猛暑のNYを抜け出して、涼しいメキシコシティで食三昧の夏休みを堪能!
NYの夏は今年も猛暑。早く逃げ出してバカンスを、と思いはふくらみますが、今夏のアメリカは、コロナによる自粛などがなくなったものの航空運賃が高騰。しかも今回のバカンスは、日程の都合でひとり旅。と、行き先に悩んでいると「メキシコシティなら女性ひとりでも旅慣れていれば大丈夫よ」と友人から勧められて、メキシコシティに行くことに決めました。
メキシコ料理にも興味津々! 現地でのフードツアーやクッキングクラスも予約をして、一路、南西へ!
ニューヨークからメキシコの首都、メキシコシティまでは、飛行機で約5時間。実はここ、富士山の五合目と同じくらいの標高があり、8月初めの朝は摂氏13度、日中も25度くらいまでしか上がらず、実に過ごしやすい街です。メキシコシティに出かけてきたのですから、やっぱりいろいろ試したいのはタコス! 素材もシンプルで、野菜も一緒に取れるし、よく使われるアボカドもライムも、美容に良いビタミンが豊富です。そこで、あくまでも私の一体験談ですが、本場のタコスレポートを試みました。ご参考になりましたら幸いです!
タコスは、ストリートのあちこちにある屋台、そして市内に319もあるというマーケット(市場)から高級レストランまで、いろいろなところで食べることが可能です。
ストリートのあちこちに、大衆的なタコスの屋台があります。どこもお客さんがよく入っていました
現地のタコスは、具材もバリエーション豊富。大きなすり鉢状の入れ物に入った緑のソースはアボカドでつくった辛いサルサソースで、メキシコシティではワカモレより多く見かけました
高級店ではエレガントなタコスにも遭遇!
一方、こちらは大使館や高級ブランド店が多いメキシコシティの高級住宅地、「ポランコ」にある高級レストランのPujol.
こちらのおかませテイスティングコースは、趣向を凝らした新感覚タコスのオンパレード。アワビのスライスがのったタコスは、厚みのあるトルティーヤにのってでてきました。
あわび(!)がのったタコス、高級レストランならではですね
こちらはチョリソを詰めた細長い玉ねぎがのったタコスです。
この形の玉ねぎはニューヨークでも手に入るので、中に何か詰める手法は真似してみたいと思いました
トルティーヤもいろいろな色のものが出てきました。デザートは、氷の上にトルティーヤをのせて、その上にマンゴーのアイスクリームをのせたタコス。このレストランは、盛り付けに本当に凝っていました。ナプキンはお客さんへのプレゼント。デザートはガーデンに移動して食べたりと、ホスピタリティーも素晴らしかったです。
デザートはこちらのガーデンで。空間もゆったりとして優雅な気分に
最後の晩に行ったレストラン、Los Danzantesでタコスを頼んだら、揚げたタコスを美しく重ねた形で出てきました。中身はマグロですが、ポークバージョンもありました。ちょっと春巻き風? ワカモレが間に挟まれていて、味も美味しいし、見た目もきれいでした!
このレストランは、2人の地元の方々に勧められたところで、美味しく雰囲気も良かったです!
お店の外観。手前は、道路に張り出した屋外席です。
コヨアカンという、ちょっとボヘミアン気分のエリアにあります。フリーダカーロ美術館から徒歩圏内です
旅の楽しみ、クッキングクラスでも「タコス」を極める!
あちこちで食べるのも楽しみですが、せっかくなので、タコスの「皮」である「トルティーヤ」の作り方を教えてくれるクッキングクラスにも参加しました! 通常はグループレッスンですが、みんながビーチに出かける季節ということもあって、生徒は今回私ひとり! プライヴェートレッスンでラッキー!(笑)。クラスと言ってもレストランの一角。先生はスペイン語で教えますが、主宰の方が英語に通訳してくれました。作って食べて1時間半で53ドル。初めに渡されたエプロンは、お土産としてプレゼントもしてくれるという心遣いも嬉しいクラスでした。
レッスンを順を追ってご紹介。黄色っぽいのは、トウモロコシを茹でて作った「マサ」というタネ。ここまでにするのに24時間かかるのだそうで、メキシコではこの状態で市販されてもいるとか。左の白いものは「マセカ」というトウモロコシの粉です。私はコクのあるマサの方が気に入りました。
マサとマセカは、それぞれ水を加えてこね、耳たぶよし少し硬いくらいにします
適量を手に取って、ヒビが入らないように丸めてから平らに伸ばします
ねばりのないトウモロコシ団子をきれいに平らに伸ばすのには、ちょっとコツが必要。器具を使う方法と手でつくる方法、両方を何度も練習しました
伸ばしたものを鉄板で焼きます。うまく広げたものは、焼くと膨らむのだと聞いて、「ちゃんと膨らむかしら?」と少し不安になった私。両面を焼くので先生は手で裏返しますが、いかにも熱そうで怯えていると、先生がほとんど返してくれました(笑)。
縁の色が変わったら裏返して、と言われましたが、タイミングをつかむのが意外と難しくて。不安な気持ちが表情に出ていますね(笑)
クラスの後は、用意された具から3種類ずつ選んで、自分のつくったトルティーヤで巻いて食べました。
ポークとパイナップル、パクチーをあわせた具をボリュームたっぷりに載せたものが特に美味しかったです!
