「主食」の大事さを改めて学んでいるミーナです。ベジタリアン料理、精進料理研究家のカノウユミコさんが提唱されている「植物を丸ごと食べて、自然のエネルギーを余さず摂取」ということ、確かに説得力ありますよね。元々味や食感が好みの玄米を、もっと食べてみようと思います。
「しっかり食べても太らず、パワフル! 」の秘訣を料理家に聞きました
賢い【主食】の選び方&とり方
近年、ご飯やパンといった穀物系メニューは、肥満が気になる女性からちょっと嫌われがちですが、本来穀物は、人間の活動のエネルギー源となる大切な主食。
食のプロは賢く主食を食べ、美と活力をキープしているようです。
ここでは、食のプロ3名の【主食】に対する考え方とおすすめレシピをご紹介します。
今回は、ベジタリアン料理、精進料理研究家のカノウユミコさんの、体をいたわる食事法をご紹介します。
穀物も野菜も丸ごと食べて
自然のエネルギーを余さず摂取!
高校生の頃から自然食に興味をもち、野菜や穀物を研究してきたカノウさん。
素材を生かして調理し、自然のリズムで食べる…。そのこだわりが、そのまま体をいたわる食事法になっています。
カノウユミコさん Yumiko Kano
profile
1963年生まれ。ベジタリアン料理、精進料理研究家。主宰する野菜料理教室は、全国から生徒が集まる。著書多数。NHKラジオ第一放送「すっぴん!」の毎週水曜日フードコート「やさい満載!再発見!」に出演中
微量栄養素たっぷりの玄米。
嚙みごたえがあるので食べすぎ防止の効果もあり
普段の食事は野菜や穀物など、植物性のものがほとんどというカノウさん。なかでも玄米のご飯は食事の6〜7割を占めているといいます。
「玄米は稲が育つための栄養がすべて詰まったエネルギーのかたまり。ひとつの完全体です。だから、主食が玄米だと、おかずがあまりいらないんです。季節の野菜や海藻、豆のおかずを少しずつ足せば十分!」
確かに白米は、精白によってビタミン、ミネラル、食物繊維の多くが失われるのに対して、玄米にはこれらが豊富。さらに、食後の血糖値上昇も緩やかで、肥満や糖尿病予防の効果があるといわれています。
しかし、カノウさんは食べ物を、こうした成分とその働きでとらえているわけではありません。大切にしているのは、植物を丸ごと食べることと、いろいろなものを食べること。それによって、おのずと人間の体に必要な成分をとることができるといいます。
「それは、食物にはまだまだ解明されていない成分がたくさんあるから。そういうものが微量ずつ入り混じって、体に働くのが自然の恵み、食の力だと思います」
玄米には少し抵抗があるという人には、消化しやすくて食べやすい、三分づきの米がおすすめとのこと。玄米とともに食べる季節の野菜。これも皮をむかずに調理し、丸ごとそのパワーを体に取り込んでいます。
自然との調和を大切に、
自分にぴったりフィットするオーダーメイドの食事を
カノウさんの一日は、朝、ストレッチをしながら、自分の体調をチェックすることから始まります。チェックポイントは空腹感と便通。このふたつは消化・吸収・排泄の機能がうまく働いているかどうかのバロメーターだとか。
「朝、便通がなく、空腹も感じないときは、朝食はとらず、白湯や梅醤番茶で胃腸を休ませます。体の声をよく聞いて食べるものを決めます」
カノウさんが日々食べているのは植物性のものが9割以上といいますが、それはあくまでもこうした食事が自分に合うと感じるから。
「人それぞれ、体は違います。自分のサイズにぴったり合うオーダーメイドの服がいちばん心地よいのと同じ。自分なりの食事法を見つけてください」
また、食べものを口にするのはできるだけ太陽の出ている時間帯に。夕飯は5時頃までにすませ、それ以降に食べる場合は極力軽めにしているそう。
そんな自然との調和を大切にするカノウさん。最近はセミナーに通い、100%オーガニックで種から野菜を育てるという農法を学んでいます。
「畑仕事は体を動かすという意味でもすごくいいですね。土に触れるのは精神安定にもよく、ホルモンの分泌促進にも効果があるそう。そのうえ、おいしいとりたての野菜が食べられる。私にとってはまさに最高の健康法です」
次回は、手をかけずにしっかり野菜がとれるメニューをカノウユミコさんに教えていただきます。
撮影/板野賢治 取材・原文/瀬戸由美子