低カロリーでヘルシーなきのこ。じつは、さらにスーパーパワーが秘められているのです!
定番からニューフェイスまで各きのこの特徴を知ってフル活用!
古いものは味も栄養価も低いので、購入する際は必ず鮮度をチェック。笠に張りがあって水分の出ていないものを選び、早めに使いきって。
【ぶなしめじ(白)】
プリプリ食感ときれいな色が特徴
■笠が茶色いものよりも弾力があり、甘味が強いのが特徴。近年は、白いぶなしめじ同士を交配させた新品種がブナピー〈ホクト〉の名で広く流通。
■シジミに多く含まれることで知られるオルニチンを含む。オルニチンは肝臓の働きをサポートし、二日酔いの改善に効果的といわれている。
■加熱してから冷やすと、独特のプルッとした食感が引き立つ
【ひらたけ】
味がしみやすく肉厚でジューシー
■日本で古来、親しまれてきたきのこ。一時期、市場で見かけなくなったが、近年は復活傾向に。欧州産のヒラタケ属とかけ合わせた新品種(写真: 霜降りひらたけ〈ホクト〉)も人気上昇中。
■他のきのこに比べてビタミンB群が豊富。
■揚げ物、炒め物、汁物などに幅広く使える。クセがなく、独特のプリプリとした食感が楽しめる。
【ぶなしめじ】
手に入りやすく使い道もいろいろ
■ぶなの枯れ木や倒木などに自生するきのこだが一般に食べられるようになったのは、人工栽培されるようになってから。 「本しめじ」という商品名で流通していた時期もあるが、本来の「ほんしめじ」は別の種類のきのこで、栽培が難しいためほとんど流通していない。
■肝臓の働きをサポートするオルニチンが豊富。
■味にクセがないのでいろいろな料理に。
【はなびらたけ】
健康パワーと味で、注目の美人きのこ
■古くから世界各地で「幻のきのこ」として珍重されてきた。近年β-グルカンの健康効果が発表され、世界的な話題に。
■β-グルカンを多く含む食品のひとつ。
■コリコリの食感が特徴。昆布の旨味成分として知られるグルタミン酸を含み、嚙みしめるほど旨味が出てくる。熱を通すといっそう香りが立ち、苦味や渋味、アクが少ないので使いやすい。
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【えのきたけ】
きのこの中でも生産量ナンバーワン
■市場に出回っている栽培もののえのきは白いものが一般的。天然ものは茶色く笠も大きめ。近年は見た目が野生種に近いブラウンえのきたけも栽培されている。
■食事とともに摂取した脂質を体外に排泄するのをサポートし、吸収を抑える働きを持つ食物繊維の一種、キノコキトサンを含む。
■食べにくい場合や胃腸の弱い人は刻んで。
【エリンギ】
大きく切って歯ごたえを楽しむ
■ヨーロッパ原産のきのこ。日本では人工栽培技術が確立してから食卓に並ぶようになった比較的新顔。嚙んだときのコリコリとした食感が特徴。
■ナトリウムの排泄を促すカリウムや保湿成分のトレハロースを多く含む。
■繊維に沿って縦に裂くと歯ごたえがしっかりとあって満足度アップ。食べすぎ防止の効果大。シンプルなバターソテーがおすすめ。
【マッシュルーム】
かわいいルックスも料理に生かしたい
■世界各地で食べられているきのこ。フランスで食用栽培が始まり、その後、ヨーロッパ各国やアメリカに広がった。日本に入ってきたのは明治時代といわれる。
■旨味成分であるグルタミン酸を多く含む。ホワイト種、ブラウン種ともに栄養価はほぼ同じ。
■新鮮なものを生で食することもあるきのこだが、基本的には火を通して食す。
【まいたけ】
世界的に注目の健康成分を含有
■東北地方などの山中の老木に自生するきのこ。野生のものは大変稀少で、人工栽培によって一般に流通するように。
■まいたけにしか含まれない成分のMD-フラクション、MX-フラクションはβ-グルカンの一 種で、細胞の免疫の活性化や、血管・血液を健康に保つ効果があるとの研究結果がある。
■色をきれいに仕上げたい料理には白まいたけを。
まだまだあるきのこ! 次のページに続きます。
【なめこ】
独特のぬめりを生かして汁物に
■古くから健康食材として親しまれてきた。独特のぬめりが特徴。天然ものや原木栽培ものはぬめりが多く歯ごたえも強い。
■ぬめりに含まれる水溶性食物繊維は、糖の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を緩やかに。
■ごしごし洗うとぬめりに含まれる栄養が流れてしまうので、洗うなら軽くすすぐ程度に。汁物にするととろみがつき満腹感の得られる一品に。
【しいたけ】
干ししいたけは伝統的なだし素材
■欧米でも"shiitake"と呼ばれ、健康食材として人気が高い。
■しいたけに含まれるエリタデニンは血中のコレステロール値を抑え、動脈硬化や高血圧を予防する効果が期待される。ビタミンDは生より干したものにより多く含まれる。
■数時間日光に当てるだけで、香りもビタミンDもアップする。干す際にひだを上にして並べて干すと効果大。
【きくらげ】
薬膳にも多く使われる健康食材
■独特のプリプリとした食感が特徴。以前は、流通しているのはほとんどが乾燥品だったが、近年、生も出回るようになっている。生はより弾力性と歯ごたえがある。
■きくらげの中でもアラゲキクラゲは食物繊維とビタミン類を多く含む。血液を作る大事なミネラル、鉄分も多く含む。
■味や香りは少なく、食感を楽しみたいきのこ。炒め物、スープなどに。
次回からは、きのこの「作りおき」素材を使ったレシピをご紹介!
撮影/鈴木泰介 スタイリスト/サイトウレナ 構成・原文/瀬戸由美子