NYのベジ・レストランで話題のお粥に注目
アーユルヴェーダの「キッチャリー」でデトックス!
美&元気のための新しい食や工夫を、いち早く取り入れるのが上手なニューヨーカー。
今回の話題は、アーユルヴェーダスタイルのお粥。NY在住のエディター・黒部エリさんに詳細をレポートしてもらいました。

アーユルヴェーダの健康哲学が
盛り込まれた粥クレンズとは?
最近NYの健康コンシャスな人たちの間で広まってきたのが「キッチャリー」です。これはアーユルヴェーダの哲学に基づいて作られた粥のこと。
NYでは昨年末に初めてアーユルヴェーダにのっとったベジタリアン料理店「ディヴィヤズ・キッチン」がオープンしました。アーユルヴェーダは病気を予防し健康を維持する予防医学の立場をとり、ことに食を大事にする医食同源の考え方を基本としています。ドーシャ(体質)のバランスをとるのが重要とされ、食材にはプラーナ(生命力)が通っていると考え、食事では甘酸塩辛苦渋という6種の味をそろえます。シェフでオーナーのディヴィヤさんはアーユルヴェーダの食とヒーリング法を修得。そこで家庭でもできるアーユルヴェーダ食のコツを伺いました。
「まず新鮮な季節の食材を用いること。水煮の豆など缶詰は除外します。前日の作り置きは使わずに、作ったものは4時間以内に食べること。毎回新鮮なものを作るのが基本です。食事は少量ずつ何度かに分けて食べるほうが好ましく、また消化を促すために食事中はあまり水をとらず、氷もとらないこと。温かい飲み物をおすすめします」
ターメリックやしょうがをたくさん用いるのも特徴です。なかでも米と豆や野菜を煮た粥、キッチャリーは消化器官を休めるためのもの。ヨガを究める人たちもこれだけを1〜3日間食べて解毒するキッチャリー・クレンズをよく実践するそう。というのも、キッチャリーに入る豆にはアミノ酸がたくさん含まれており、空腹に苦しむことなく、心身を安らかにできるのが特徴。味に深みがあり、食後も体が重くなるといったことがありません。さすがアーユルヴェーダの知恵です。

1 キッチャリーは白米と豆や野菜を煮た粥のこと。豆は乾燥したものをもどして利用します。消化しやすいように、ディヴィヤさんは米とキヌアを半々に。白米とキヌア、赤レンズ豆と皮なしのムング豆(緑豆)¼カップずつに、2カップの刻んだ野菜が基本材料。鍋に湯を沸かして材料を入れ、ターメリックパウダー、ココナッツオイル、しょうが、チリ、塩を加え、時折かき混ぜながら30分煮ます。盛りつけてバジルやライムなどを添えます。

2 オーナーシェフのディヴィヤ・アルターさん。アーユルヴェーダの食とヒーリング法を修得して、アーユルヴェーダ料理の教室も行っています。
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3 ディヴィヤさんのアーユルヴェーダ料理本。『what to eat for how you feel』(どんな気持ちになるために何を食べればよいのか)。アーユルヴェーダでは体質ごとにとるべき食材が異なり、またバランスや組み合わせを重視します。

4 人気メニューであるラザーニャ。いわゆるインド料理ではなくても、アーユルヴェーダの法則に沿っていればイタリアンもできます。

5 奥はスペルト小麦のクラッカーとアボカドのディップ。キッチンで使う粉は、すべて店内で挽いています。手前はサマーボウル。赤米と黒米、そしてパクチョイを添えたもの。酸っぱい緑のソースをあえて食べます。

6 お茶の役割が大きいのも特徴。店の一角で、アーユルヴェーダ食材や種類豊富なお茶類を販売しています。

7 レストランはシンプルでモダンな雰囲気。
Divya’s Kitchen
ディヴィヤズ・キッチン
DATA
25 1st Avenue, New York, NY 10003 TEL+1 212 477 4834
x11:30~22:00(土・日曜は11:30~15:00、17:00~22:00)
㊡月曜 http://divyaskitchen.com/
撮影/加藤里沙 取材・原文/黒部エリ



