コレステロール値の低下、老化防止、更年期症状の軽減、美容やダイエットにもいいなど、豆腐はまるでスーパーマンのような存在。
豆乳、豆乳からできるゆば、豆乳を絞ったときに残るおから……。どれも、豆腐を作るときにできるものです。大豆の栄養素がたっぷり含まれた魅力的な食材に注目しましょう。
豆乳
豆乳と呼ばれるものには3種類あります。大豆を絞り、水分以外は加えていない「成分無調整豆乳」。JAS 規格で、大豆固形分が8%以上と決められていますが、豆腐作りには「成分無調整豆乳」と表示された中でも大豆固形分10〜12%以上のものを使いましょう。ほかは、砂糖や塩などを加えた「調整豆乳」、コーヒーや果汁などで味をつけた「豆乳飲料」。どちらも飲みやすいので、豆乳初心者の飲料としておすすめです。
ダイエットに効果的と人気なのが豆乳ソフトクリーム。カフェでは、ソイラテがすでに定番に。プリンなどのデザートも種類が増えてきました。
ゆば
豆乳を加熱したときにできる膜を、竹串などで引き上げたもの。「引き上げゆば」と呼ばれます。もともと精進料理の材料として作られ、古くから、京都や、大津、日光、身延といった門前町で製造されてきました。関西のゆばは「湯葉」と表記し、端から引き上げるので1枚、関東は「湯波」と表記し、真ん中から引き上げるので2枚折り。生でそのまま食べるか料理するほか、関西は乾燥させて干しゆばに、関東は揚げることが多いようです。ゆばにも、地域性があるんですね。
豆乳からなら家庭でも簡単に作れます。京都では、膜ができる前に、やわらかなかたまりを汲み上げたものを「汲み上げゆば、つまみゆば」と呼びます。
おから
おからはタンパク質と食物繊維の宝庫であり、しかも低カロリー。何に混ぜても違和感がなく、カサもあっておなかがいっぱいになるので、最高のダイエットフードといえます。昔は豆腐屋さんが無料でくれたものでしたが、今はスーパーなどで安く売られていますので、積極的に使ってほしい食材です。油揚げ、にんじん、しいたけなどと炒ってから甘めに煮つける「うの花」のほか、ハンバーグやコロッケに、ケーキやクッキーなどにも。おから生活を楽しんでください。
おからを生地に混ぜて作ったドーナツ。揚げたては軽やかでくせがなく、おいしい。しかもカルシウムや食物繊維が十分にとれます。おやつにぜひ作ってみてください
大手スーパーでもおからが売られています。スープやサラダに混ぜてもおいしい。最近は、豆腐店の減少とともに貴重品になりつつあります。
次はおからを使用した料理をご紹介!
まるでクッキーのようなサクサク感
おからのお焼き風
■材料(4人分)
くるみ…………………………………30g
a
赤みそ………………………大さじ3
砂糖、みりん……………各大さじ2
b
おから………………………… 100g
小麦粉……………………………30g
塩……………………………小さじ¼
卵…………………………………1個
サラダ油…………………………大さじ2
■作り方
1 くるみはオーブントースターで香ばしく焼いてすりつぶします。
2 鍋にa を合わせて中火にかけ、木ベラで練り、ぽってりとしてつやが出たら①のくるみを加えます。
3 ボウルにbを合わせて手で混ぜます。なじんだら直径4㎝の円形に整え、中央をくぼませます。
4 フライパンにサラダ油を熱し、③を並べて中火で焼きます。焼き色がついたら返し、弱火にしてふたをして4~5分焼き、②をのせます。
次回、連載「豆腐の実力」の最終回は豆腐料理でよく使う手法をご紹介します。