土地を楽しむラグジュアリートレイン~在る列車~
JR九州のななつ星に次ぐラグジュアリー空間の列車「或る列車」に乗りました。今回は「目にも心にも幸せ」な旅のお話。スイーツトレインですから、カロリーオフのヘルシー系ではありませんが、こだわりの地元厳選素材ばかりを使っているので、体も喜ぶプレミアムな旅ごはんです。故・原信太郎氏の愛した幻の客車「在る列車」を基に、ななつ星in九州を生み出した水戸岡鋭治氏+ドーンデザイン研究所がデザイン・設計。金と黒に唐草模様、ぴかぴかの夢のような列車がホームに入ってきました。
オンリーワンのラグジュアリー列車は2両のみ、中の仕様は少し異なるのですがどちらもグリーン車で38席のみのゲストだけを乗せて走ります。なんと、乗車の際にはレッドカーペット!セレブ気分でウキウキして乗り込みます。もう、この高揚感だけで、脳も心もアンチエイジング、すでに肌ツヤツヤです。
「在る列車」はスイーツトレインとして走行。乗車中に食事や飲み物、スイーツがゆっくりと楽しめるよう、豪華列車の食堂車のような作り。ななつ星で話題となったと日本伝統の組子細工の窓と格天井が、この「在る列車」の車内にも。その見事さにしばし見とれてしまいます。
成澤由浩シェフの「NARISAWA bento」と宮崎・都農のスパークリングワインからスタート。由布院のアトリエときデザイン研究所の天然木のランチボックスとカトラリーは、カーブが手に優しくて、その癒され感になんだか泣きそう。すっごく「欲しい~!!」とみんな絶叫するのですが、ゲストのためだけに造られたオリジナルなので販売はしていないのだそう。残念無念。
海と大地の風と名付けられたお弁当は九州づくし。大分産 関イサキのフライサンド・タルタルソースはフィンガーフードサイズですが、関イサキの旨味がじわっと広がって食べごたえ充分です。大分県のウニと熊本県の車海老に宮崎県のキャビア添えは美しいゼリー寄せ、ぷりぷりの海老や彩豊かな野菜、ぷちぷちのキャビアなど次々とやってくる異なる食感と味わいがとても楽しい逸品。大分県豊後牛のローストビーフ、秋野菜、かぼすポン酢はスパークリングワインと一緒に。まさに秋を感じる森の香りたっぷりのキノコのスープは、福岡、大分、宮崎のキノコの共演です。
夏の名残りのスイーツは宮崎県マンゴーと鹿児島県スイカのカクテル。本日の都農の白ワインは「シャルドネ アンウッディド2014」フルーティでフレッシュな味わいがマンゴーのデザートと相性抜群です。
お次は最初にススキが配られ、その上にのせられたのは、長崎ガラスのハンドメイド「泡入り」の手法を使った器。気泡ガラスから透けて見えるススキという演出もすてきです。大分県のあずきを使ったお月見団子をイメージしたスイーツ。福岡県の八女抹茶のソースをかけていただきます。
最後を飾るスイーツに使われているのは大分県宇佐市のぶどう園「プーの丘」のブドウ。くまのプーさんの物語のように自然のもの全てと仲良く過ごすことを大切にし、殺虫剤除草剤など一切使わず、土の中の微生物や雑草などと共存しながら育てるこだわりのブドウは、一粒一粒の味がギュッと凝縮しています。爽やかなシャインマスカットと巨峰の濃厚なコンビネーションと梨のしゃりっとした食感、もっちり濃厚宮崎県のリコッタチーズのタルトとのコントラストが絶妙で、赤ワインと合わせたい、まさにメインディッシュなデザートです。
まだまだ名残惜しい列車の旅。車窓の景色を眺めていると、プティフールが登場。パンチのある熊本県の青柚子とメレンゲ。福岡県の紅茶&キャラメルのケーキは意外にさっぱりといただけます。大分県のサフランとカボチャ、佐賀県のシナモンとバニラが重なり合って複雑な美味しさ。仕上げは紅茶にしました。福岡の星野製茶園のオーガニックティーを長崎県波佐見町の一真窯の名品「白磁手彫り」の器でいただく、これまた最後までテーブルの上でも九州の旅が楽しめるスバラシイ時間でした。
「或る列車」公式サイト
http://www.jrkyushu-aruressha.jp/
*平成27年11月~平成28年3月は長崎コースを走っています。JR九州企画実施の一般発売分は現在満席ですが、旅行会社企画の旅行商品はまだ申込みができるものもあります。
石井宏子
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