毎月必ず発生する費用を見える化して管理できれば、自分の課題や問題がはっきりし、漠然とした不安は解消されるはずです。ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんに詳しくお伺いしました。
教えてくれた人
山中伸枝さん
Nobue Yamanaka
ファイナンシャルプランナー。FP相談ねっと代表、一般社団法人公的保険アドバイザー協会理事。わかりやすい説明で、個人相談のほか講演会やメディアでも活躍。『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)『「なんとかなる」ではどうにもならない 定年後のお金の教科書』(クロスメディア・パブリッシング)など著書多数
家賃や食費など日常の生活費を把握する
「まずは日常生活費の月平均額を出します。住居費や光熱費などは銀行引き落としかクレジットカード払いが多いと思うので、通帳やカードの明細書をそのまま活用してしまいましょう。
食費や日用品も、カード払いならその合計額を、銀行から現金を下ろして支払っているなら、引き出し額を記すだけでかまいません。
それらを『現在の支出平均額』に記載し、並びに『リタイア後の予想支出額』を書き込みます。
教育費や車関連など、不要になる費目も出てくるので、そちらは0円に」
すでに毎月赤字という人は、支出のスリム化を目指して。光熱費や通信費は安いプランに乗り換えるなど、固定費の見直しは必須です。
「食費やお小遣いがオーバーぎみなら、予算を決め、その範囲内で使う練習をしてください。お金の使い方は習慣。老後になれば自然に減るというわけではないので、今のうちに意識して変えていくのが大切です」
●「使うお金」のワーク
日々家計簿をつける必要はなく、費目ごとに概算合計額を記載すればOK。光熱費のように月によって大きな差が出るものは、1年間の支出をベースに1カ月の平均額を求めて
イラスト/サンダースタジオ 取材・原文/村上早苗