アメリカでの呼び名は「バターナッツ・スクワッシュ」
ヒョウタン型が可愛い、かぼちゃの仲間の新顔は、甘さがうれしい秋の人気野菜!
ニューヨークのファーマーズマーケットには、さまざまな種類の「スクワッシュ」が並んでいます。
スクワッシュとはかぼちゃの類を総称した言葉で、日本のかぼちゃもズッキーニもスクワッシュと呼ばれることがあります。
秋はやっぱりかぼちゃタイプのバリエーションが豊富です。
種類がいっぱいで、どれを使うか迷います!
その中で、バターナッツスクワッシュ=バターナッツかぼちゃは、日本でも急激に普及が進んでいるのか、身近なスーパーなどでも見かけられるようになっているようですね。
ヒョウタンのような形がなんとも可愛いです。
スーパーマーケットでも売られていますが、ファーマーズマーケットで売られているものは土がちょっとついていて、いかにも畑から直送されてきた感じがします。
ちなみに、ファーマーズマーケットでは、バターナッツスクワッシュを小さくしたようなハニーナッツスクワッシュも見られます。バターナッツスクワッシュも結構甘いのですが、ハニーナッツスクワッシュはさらに甘みがあります。
下側がバターナッツスクワッシュ、上段右端がハニーナッツスクワッシュです
バターナッツかぼちゃは日本のかぼちゃとはまた違う、ちょっとナッツのような香りがあり、甘みがあります。
ただ、甘いわりにかぼちゃよりねっとり感が少なく、さっぱりしているので、かぼちゃが苦手な人でもバターナッツかぼちゃなら食べられるという人がいるのではないでしょうか。
バターナッツかぼちゃはビタミンA、ビタミンC、ベータカロチンなどが豊富で、カボチャより小ぶりで扱いやすく、しかも日持ちするのが有難い!
「でもどう使ったらいいの?スープはつくったことあるけど、他に思いつかない」
という方のために、今回は、スープ以外の簡単な料理法をご紹介します。
シンプルにローストしてひと味加えるだけで、見た目も味も「しゃれた」1品のできあがり!
こちらは、バターナッツかぼちゃのローストです。とっても簡単でしかもお洒落に見えるので、お勧めです!
バターナッツかぼちゃはきれいに洗って皮ごと大きめのサイコロ状にカットします。もしも皮に傷があれば、そこだけ切り落としてください。塩胡椒とオリーブオイルをまぶし、摂氏175度に熱したオーブンかオーブントースターで20分くらいローストします。
竹串をさして中まで柔らかくなっていることを確認して、お皿に盛ります。その上に細かく刻んだ胡桃、そしてパセリをトッピング。
簡単ですが、彩りの美しさで、おもてなしのアペタイザーにもなる季節感あふれる1品です
もうひと手間で、バターナッツかぼちゃと野菜のディップに展開も簡単!
このローストにもうひと手間加えただけで、ディップもできます。これがまた、美味しいのです。
柔らかくローストしたバターナッツスかぼちゃを、フードプロセッサーで好みのマッシュ状にします。フライパンに刻んだニンニク少々とオリーブオイルを入れて弱火で熱し、細かく切った玉ねぎ少々を加えて炒めます。玉ねぎが透き通ったら、食べやすい長さに切ったほうれん草を加えて混ぜます。ほうれん草に火が通ったら、マッシュにしたバターナッツスクワッシュを流し込み、とろけるチーズを加えて全体に馴染むように混ぜます。
かくし味に、最後にメープルシロップもちょっと入れるのがお勧め! 味見して塩気が足りなかったら、チーズを少し足してください。
私は「乳製品不使用のチーズ」を使いましたが、お友達にお出ししたら「美味しい!」と喜ばれました。スライスした黒パンをあわせていますが、もちろんクラッカーでもいいでしょう。秋のホームパーティーにピッタリだと思います。
たくさんつくってベーキングディッシュに入れ、オーブンで焼き色をつければ、グラタンのようにも食べられます。その場合は、玉ねぎとバターナッツかぼちゃの割合を少し増やしてください。チーズが多過ぎると塩辛くなり過ぎるので、味見をしてからオーブンに入れてくださいね。
ほうれん草を入れることで、色のコントラストもきれいになります
季節の変わりメニューに、バターナッツかぼちゃのパスタはいかが?
先日あるイベントに出店していたピザ屋さんが、「バターナッツかぼちゃのピザ」を出していました。どんなふうに使っているのか聞いたところ、トマトソースの代わりにバターナッツかぼちゃを使っているとのことでした。そうであれば、パスタソースとしてバターナッツかぼちゃを活用することも可能ではないかと思い、つくってみたのがこのメニューです。
秋の特別メニュー、「バターナッツかぼちゃソースのパスタ」です。
バターナッツかぼちゃは同様に大きめのサイコロ状にカットします。多めの1人分または少なめの2人分であれば、バターナッツかぼちゃの細いところ10~12センチくらいの量が目安になります。
塩胡椒とオリーブオイルをまぶし、摂氏175度で20分くらい、中まで柔らかくなるまでローストします。
ローストしたバターナッツかぼちゃをフードプロセッサーに入れ、トマトの水煮大さじ4~5、生のローズマリーがあれば大さじ1くらいを加えてどろどろにします。
パスタを茹でている間に、フライパンに少し多めのオリーブオイルとスライスしたニンニクを入れて弱火にかけます。ニンニクがうすく色づいてきたら、水で戻して種をとって小口切りにした鷹の爪(生の唐辛子でももちろん大丈夫)を加えて混ぜておきます。パスタは気持ち固めに茹であがった段階でザルにとって水を切りますが、この時ゆで汁をちょっととっておきましょう。ソースと絡めるときに、全体の馴染みがよくなります。
先ほどのフライパンに、パスタとゆで汁少々、バターナッツかぼちゃとトマトのミックスを入れ、全体にソースがからむように混ぜ合わせて出来上がりです。
つまりは、ペペロンチーノをつくって、最後にどろどろにしたバターナッツかぼちゃとトマトのミックスを混ぜただけなのですが、なかなか美味しかったです!
辛いものが苦手な方でも、これなら甘みもあって食べやすいでしょう。もちろん、お好みで辛さは調節できますしね。
いつものペペロンチーノに飽きたら、こんなアレンジ料理もいいのではないでしょうか。
バターナッツかぼちゃの塊が少し残っていると、食感が楽しめます。唐辛子を効かせたピリ辛甘い味が私は好みです