「食」のトレンド10
trend5 ハイカカオ
ポリフェノールを中心としたチョコレートの健康機能が注目されていますが、なかでもカカオ70%以上のハイカカオには女性にうれしい美容と健康効果もあるとか。
究極のハイカカオは
カカオそのものを食べること
ハイカカオといえば、配合率の高いカカオに油脂や乳脂肪分、砂糖を加えて加工したチョコレートのことをおもにいいますが、極めていくと、脂肪や糖分を入れない、本来のピュアでナチュラルなカカオの味わいに行きつきます。
[写真上]
フォンダンカカオの原材料がコレ
パチャママで扱うペルー産カカオは、余計な脂肪分が一切入っていない純粋なカカオのかたまり。カカオの味と香りをダイレクトに伝えるべく、小麦粉はまったく使わず、これに水、バター、卵、きび砂糖、カカオパウダーを加え写真下のパウンド型のケーキに仕立てます
[写真下]
「パチャママ」のフォンダンカカオ
ペルーのアマゾンで栽培された無農薬のクリオロ種カカオを100%使用。生カカオのようなリッチ感と爽やかな酸味が魅力。味は濃厚なのに実に軽やか。カカオがフルーツであることを実感。155×65×45㎜¥3,000
実はチョコレートよりカカオのほうが健康にいいのだそう。
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チョコレートよりピュアな
カカオこそ健康にいい
太田哲雄さん
Tetsuo Ota
料理人として、イタリア、スペイン、ペルーで通算10年以上の経験を積み、2015年帰国。現在は三軒茶屋のレストラン「NATIVO」で腕を振るうかたわら、料理教室を開催。カカオビジネスを手がける「パチャママ」を立ち上げる
「チョコレートに含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、血圧を低下させ、動脈硬化のリスクを軽減することは広く知られています。さらには最近、カカオ豆に含まれるカカオプロテインが食物繊維やオリゴ糖と同じ働きをし、整腸に効果があることも期待されているんです」と帝京大学の古賀仁一郎教授。
近頃、スーパーフードとして注目されるカカオですが、はるか昔は薬として扱われていたと話すのは、料理人としてカカオの可能性に注目している太田哲雄シェフ。
「カカオはチョコレートの原料だと思われていますが、カカオ自体はフルーツ。もっといろいろな使い方ができるはずです。ペルーでカカオ農園を訪ね、加工過程でカカオそのものを食べたとき、それだけで十分おいしいと思いました。チョコレートのように余計な糖分や油脂分が入っていないのでピュア。だからこそ体に馴染むし、健康にもいい。これからはカカオを食べる時代になると思います」
大きさも形もラグビーボールのようなカカオの実。
その種(カカオ豆)を焙煎して砕いたカカオニブ、そのまわりの皮、皮を取り除いたカカオニブをすりつぶし、脂肪分が溶け出したカカオペースト(カカオマス)から一定の脂肪分を取り除いたカカオパウダー。奥のふたつはそれを固めたもの。
フォンダンカカオの洗練されたパッケージは初代のネイビーからグリーン、現在のピンクへと進化。贈り物にも最適。
次回はおすすめのハイカカオの商品をご紹介します。
撮影/鈴木正美(studio orange) 取材・原文/和田紀子