ここでレシピです!
日本でできるだけ簡単に、この手作りタコスを家で食べる方法を考えてみました。
トルティーヤは、コーン製のものや、小麦粉ベースのフラワー・トルティーヤも含め、輸入食材店やネットなどで出来上がったものが手に入りますよね。いずれも食べる前に軽く焼いてくださいね。ネットでは「マサ」らしきものも手に入るようなので、頑張って作りたい方は私のクラスの写真を参考にチャレンジされてみては?
具材のポークは、ソテー肉をBBQソース(チリソースなどメキシコの香辛料が入っているソースがあればより良い)などでマリネしてから焼き、細切りにします。それを好きなだけトルティーヤに載せ、生のパイナップルを加えて、さらした玉ねぎとコリアンダーを散らします。
トッピングを楽しみたい人は、ワカモレ(トマトや玉ねぎを小さめのサイの目に切り、つぶしたアボカドの果肉とコリアンダー、辛いのがお好きな方は青唐辛子かハラペーニョもプラス、を混ぜて塩こしょうし、ライムかレモンを絞ったもの)や、同じ組み合わせからアボカドを除いた材料を和えたサルサソースを添えて食べれば、現地気分いっぱいに!
いろいろ食べた末のマイ・ベスト・タコスは、フードツアーでもイチオシの、これ!
というわけで、高級店から庶民的な店、そして手作りまで、いろいろなタコスを試してみましたが、味の点で、今でも「あれ、美味しかった! 自分でもつくってみたい!」と思っているのは、マーケットで食べた庶民的なタコスです。
着いた翌朝から参加したフードツアーで「ここのタコスが市内で一番美味しい」と連れていかれたところがやっぱりベストでした。下の写真のお店です。向かって左側に山と積まれているのは、スライスしたリブアイビーフです。
大きなマーケットの一角にあったお店。ただついて行ったので、1人では行けません(苦笑)
リブアイビーフを焼いたものをトルティーヤにのせて渡されます
2枚ずらして置かれたトルティーヤの上に、無造作に置かれたリブアイビーフ
この後は、自分で好きなトッピングを加えていただきます。私は刻んだトマトとタマネギに緑のサルサソース。このサルサソースはアボカドでできているそうですが、結構辛く、ワカモレとはまったく別物でした。
この上にライムを絞って食べました
この、なんともカジュアルなタコスが、私には一番美味しかったんです! フードツアー主催者たちがイチオシするだけのことはあると思いました。
ニューヨークで売られているリブアイビーフは通常、ステーキ用の厚いものですが、薄切りのものを探して自分でも作ってみたいと思いました。クッキングクラスの試食タイムでもリブアイビーフを細かく刻んだ具があり、美味しかったです。ニューヨークでは見たことがない、こういう野趣あふれるタコスは、本場ならでは、と思いました。
日本で作るなら、すき焼き用の牛肉くらいがちょうどいい厚さかもしれません。オイルを薄くしいて熱したフライパンで肉をさっと焼いて軽く塩こしょうしたものを、焼いたトルティーヤに載せて、刻んだトマト、玉ねぎ、スライスまたはマッシュしたアボカドを加えて市販のメキシコのチリソースやサルサソースをかければ出来上がり。その上からライムを絞れば、さらにメキシコ気分! なければレモンか、ボトルのライム果汁でも十分です。
日本からメキシコシティまでは少し遠いかもしれませんが、メキシコの味ならすぐに楽しめますよね。材料さえ揃えば、意外と簡単ですし、具材はなんでもアリ! この夏はさっぱりしたメキシコのビールとタコスで、少し早い時間から陽気なディナーなどはいかがでしょう?