【お話を伺った人】

教員を経て、2019年に株式会社パセリに入社。入社後はSEO対策を中心としたWEBマーケティングに従事。専門サイト「日本語教師ナビ」のサイト担当者などを経て、現在は資格総合サイト「BrushUP学び」を中心にオウンドメディアを活用したWEB施策・PR活動の全般に携わる。教員免許(小・中・高)、ITパスポートなどの資格を保有。趣味は草野球とひとり旅。
40代、50代女性が注目する「誰かの役に立つ資格」
資格を取りたい人のための「学び」の情報を紹介する資格情報総合サイトBrushUP学びは、年間ユーザー数950万人。常時300の資格、2500の講座を掲載しています。
三宅:BrushUP学びでは、閲覧しているユーザーが「もっと詳しく、講座の具体的な内容について知りたい」と思ったときは、サイトから講座の資料を請求することができます。
そして、資料請求のフォームには「ご意見欄」があり、その資格に興味を持った理由などのコメントを自由に書いていただいています。
こうしたものを読むと、60歳以降も働きたいと考えている40代、50代の女性は、仕事に対して求めるものとして収入だけではなく、「仕事を通して誰かの役に立ちたい」「社会の中でやりがいを持って活動したい」といった思いを持っている方が多いと感じます。
また、40代、50代女性の最大の強みは、これまで社会や家庭で培ってきたさまざまな経験。こうした経験を生かしながら、社会に貢献できる資格・仕事が人気です。
ともに暮らすペットの高齢化が進む昨今、需要が高まる「動物介護士」
「動物介護士」は動物が好きで、動物のシニア期の過ごし方に関する知識を深めたいという方におすすめの資格です。
人間社会と同様、近年は人と一緒に暮らす犬や猫の高齢化が進んでいます。こうした動物の高齢化を背景に人気が高まりつつあるのが動物介護士。シニア期の動物のお世話をするのが仕事です。飼っている犬や猫が高齢になり、若い頃とは違うケアが必要になったのでその知識を身につけたい、ということで学び始める人が多いようです。
資格取得にあたっては、動物の食事・運動・排泄のサポート、住環境の整え方、病気の対処法、薬の飲ませ方など、動物の高齢期のケアについて総合的に学びます。
働く場所としては、動物病院やペットホテルのほか、最近では、ケア体制の整った動物介護サービスの施設も登場していて、シニア期の犬や猫を介護できる人材の需要が高まっているといわれています。
こうした施設で働くために、動物介護士の資格が必須というわけではありません。
しかし、資格を持っていることは、動物のケアに関する専門的な知識を有する証しになりますので、求人応募の際にアピールすることができるでしょう。
■動物介護士になるには…
動物の介護に関係する資格に国家資格はなく、以下のような民間資格がいくつかあります。
・ペット介護士
(群馬県のドッグコミュニティーパーク「世界の名犬牧場」と通信講座大手の「がくぶん」による資格)
・動物介護士
(一般社団法人 日本ペット技能検定協会)
・老犬介護士
(一般社団法人 日本キャリア教育技能検定協会 )
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家庭的な保育で多忙な親をサポートする「チャイルドマインダー」
チャイルドマインダーとは、イギリス発祥の少人数保育のスペシャリスト。1~4人程度の少人数保育を実施する知識やスキルを持つ証しとされています。
チャイルドマインダーの保育の特徴は、家庭的な温かさを大切にしながら、子ども一人一人の個性を尊重して保育を行うこと。
資格取得にあたって学ぶのは、子どものしつけや発育、情操教育など保育全般について。
例えば、乳児期・幼児期の食事と栄養、子どもがかかりやすい病気やケガの応急処置など。0~12歳の子どもに関する保育知識を学びます。
子育ての経験を生かして若い世代の親をサポートすることができ、子ども一人一人とじっくり向き合える、やりがいのある仕事です。
チャイルドマインダーの働き方としては、主に以下の3種類です。
●開業する場合
<訪問型の保育>
保護者と契約して家庭を訪問し、保育を行います。
<自宅開業型の保育>
チャイルドマインダーの資格を持ち、少人数の子どもを預かる託児施設を開業する人もいます。
●施設に勤務する場合
<施設での保育業務>
少人数保育を行っている公的・民間施設や企業内の託児所などで働く人もいます。また、認可保育施設で働くためには保育士の資格が必須ですが、保育士の資格を持っていなくても「保育補助」のスタッフとして働くことは可能です。
こうした形で働く際、チャイルドマインダーとしての知識を生かすことができるでしょう。
■チャイルドマインダーになるには…
チャイルドマインダーの国家資格はなく、民間の資格になります。
チャイルドマインダーの資格を取るには、以下のような団体の養成講座を受講し、試験に合格する必要があります。
・NCMAジャパン
・チャイルドマインダージャパンⓇ
よりよい生き方と人生のエンディングをサポートする「終活アドバイザー」
終活とは、相続に関する書類を作成したり、遺言を書いたり、葬儀やお墓に関する希望を家族にわかるようノートにまとめるなど。人生のエンディングを迎えるにあたって必要となる準備を行うことをいいます。
また、最近ではこうした人生の締めくくりを想定した準備を行うだけでなく、自分の人生を見つめ直し、自分らしい生き方について考えることで、残りの人生をより充実させるという、自分らしいエンディングを迎えるための前向きな活動として捉えられています。そして、こうした終活をする人に、専門知識を持って的確なアドバイスをし、ライフプランの設計をサポートするのが終活アドバイザーの仕事です。
終活アドバイザーになるために学ぶことは、資産・不動産の管理、相続、高齢期の医療・介護、葬儀やお墓などについての専門知識。そして近年話題の「エンディングノート」の書き方についても学びます。
「エンディングノート」とは、プロフィールや自分史をまとめたり、もしものときのために家族や親しい人に伝えたいことを記したりするノートのこと。エンディングノートを書くことで、自分の考えをまとめることができるので、終活の軸となる大切なものです。
終活アドバイザーは、高齢者と接する機会の多い医療・介護福祉の業界で仕事をしている人や、金融・保険業界、葬儀業界で働いている人などが、スキルアップにつなげるために取得することが多いようです。また、自身の終活や身近な人へアドバイスができるようになるために資格を取得するという人もいます。
■終活アドバイザーになるには…
資格の名称は団体それぞれに異なりますが、終活のアドバイス・サポートをする資格としては以下のようなものがあります。
・終活アドバイザー(終活アドバイザー協会)
・終活ガイド(一般社団 法人終活協議会)
・終活カウンセラー(一般社団 法人終活カウンセラー協会)
・終活ライフケアプランナー(一般社団法人 日本能力開発推進協会)
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三宅:ここで紹介した3つの資格は、いずれも一般的にはまだあまり知られていないでしょう。しかし、現代社会のニーズにマッチしていることから、今後、より注目が集まりそうです。興味がある…という人は、ぜひチェックしてみてください。新たな学びにトライすることで、これまでとは違う自分に出会えるかもしれません。
写真/Shutterstock 取材・文/瀬戸由美子