近頃、スーパーでよく目にする発芽野菜のブロッコリー スプラウト。カイワレ大根くらいしか目にしなかった20年くらい前に比べて、レッドキャベツやマスタード、豆苗など、発芽野菜も実に種類が増えましたね。中でもブロッコリー スプラウトは、スーパーフードとして最近特に注目されています。
そもそもブロッコリー スプラウトって何でしょうか? スプラウトは「新芽」という意味で、ブロッコリー スプラウトは、つまりブロッコリーの新芽というわけです。
ところで、スーパーで「ブロッコリースーパースプラウト」というパッケージで売られているのを見かけたことはありませんか? 他にも「ブロッコリー スプラウト」と書いてあるのも売られていたり。
「ブロッコリー スプラウト」と「ブロッコリー スーパースプラウト」、一体何が違うのでしょうか?
スプラウトを生産・販売している村上農園の発表会でお話を聞いてきました。
まず、ブロッコリー スプラウトは、発芽約1週間のものを指します。なんとなくカイワレ大根に似ていますよね。
それに対してブロッコリー スーパースプラウトは、発芽約3日のものなんです。どちらかというとアルファルファのような見た目ですね。
なぜそんな風に分けて販売されているのでしょうか。
次のページで、その理由をご説明します。
発芽約1週間のブロッコリー スプラウトと発芽約3日のブロッコリー スーパースプラウトでは、実は、その成長段階に応じて含まれるスルフォラファンの量が違うからなんです!
下記のスライドをご覧ください。
スルフォラファンは、ブロッコリーに含まれている有用成分で、体内の抗酸化作用や解毒作用を高める栄養素として注目されています。新芽の状態から、もくもくしたブロッコリーに成長するにしたがって、このスルフォラファンの量が著しく減ってしまうのだそうです!
そもそもブロッコリーだって栄養価が高いとされているのに、それ以上にもやしっ子のような新芽のほうがスルフォラファンを多く含んでいるなんて! ちょっと驚きですよね。
つまり、こういうことです。
ブロッコリー スーパースプラウト50gに含まれるスルフォラファンの量は、ブロッコリースプラウトでは150g、ブロッコリーでは1㎏も食べないと摂れないんです。1回の食事で、ブロッコリーを1㎏も食べるのはつらいですよね…。こんなにも違うとは、驚きですね。
しかも、スルフォラファンの濃度は、成長ステージだけでなく、品種や栽培方法などによっても異なるそうなんです。そもそもブロッコリー スプラウトは、米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部ポール・タラレー博士がガン予防研究の過程で開発したもので、村上農園では同大学とライセンス契約を結び、生産・販売を行っています。日本では唯一、米国大学公認のブロッコリー スプラウトを販売しているんですね。選抜されたブロッコリー種子を使用し、スルフォラファン含有量が一定以上含まれているか定期的に測定。つまり、スルフォラファンが確実にたくさん入っていますよ、という証明付きのブロッコリー スプラウトと言っても過言ではないわけです。
筑波大学・谷中昭典教授の最新研究によると、スルフォラファンを豊富に含んだブロッコリー スプラウトには以下のような可能性が。
・ピロリ菌の数を減少させ、胃炎を軽快させる。
・ピロリ菌によって引き起こされる可能性の高い、胃がんの予防効果が期待できる。
さらに、便通改善に効果がみられることもわかってきているそうです。なんと、トイレに座ってからお通じまでの時間が短縮される傾向があったそう!
発芽日数によってスルフォラファンの含有量が違うブロッコリー スプラウト。では、店頭で売られて日数が経っているものはスルフォラファンの量が減っているの?なんて疑問が浮かびますよね。それは大丈夫。パック状態で売られているものには、ほとんど変化はないそうです。
そして、さらに効果的にスルフォラファンを摂るには、生で、細かく刻んだりよく噛んで「細胞を壊して」食べることが大切だそう。解毒酵素の働きは3日間持続するそうなので、3日に1度は食べたいですね。もちろん毎日でもオッケーです。
いかがでしたか? ブロッコリー スプラウト、これからは積極的に食したいものですね。