
こちらも同じく、ゆっくり3秒ほど数えます。
そのあと再びシャワーを熱めのお湯にして、
右ひざ下から3秒ほど温め、次に左ひざ下も3秒ほどシャワーで温めます。
(ステップ3)
最後は太もものあたり。
右脚から3秒ほど冷水でシャワーし、その後左の太ももを冷水でシャワーします。
仕上げに、温かなお湯で今冷やした右足の太ももの方からシャワーします。
右足が終われば、左の太ももをシャワーで温めます。
朝のコースはこれで終わりです。
右足から順番に、足先から少しづつ太ももに向かって、
温冷交互にシャワーしていくのがポイントです。
また基本、太ももより上には水もお湯もかけませんが、
寒いと感じるときには最後に改めて温かなお湯で
体全体をしっかり温めてからバスルームを出て下さいね。
<バランスの良い生活 ―心と体を結ぶ―>
クナイプは、バランスの取れた生活には、定期的な運動、健康的な食事、
それに心のバランス(平穏)が必要だと考えていました。
クナイプ療法では、こうしたアクアセラピー(水療法)のほかに
植物療法(ハーブ)、運動療法、食事療法(栄養)、
バランス(規則正しい生活リズム)に着目した様々なセラピーコースがあります。
既にコロナ禍に突入して丸2年が過ぎ、
ひと月先の予定すら立てにくい状況が続いています
でも、そんな時だからこそクナイプの提唱するキーワードを意識し、
暮らしのリズムを整えてみる。
休日に自宅で始めるアクアセラピーは、小さな変化かも知れませんが、
朝のゆったりした時間と軽やかなSPAの体験が、
心を穏やかに整えてくれると思います。
日々の暮らしの中で、自分で自分に何か楽しい仕掛けをしていきたい冬の季節です。