オイルは太るから避ける、というのは過去の話。健康に必須な栄養素であり、脳の健康にも欠かせません。でも、いっぱいあってよくわからな~い、ミーナです。この連載で、しっかり学習したいです。
定番から今話題のオイルまで網羅しました。
今日の料理に使いたい種類がわかる!
オイル選びの基礎知識
健康に深くかかわる油脂。健康効果で話題の油もいろいろあり、何を選んだらよいのか迷ってしまいます。
ここでは、どの油にどんな効果があるのか、そして、それはなぜなのか、油を研究する専門家の後藤直宏さんに教えていただき、3回に分けてご紹介します。
今回は、摂取したオイルが体の中でどう働くのか? よく見かける「○○酸」とは何か? についてです。
後藤直宏さん Naohiro Goto
profile
東京海洋大学大学院、海洋科学技術研究科海洋科学系、
食品生産科学部門准教授。
工学博士。日本油化学会、日本栄養・食糧学会会員。
共著に『機能性脂質の新展開』(シーエムシー)、
『第二版 油化学辞典』(丸善)がある
Q
摂取した油は私たちの体で、どんな働きをするの?
A
エネルギーになるほか、体を構成したり、機能を整える働きも
脂質は炭水化物、タンパク質と並ぶ三大栄養素のひとつ。人間の生命維持に欠かせません。
その働きのひとつが、体を動かすためのエネルギーとなること。脂質のカロリーは1gにつき9kcal。炭水化物やタンパク質の4kcalよりも大きく、体内に蓄えることができるのが特徴です。また、脂質は、細胞膜を作る材料にもなります。なかでも、脳細胞はその構成要素の50%が脂質。脂質が不足すると、脳の機能が低下してしまう場合もあります。
その他、ホルモンの材料となる、皮脂として肌を守る、腸を刺激して便通を促すなど、体の機能を正常に保つ働きもあります。
Q
油のパッケージでよく見かける「○○酸」って何?
A
油脂を構成する脂肪酸のこと。脂肪酸によって異なる働きを持っています
「○○酸」とは脂肪酸の種類。油脂は、脂肪酸とグリセリンという分子で構成され、私たちが普段口にする液油の多くは、ひとつのグリセリンに3つの脂肪酸が結合した「トリアシルグリセロール」という分子構造を持ちます。
そして、脂肪酸はそれぞれ異なる性質を持ち、体内での働きもいろいろです。ですから、多く含まれている脂肪酸により、その油の機能が特徴づけられます。
「脂肪酸は炭素が鎖状につながった構造をしており、炭素の鎖が13個以上のものを『長鎖脂肪酸』、5〜12個を『中鎖脂肪酸』、4個以下を『短鎖脂肪酸』と分類しています」と後藤直宏先生。
次回は、必須脂肪酸はどのくらいとればいいのか? その他、オイルが体と脳にどんな影響を与えてくれるかなどをご紹介します。
撮影/板野賢治 構成・原文/瀬戸由美子 撮影協力/UTUWA