昆布パワーを再発見!
富山名物「黒とろろ昆布」
出張で富山県の高岡市に行ってきました! そこで昆布の素晴らしさを再発見しましたので、今日は昆布について書きたいと思います。
昆布は日本人の食には欠かせない食材ですが、あまりに身近すぎて、特別に意識して食べたことがないかもしれませんね。家庭ではだしをとったり、煮物に入れたり、塩昆布でいただいたりするくらいではないでしょうか?
実は、富山県は昆布が採れないのに、消費量は全国でもトップクラスというちょっとユニークな県。国産昆布のほとんどは北海道産なのだそうです。
富山県と昆布との関わりは江戸時代から。北海道から日本海沿岸を南下し、瀬戸内海を回って大阪へと荷を運ぶ「北前船」の寄港地のひとつが富山でした。北海道からは昆布やニシン、サケなどが運ばれ、富山からは米や薬が積み込まれたそうです。
昆布はなんとなく「ヘルシー」というイメージがありますが、どのような美容・健康効果があるのでしょうか。
食生活が欧米化し、肉や加工食品を多くとるようになった現代人の体は酸性に傾きがち。健康な体を維持するためには、弱アルカリ性に保つ必要があるので、アルカリ性食品を意識的に多くとることが大切です。アルカリ性食品といえば野菜ですが、昆布は野菜よりも強いアルカリ性を持っていて、食品中でもトップクラスなんです!
また、昆布は現代人に不足しがちなミネラルの宝庫。たとえば、カルシウムは牛乳の7倍も含まれています。また、腸内環境を整え、健康維持に欠かせない食物繊維も、大豆の約5倍と豊富に含まれています。
そのほか、昆布にはいきいきとした美肌作りに役立つ成分がいっぱい! 昆布に含まれるヨウ素には、適度な摂取によって肌の新陳代謝を活性化させ、健康な髪や爪を作る働きがあるとのこと。ビタミンB2も肌荒れ防止に欠かせないビタミンです。
昆布が持つネバネバ成分、フコイダンには胃の粘膜を保護し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌を排泄する働きがあります。腸の免疫細胞を活性化して免疫力アップにつながるということでも注目を集めていますね。
そして、富山で昆布といえばこのとろろ昆布。おにぎりにも海苔ではなく、とろろ昆布をつけるのが一般的だそうです。
私たちが普段よくいただく白っぽい色をしているのは「白とろろ昆布」で、昆布の中を削ったものですが、富山ではこの「黒とろろ昆布」。これは、昆布の表面を削ったもので、富山だけで食べられているものなのだそうです。とろろ昆布は、昆布を酢で柔らかくしてから削るため、表面を削った「黒とろろ昆布」のほうが、酸味が強いという特徴があります。
それでは、この「黒とろろ昆布」を使ったレシピをご紹介しましょう。サラダと冷やしうどん。どちらも、ムシムシとして食欲がダウンしがちなこの時期に食べやすいさっぱりメニューです。
ヘルシー効果いっぱいの昆布を食べて、爽やかに梅雨をのりきりましょう!
トマトの黒とろろサラダ
材料
フルーツトマト……4個
キュウリ……1/2本
アボカド……1/2個
黒とろろ昆布……適量
オリーブオイル……適量
塩・こしょう……適量
作り方
①フルーツトマトの中をくり抜き、くり抜いた部分を細かく切る。キュウリとアボカドも7ミリ角に切る。
②①と黒とろろ昆布と合わせてオリーブオイルをからめ、塩・こしょうで味を調える。
③中身をくりぬいたトマトの器に②を詰める。
もうひとつのレシピは、次のページでご紹介します。
黒とろろの冷やしうどん
材料
うどん……1玉
みょうが……1個
大葉……3枚
梅干し……1個
黒とろろ昆布……適量
白ごま……適量
めんつゆ……適量
作り方
①うどんはゆでて冷水にはなし、冷たくして水気をきる。
②みょうががと大葉はせん切りに、梅干しは種をとって叩いておく。
③器にうどんをのせて、みょうが、大葉、黒とろろ昆布、叩いた梅干しをのせる。冷たくしためんつゆをかけて白ごまをふる。
NEWS
山田玲子先生の最新刊、『NY発! サラダBOWLレシピ~野菜と雑穀でヘルシー! 』(大和書房)が好評発売中です。
スムージー、ジャーサラダ、次はこれ! いまNYで大人気の雑穀ワンプレートサラダが日本上陸。 BOWL(ボウル)はリーフ野菜をベースに、キヌアや麦、玄米などの雑穀、ココナッツやチアシードなどのスーパーフードや豆類などを自由に組み合わせた、ワンプレートサラダのこと。流行に敏感なNYでは、このBOWLを扱うサラダ店が急増中。今回のレシピ本では、NYスタイルのBOWLを日本の家庭向けにアレンジ。日本で手軽に手に入る食材を使いつつも、和洋中などジャンルを問わず、おいしさと栄養価の高い組み合わせで、おいしくヘルシーなBOWLレシピをご紹介。
山田玲子公式HP http://www.reiko-cooking.com/