素材を選ばない柔軟さと和・洋・中すべての料理に変身できる多様性。コレステロール値の低下、老化防止、更年期症状の軽減、美容やダイエットにもいいなど、豆腐はまるでスーパーマンのような存在。日本人に愛され続けてきた豆腐を、おいしくいただきましょう!
連載「豆腐の実力」は、今回が最終回です。
豆腐料理をつくるときによく使う調理手法をおさらいします。毎日でも食べたい豆腐の献立に、お役立てください。
●水きり
豆腐に含まれる水分を料理に合わせて適度に抜くこと。料理によっては水きりをしないでそのまま使う場合もあります(詳しい水きりの方法は「豆腐の実力」第5回を参照)。
●水気をふく
材料の表面の水分をふき取ること。カリッと香ばしい焼き色をつけて焼きたいときや揚げるときは、水気をふいておくことが大切なポイントになります。
●水気を絞る
材料の水分を絞り出すことで、豆腐の場合はふきんに包んでギュッと絞る究極の水きり方法。ただ、形がくずれるので、使う料理は限られ、白あえなどに向きますが、本書では異なる方法で水気をきっています。
●ひと煮立ち
ゆでたり煮たりするときに、材料を入れて沸騰しはじめた状態。特に豆腐は、強火で加熱を続けると形がくずれたりするので、「ひと煮立ちしたら火を弱める」など、この用語はよく使います。
●炒り煮する
少ない水分で材料を炒めるように混ぜながら、水分がなくなるまで煮る方法。いり豆腐では欠かせないテクニックです。
豆腐料理の手法、次のページに続きます。
●豆腐に味を含ませる
煮汁を豆腐に浸透させ、味をなじませること。表面が煮汁の色に染まり、豆腐がやや締まった状態になります。
●すが立つ(入る)
きめ細かな素材の中に小さな穴ができて口当たりが悪くなること。茶碗蒸しでおなじみの用語。豆腐も、必要以上に煮たりゆでたりすると、水分が出て中に気泡が入りますが、これを「すが入る」といいます。
●なめらかにすりつぶす
豆腐をペースト状にすること。すり鉢でねっとりとするまですりつぶしたり、泡立て器やミキサーなどを使ってすりつぶします。もめんと絹ごしではすりつぶしたときの状態が異なり、前者はややもったりした感じ、後者はクリーミーなヨーグルト状になります。
●豆腐をつぶす
すりつぶすほどなめらかにする必要がない場合は、豆腐をボウルに入れて手でつぶす方法が簡単です。絹ごしの場合は、これだけでもかなりなめらかになります。
●豆腐をほぐす
包丁で切らずに、手でちぎるようにして小さく分ける方法。表面が凹凸になり、中の水分が出やすくなります。また、これを煮ると、味がしみやすくなります。
●食べやすい大きさに切る
「食べやすい」とは「ひと口で入る」大きさ。一般に細切りの場合は、長さ3~4㎝、角切りも1辺を同様の長さにすれば大丈夫。