駅舎喫茶、太宰弁当、乗ってオイシイ津軽鉄道~青森県・五所川原~
赤い屋根の可愛い駅舎がある津軽鉄道の芦野公園駅で途中下車したときのお話です。次の列車までは50分ほど。この時間がちょうどいいのです。その理由は、ホームから直接行けるこの「駅舎」は、喫茶店になっているからです。
中へ入ると、初めて来たのになんだか懐かしい感じ。「昭和の喫茶店をイメージしているんです。」あ。なるほど。まもなく、平成の時代が終わると、もう二時代前になってしまう昭和ですが、まさにOurAgeは昭和世代の真っただ中ですものね。昔の駅舎の建物をそのまま利用していますから、駅長室や、切符売り場などの名残りがあちこちに感じられて、とっても素敵な雰囲気なのです。
駅舎珈琲は450円、土壌からこだわって有機栽培された生豆をじっくり焙煎し、サイフォンで淹れるこだわりの1杯。せっかくなので、プリンセススイート500円も一緒にいただくことにしました。これが、なんと、驚きのおもしろさ。パンケーキをくりぬいて、中にプリンが潜んでいるのです。さくっ、ぷるんぷるん、とろーり。いろんな食感と味わいが交互にやってきます。
さて。紫陽花が咲く芦野公園駅のホームに、お待ちかねの太宰列車がやってきました。そういえば、この駅は、桜が有名でJR東日本のポスターになった駅。その時に吉永小百合さんがお立ちになって撮影した場所に黄色い足跡が記されているので、「さゆりポイント」に立って撮影するのをお忘れなく。気分は吉永小百合さんですから、エレガントにお願いします。
次ページに続きます。
津軽鉄道の旅ごはんのお楽しみは、予約制の駅弁。太宰治生誕100周年を記念した「だざい弁当」(1,100円)は、事前に津軽鉄道のHPから注文をしておいて、当日五所川原駅の売店で受け取れます。太宰治さんが大好きだった食材を中心に地元の料理屋さんの神家が手作りするお弁当です。青森産のもずく、茄子のしそ巻き、食用菊のまぜごはん、根曲がり竹の煮つけ、にしんとほたての煮つけ、数の子入りにしんきりこみ、そして、太宰さん一番の大好物だった蟹などなど、車窓の景色を楽しみながら味わいます。
ところで、津軽鉄道は本州最北端を走る民営鉄道なんです。津軽五所川原駅は、JR五所川原駅と接続しています。津軽半島を北上しておよそ40分ほどで終着駅の津軽中里駅に到着。本州最北の民鉄駅まで旅をしました。鉄道には津軽半島観光アテンダントさんが乗車していて、津軽弁で楽しく沿線を紹介してくれます。とってもありがたい駅名の「毘沙門駅」や、その駅を通ると幸せが訪れるという「ふこうだ駅」(深郷田)など、楽しい説明と個性あふれる無人駅のたたずまいに、ついついカメラを構えてしまいます。
途中の有人駅・金木駅では、運転手さんが円状のタブレットを受け取ります。これは日本の鉄道ではもう3路線しか行われていない貴重なもの。同じ線路を走る2つの列車が衝突しないように、タブレットをもっている列車のみが走るという仕組みだそうです。
おみやげは津軽鉄道オリジナルの「みそド」(みそドーナツ)。五所川原農林高等学校の味噌を使って地元のお菓子屋さん「自然菓子あるる」が2か月かけて開発した合作で、味噌がいい味を出してます。油で揚げていないタイプのしっとり系。ほうじ茶によく合います。
津軽鉄道株式会社
石井宏子
公式Website http://www.onsenbeauty.com
ブログ「地球まるごと温泉ビューティ®」http://ameblo.jp/onsenbeauty/
facebook・石井宏子 http://www.facebook.com/onsenbeauty